大企業は、高待遇や社会的ステータスもあり、毎年多くの学生が就職を希望します。メリットも多いものの、実際に大企業に勤めている人の中には「つまらない」と感じる人も少なくありません。
少しでも「大企業はつまらないな…」と感じるのであれば、今のうちに大企業のメリットを享受しつつ、転職を視野に入れた情報収集を始めましょう。
今回は大企業がつまらない理由から、大企業のメリット・デメリット、大企業に向いていない人の特徴をお伝えします。
- 大企業がつまらないと感じる理由
- 大企業に勤めるメリット・デメリット
- 大企業に向いていない人の特徴
大企業はつまらないのか?
そもそも大企業とは、中小企業基本法で定められる「中小企業の基準を超える企業のこと」を指しています。以下は主な目安ですが、業種によってその基準が異なっています。
従業員数 | 300人以上 |
資本金または出資総額 | 3億円以上 (製造業・建設業、運送業等の場合) |
明確な大企業の定義はないものの、おおむね「従業員数と資本金が多い企業」は大企業と考えて良いでしょう。
そのため、大企業に勤めながらも「つまらない」「やりがいを感じられない」「早々に転職したい」と考える若手は多いのです。
大企業がつまらないと感じる原因
では具体的に大企業のどういった部分がつまらないと感じるのでしょうか? 主に2つの理由を説明します。
意思決定のスピードが遅く、事前確認にばかり時間が取られる
まずは意思決定のスピードが遅く、事前確認が多い点です。日本企業は役職を追って意思決定される場合が多く、保守的な傾向が強い大企業では特にその傾向が目立ちます。
一つの意思決定をするのに、会議を繰り返したくさんの議論を重ねていく大企業は、必然的にミーティングの準備や資料作成に多くの時間が割かれることになります。
あまりにも議論や議論のための準備ばかりに時間を取られ、本来やってみたいと思っていた仕事が全然できないという場合もあります。
独自の慣習やしきたりにうるさい
また、さまざまな独自の慣習やしきたりがある大企業も多く、合わない人には大企業をつまらないと感じるでしょう。
出退勤時間や、残業、長期休暇についても独自の決まりがあり、ものによっては暗黙の了解として、明文化されていないルールも。
大企業では特に先輩や上司の顔色を伺いながら、そうした決まりを把握しなければいけない場合も多く、堅苦しさを感じストレスを抱える若手も多いです。
大企業のメリット・デメリット
しかし大企業には特有のメリットが存在し、大きな恩恵が受けられる場であるのも事実です。「大企業がつまらないからやめたい」と転職する前に、大企業のメリットとデメリットを振り返りましょう。
メリット1:給与水準が高く、待遇が良い
まず大企業の大きなアドバンテージとして、給与水準が高く待遇が良い点が挙げられます。
以下の厚生労働省統計からもうかがえるように、男女共に大企業に勤めている人の賃金が高くなっています。
<令和元年 企業規模別の賃金>
企業規模 | 男性 | 女性 |
大企業 | 380万円 | 270万円 |
中企業 | 323万円 | 248万円 |
小企業 | 297万円 | 228万円 |
※小数点以下切り捨て
出典:厚生労働省|令和元年賃金構造基本統計調査の概況
大企業は他にも、住宅手当や家族手当、産休・育休制度の充実や、健康クラブ補助など、規模が大きいこともあり、福利厚生が充実している企業が多いのがメリットです。
メリット2:地位やステータスがある
大企業は知名度が高い企業が多いことから、地位やステータスがあるのもメリットです。周りからもうらやましいと憧れられる場合も多いでしょう。
また大企業は競争率も高く、入社する難易度が高いことでも知られています。そのため、周囲からの評価は高く、優秀な人材だと見なされるケースが多いです。
一度大企業に勤めるとキャリアに箔が付くことから、次の転職でも比較的有利に運びやすいメリットもあります。
デメリット:昇進のスピードが遅い
一方の大企業におけるデメリットとしては、年功序列の傾向が強いこともあり、昇進のスピードが遅いことが挙げられます。
ある程度昇進するまでは、なかなか自分の意見を言いにくく、閉塞感を抱えながら仕事をする若手も少なくありません。
しかし今は時代の変化が日に日に早くなっており、長く勤めれば必ず昇進されるという保証はなくなりました。極端な話、どんなに大企業であっても、20年後に存続しているかどうか分かりません。
そんな時代の流れを踏まえると、年功序列の傾向が強い大企業で、体力・気力十分な若い時期に将来の約束もない下積み仕事を重ねるのは、デメリットである可能性も高いと言えるでしょう。
大企業が向いていない人の特徴
大企業勤務には、人によって向き不向きがはっきりしています。
入社前は大企業向きだと思っていても、いざ実際に勤めてみると、意外と自分が大企業に向いていないと気づくケースも多いです。
具体的に大企業に向いていない人の特徴をお伝えしますが、少しでも当てはまる点があった人は、本格的に転職を検討することをおすすめします。
上昇志向が強く、積極的に新しい仕事に挑戦したい人
まず上昇志向が強く、自分で積極的に新しい仕事に挑戦したい人です。既述のとおり、大企業は規模が大きい特性上、何をするにも時間がかかり、なかなか一人の力だけでは新しい事に取り組みにくいのが実情です。
ベンチャー企業や小規模企業であれば、どんどん仕事を開拓し、成果によって年齢問わず昇進も可能ですが、大企業ではそうはいきません。
多少リスクがあっても新しい仕事に挑戦し、自分を成長させたいという方は、大企業には向いてないと言えるでしょう。
自分でスキルを磨き、収入を上げたい人
自分でスキルを磨き、収入を上げたい人も大企業には向いていません。大企業では、部や課、チーム単位での評価が重要視される傾向にあり、グループへの貢献が大切になります。
そのため大企業では、社内特有の仕事のやり方や評価基準に沿って仕事を進めるケースが非常に多く、他社でも通じる汎用的スキルが身につきにくいのが特徴です。
収入もグループでの評価や昇進に左右されるため、自分の力だけで収入増を見込むのは難しいと言えます。
よってスキルを磨きながら自分のスキルで収入を上げていきたい人には、大企業は肌に合わないところかもしれません。
社内政治や派閥争いが苦手な人
加えて大企業には社内政治や派閥争いが横行している企業も多く、こうした複雑な人間関係や争いが苦手な人には大企業は向いていないでしょう。
ふだんの仕事でも、生産性や効率ではなく忖度が重視され、処世術によって昇進や配属が決まる可能性も高いです。実力があっても降格や、望まない人事異動を言い渡されるケースもあり、苦しむ人も少なくありません。
よりフラットな環境で仕事のパフォーマンスを重視しながら、のびのびと仕事をしたいと思う人は、ベンチャー企業や小規模企業が向いているでしょう。
大企業がつまらないなら転職活動をしよう
今回は大企業がつまらない理由から、大企業のメリット・デメリット、大企業に向いていない人の特徴をお伝えしました。
かつては大企業に一度入れば将来が安泰と言われた時代がありました。しかし今では大企業でも倒産・縮小する企業が増えており、こうした大企業のイメージは現実味を帯なくなりました。
どんな企業に勤めていようと、誰もが将来のキャリアを自分で設計していく必要があります。大企業で得られるメリットを享受しながら、より良いキャリア設計を行うには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
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