ボーナスの後は転職者が増大します。「ボーナスをもらってから退職する人」はとても多いのです。
ボーナスはもういいから早く辞めたい…という追い詰められた状況の人もいるでしょうが、大半の人はボーナスをもらって退職したいと思っています。
しかし、ボーナスをもらってから退職することで、「もらい逃げ」と周りから言われてしまうこともあります。では、「もらい逃げ」と感じさせないように退職することはできるのでしょうか?
今回は、ボーナスをきっちりもらってから退職する方法と、「もらい逃げ転職」の注意点を解説します。
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ボーナスをもらってすぐに辞めるのってあり?
ボーナス後に辞めることはできない、という法律はありません。そのため、ボーナス直後でも辞めることは可能になります。
周りの人からは見え方は悪いですが、気にする必要はないです。なぜなら、ボーナスはボーナス対象期間の評価としてもらえるものだからです。
ただ、ボーナスをもらった次の日にやめないようにしましょう。会社には締日があるので、できれば締日に合わせて退職をするのが望ましいです。
ボーナスを貰う貰わないは関係なしに転職先を決めてから辞めるようにしましょう!
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ボーナス直後は転職者が増大する
転職者が一番多い時期はいつでしょうか?答えは、ボーナスの直後です。
会社を辞めるなら、ボーナスをきっちりもらってからにしようと考えている転職者が大勢いるわけです。「転職したい」「退職したい」と考えても、ボーナスまでは何とか頑張ろうと思って働いている人もいるでしょう。
今まで身を粉にして働いてきたのです。ボーナスを受け取るのは当然の権利と言えます。
ボーナスをもらって辞めることに後ろめたさはいらない
ボーナスをもらってすぐに会社を辞めると「もらい逃げ」と思われないかなと心配する人がいます。ボーナスをもらってすぐに辞めることに罪悪感をもってしまうのです。
確かに、会社側の心境としては、「ボーナス直後に辞めるなんて」「タイミング良すぎ」と思うかもしれません。
周囲の目が気になるのは分かりますが、ボーナスは堂々と貰えばいいのです。周囲の人がどう思うかなど、気にする必要はありません。
とは言っても、できることなら「もらい逃げ」と思われたくないのが人情でしょう。
「ボーナスもらい逃げ」の印象を残さない退職方法
ボーナスをもらってから仕事を辞めようと検討している人は多いですが、もらい逃げの印象がついてしまうと辞めるまでの居心地が悪くなってしまいます。
また、ボーナスをもらう前に辞める計画が漏れてしまうと、ボーナスが減額されてしまう可能性もあるので注意が必要です。
以下では、「ボーナスもらい逃げ」の印象を残さない退職方法について解説するので、検討している人はしっかりチェックして実践しましょう。
ボーナスの支給後2週間以上たって伝える
退職を切り出すタイミングは、ボーナスの支給後2週間以上経ってからがおすすめです。ボーナス支給直後に退職を切り出すと、もらい逃げの印象が強くなってしまいます。
もらい逃げと思われてしまうと社内での印象が悪くなり、辞めるまでの居心地が悪くなる恐れもあります。どうせ辞めるとは言え、最後まで気持ちよく仕事をしたいですよね。
円満退職をするためにはボーナスと関係ないと思われるギリギリの時期に申し出るようにしましょう。
引き継ぎを全力でおこなうこと
円満退職を狙うなら、引き継ぎを全力でおこないましょう。引き継ぎを全力でおこなって辞めても問題ないような状態にしておけば、十分誠意を見せたと言えます。
ろくに引き継ぎをしないまま辞めてしまうと、辞めた後でトラブルに発展する場合もありますし、同僚も自分もいい思いはしません。
