「通勤時間が無駄と感じる」
「毎日の長い通勤時間に疲れ果てた」
悩んでネット検索して「通勤時間は無駄」という主張をたくさん目にして「やっぱり」と思っていませんか?
たしかに、たった一度きりの人生で通勤時間で何年・何十年と浪費し続けるのは無駄です。
一方「通勤時間は無駄」という主張の中には、置かれている状況や環境を考えず、一辺倒に通勤時間を否定しているものもあります。
本当に通勤時間が無駄かどうかは、あなたの状況や目指す方向によって変わってくるものです。
そこで本記事では、通勤時間が無駄になるパターンとそうでないパターンとに分け、それぞれにふさわしい身の振り方について解説します。
「通勤時間は無駄」論者が訴える3つの主張
「通勤時間は無駄」と主張する人たちの意見とまとめると、だいたい以下の3つに集約されます。
時間の無駄遣い
「通勤時間は時間の無駄づかいである」というのが、多くの人が訴えることです。
通勤時間は生産的な活動にあてにくく、ただ単に時間を浪費している感覚に陥りやすいといえます。
さらに長い通勤時間は睡眠不足やストレスを招き、心身に悪影響を及ぼす原因にもなります。
総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 生活行動に関する結果(*)」によると、平日の通勤・通学の平均時間は1時間19分とのことです。
毎日1時間19分あれば、睡眠にあてたり、趣味や習い事にあてたりしたいと思う人もいるでしょう。
月20日の通勤であれば、1ヶ月で26時間20分。1年間で316時間。
なんと、13日と4時間が通勤時間に費やされていることになります。
「通勤時間は時間の無駄づかい」というのは、決して間違いではありません。
(*) 都道府県別通勤・通学の行動者平均時間(平成28 年)-平日|総務省統計局
ストレスが多い
2004年「通勤ラッシュによるストレスは戦場以上(*)」という調査報告がセンセーショナルに取り上げられ、話題となりました。
調査報告によると「帰宅途中でラッシュに巻き込まれた人は驚くほど強いストレスを感じる」というのです。
満員電車やバスの殺伐とした空気を経験したことがあるなら、共感する人も多いのではないでしょうか。
通勤ラッシュに巻き込まれる時間が長ければ長いほどストレスは強くなりますし、長期的な影響も予測されます。
よって、健康面を考えても通勤時間が無駄というのは結論の一つです。
(*) 通勤ラッシュによるストレスは戦場以上–調査報告|CNET Japan
感染症のリスクが大きい
以前から、不特定多数が密集する通勤電車やバスの利用による感染症の広がりの懸念はありました。
咳やくしゃみの周囲への配慮、エチケットがなっていない人に対する不満不安の声はニュース等でも取り上げられています。
近現代で初めて世界が直面した感染症で、そうした不満・不安・リスクは一気に拡大しました。
持病を抱える方や妊婦さんなどは、特に強い懸念を抱いています。
ただでさえ有意義と感じづらい通勤時間に、感染リスクまで増えたのでは、無駄といわざるを得ません。
「通勤時間は無駄じゃない」論者が訴える3つの主張
主な論点は以下の3つにまとまります。
自分磨きの時間に使える
家でも会社でもない場所だからこそ、集中して自分磨きの時間に使えるという考えです。
読書、ラジオやネットを使っての情報収集、資格取得の勉強や副業の時間にあてているという人は多くいます。
また、1日の計画やアイデアをじっくり練る時間にちょうど良いという人もいました。
時間を有効に使おうという意志があり、実際に使い方がうまい例です。
さらに、早朝の空いている時に乗って集中してしたいことを行い、早く着いた分、会社近くのカフェで勉強、ジムに通うなどの猛者も少なくありません。
反対に、通勤時間が無駄だと思って会社の近くに引っ越したら、ただ起きる時間が遅くなったという人もいるので、やはりこの辺りは自分次第といえそうです。
プライベートな空間を確保できる
家族と一緒に住んでいたり、家庭がある人からであがる好意的な意見として多いのが「通勤時間はプライベートな空間を確保できる」ということです。
とくに子育て中の世代では、一人で映画やドラマなど娯楽を楽しめる電車やバスの中が至福の時間といいます。
副業や趣味なども家族の前ではしにくい、家族の目が気になるというケースでも、通勤は貴重な時間となるようです。
仕事モードにスムーズに入れる
通勤時間をプライベートモードから仕事モードに切り替える時間として前向きに考える意見も多いです。
寝起きでボーッとした頭も、仕事用の衣服に身を包み、同じく通勤中の人たちに囲まれることで切り替わりやすくなります。
特にテレワークが増えてから「だるいと思っていた通勤時間は、仕事モードに入るのに意外と必要な時間だった」と気づいた人も多いようです。
通勤時間が無駄かどうかはパターン別で身の振り方を考える
通勤時間は無駄なのか、無駄じゃないのか。それは置かれている状況や環境により異なります。
無駄じゃないので前向きに活用方法を考えた方が良いパターンと、無駄なので身の振り方を考えた方が良いパターンとにわけて解説します。
通勤時間は無駄じゃないので活用するパターン
- 片道30分以内で通勤できる
- 片道30分超〜1時間だけど、空いてる電車・バスに乗られる
上記のパターンは通勤時間は必ずしも無駄ではないので活用方法を考えましょう。
電車やバス通勤の場合は手も視線も好きに使えるので、読書や勉強、副業など様々な作業を行いやすいです。
自動車通勤の場合は音声学習、ラジオやニュース、オーディオブックの活用などある程度制限がかかります。
一方で、一人の空間なので声を出しての語学学習やプレゼンの練習などができるのが車通勤を活用のメリットです。
通勤時間は無駄なので身の振り方を考えるパターン
- 身動きが取れない満員電車・バスに乗らないといけない
- 片道30分超で車の運転をしないといけない
- 片道1時間以上
短時間でも身動きが取れないようなラッシュ時の電車やバスに乗らないといけない場合は、通勤時間の有効活用が難しいだけでなく、ストレスの原因にもなります。
また車通勤の場合は、30分を超えて運転と勉強などの同時作業は集中力の低下を招き、事故のリスクも考えられるため避けた方が良いです。
電車・バス、自動車通勤いずれの場合であっても毎日片道1時間以上かかるようであれば、通勤時間の活用以上に長期的なストレスが心配になります。
上記のパターンでは、会社近くへの引っ越し、転職などを検討しましょう。
その時は大変ですが、長い人生全体を考えた時の影響は計り知れません。
引っ越す場合は、通勤時間が30分以内になるようにしましょう。
転職の場合は、自分のやりたいこと、能力や経験が活かせること、勤務条件に加えて、通勤時間やしやすさも考慮してください。 複雑になって大変な場合は、転職エージェントの活用もおすすめです。