会社にいい思いを持っていない人もいるかもしれませんが、立つ鳥跡を濁さずの精神で最後まで自分の業務には責任を持って行動しましょう。
ボーナスをもらってからすぐに辞めるときの注意点
ここからは、ボーナスをもらってからすぐに辞めるときの注意点について解説します。
注意点を抑えておかないと取り返しのつかないことになって後悔しかねないので、最後まで入念にチェックしてください。
ボーナス支給後に退職する旨を伝える
ボーナスをもらった後すぐに会社を辞めたい気持ちはわかります。しかし、ボーナスは、過去の働きに対する評価と、今後の働きに期待して受け取れる対価です。
退職を伝えると、今後の働きに期待できない分、大幅に減額されてしまう可能性があります。
ボーナスを満額もらってやめたいなら、人事評価が確定し、ボーナスを受け取った後に就業規則に従って2週間以上もしくは1ヶ月後に辞めることを伝えましょう。
ボーナスを優先しすぎず自分の体を優先する
ボーナスが欲しい気持ちはわかりますが、ボーナスを優先しすぎるあまり、自分の体を壊してしまうのは避けましょう。
ブラック企業でこのまま続けると体が持たない、パワハラを受けて精神的に疲弊しているといった人は、ボーナスを気にせず退職を検討すべきです。
体を壊して退職してしまうと、治るまでにかなりの時間がかかります。本来健康に働けていればもらえるはずだった給料やボーナスまでがなくなってしまうので、自分の体は最優先に考えてください。
辞める前に転職先を決めておく
ボーナスの有無に関わらず、辞める前に転職先を決めておくのは必須です。転職先が決まらないまま退職すると、転職先を探すまでの間収入が途絶えてしまいます。
失業保険も自己都合退職の場合は支給まで2か月~3か月かかるので、転職先を決めないなら貯蓄が必要です。さらに、無職の期間が長いと生活リズムが狂い、再就職して仕事のある生活に戻るのは大変です。
ただし、ブラック企業で体を壊しそうな場合や、パワハラなどがある場合はすぐ退職して自分の身を守ることを最優先しましょう。
ボーナスをもらってすぐに辞めるのにおすすめのスケジュール
ボーナスをもらってすぐに辞めるのにおすすめのスケジュールを紹介します。
よくある夏のボーナスと冬のボーナスそれぞれ詳細に解説するので、ぜひ参考にしてスケジュールを組んでみましょう。
夏のボーナス(6月支給)
夏のボーナスは7月上旬から中旬にかけて支給されるので、支給後は2週間以上期間を空けて辞意を伝え、引継ぎ作業に入りましょう。
ボーナスをもらってすぐ辞めたい人は、ボーナス前に内定先を決めておくのがポイントです。内定先が決まったら、内定先企業には自分のスケジュールに沿った入社時期を相談してください。
早く辞めたい気持ちは理解できますが、9月入社を焦って転職先を妥協しないようにしましょう。
▼スケジュール例
月 | 活動内容 |
3〜6月 | 転職活動 |
5〜6月 | 転職先内定 |
6月 | ボーナス支給(上旬~中旬) 退職願提出(下旬) |
7〜9月 | 退職 |
ボーナスの半年前からじっくり探すのがおすすめです。
冬のボーナス(12月支給)
冬のボーナスに合わせて辞める場合も、支給月である12月中旬を基準にして大まかなスケジュール感は変わりません。ボーナス支給の半年前ごろから転職活動を開始し、ボーナス支給後に辞意を伝えましょう。
ただし、転職の求人ピークが2月と言われていることもあり、ボーナスを受け取ってから転職活動をする場合は急いで内定先を決める必要があります。
3月に入ると多くの企業は新卒採用に力を入れ始めるため、中途採用者には厳しい時期になってしまいます。
▼スケジュール例
月 | 活動内容 |
10~12月 | 転職活動 |
11〜12月 | 転職先内定 |
12月 | ボーナス支給(上旬~中旬) 退職願提出(下旬) |
1月〜3月 | 退職 |
余裕を持って動くのが鉄則です。
冬のボーナス直後は、転職活動が大変?
冬のボーナスをもらってから会社を辞めようと考えている人もいるでしょう。しかし、冬のボーナス直後は転職活動が長引くのを覚悟する必要があるかもしれません。
その理由は、12月と1月は、年間で最も企業の求人数が少ない時期だからです。
さらに、ボーナス直後は転職者数は増大します。求人数は少なく、転職者は多いという状態になってしまうため、転職活動が難航する恐れがあるのです。
冬のボーナス直後に仕事を辞めて転職活動をする場合は、転職活動が大変なことを覚悟しておくべきです
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今の会社でも転職先でもボーナスをもらおうとしないこと
ボーナスをもらって退職しようとする人が次に考えることが、転職先でも初ボーナスを満額もらいたいということでしょう。
しかし、転職後の試用期間はボーナスの査定期間に含まれないこともありますので、転職先で初ボーナスを満額もらうというのは難しいかもしれません。
転職先でのボーナスを重要視するのであれば、今の会社でのボーナスを諦めて早期に転職し、転職先のボーナス査定期間を長くすることで初ボーナスを多くするという方法もあります。
しかし、あまりボーナスにこだわり過ぎると、転職のタイミングを逃す可能性もあります。今の会社でもらうか、転職先でもらうかどちらか一つに絞り、「ボーナスはもらえればラッキー」と考えてあまり固執しすぎないことが大事です。
ボーナス支給日前にボーナスをもらって退職できる?
もしあなたが、「こんな会社、一刻も早く辞めたい!」「でもボーナスは欲しい!」と思っている場合は、どうすればいいのでしょうか?
このような場合は、本来もらえるはずのボーナスの一部でも支払われないかどうか、を確認してみましょう。
そもそもボーナスには、これまでの労働に対する報酬と、今後の労働の奨励というふたつの意味合いが込められています。ボーナス対象期間は、会社によって違いますが、たいてい夏が12月1日から翌年の5月31日までで、冬が6月1日から11月30日までです。
理論上、たとえばボーナス対象期間のうち3分の2以上勤務していたら、その労働に対する報酬は支払われてもおかしくないと考えられます。
とは言っても、理論と現実は違います。そこで、あなたの会社の就業規則をチェックしてみましょう。就業規則には、その会社の給料、勤務時間、休日、退職金などについての細かい規定が書いてあります。
そのなかに「賞与は、その支給日に在籍した者のみに支払われる」という一文があるでしょうか?もしその一文があったら、残念ながらどんなに主張しても支給日前に辞めた人はボーナスをもらえません。あきらめてさっさと辞めるか、ボーナス支給日まで粘るかの2つに1つです。
逆に明記されていない場合は、思い切って交渉してみる余地があるということです。ただし、通常のボーナスには将来への期待も含まれているわけなので、辞める人間が高い報酬をもらえると期待しない方がいいでしょう。
ボーナス支給直後に退職したら返還を求められる可能性はある?
ボーナス支給直後に退職する際のトラブルとして心配になるのが、返還を求められないかということです。しかし、たとえ会社からボーナスの返還を求められたとしても、労働者に応じる義務はありません。
これは労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」として明記されており、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約が禁止されています。
それでもボーナスの返還を求められたり、就業規則にボーナスの返還について記載がある場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーなどに相談しましょう。
退職日とボーナス支給日を逆算してスケジュールを立てよう
「転職したい」「会社を辞めたい」と思った時が、転職のタイミングです。ボーナスをもらいたいという気持ちももちろんありますが、あまりボーナスに固執しすぎても転職のタイミングを逃してしまいます。
仕事の区切りが一段落ついたタイミングや、家族の都合なども考慮して、転職の時期を考えましょう。ボーナスだけにこだわらず、総合的に判断して転職活動の計画を立ててください。
効率的に転職活動を行いたいなら、転職エージェントに相談してみましょう。ボーナス直後に辞めたい場合でも、スケジュールの調整をおこなってくれます。
\スケジュール調整が重要/