敬語って難しいですよね…面接でうまく使えません。
謙譲語と尊敬語の違いはおさえておくといいよ。
普段の学生生活では敬語を使う機会はほとんど無いですよね。そのため謙譲語や尊敬語を上手く使いこなせていなかったり、二重敬語になってしまったりすることがあると思います。
ですが、面接時や企業の説明会などで正しい言葉が使えているかというのを企業側が必ずチェックしています。
ここでは謙譲語と尊敬語の違いと確認し、しっかりと自分の言葉で自信を持って話が出来るようになってください。
謙譲語と尊敬語の違い
謙譲語とは、自分に対して所有物や動作、状態などを卑下することによって相手に対して敬意を表すものです。申し上げるやいただく、伺う、拝見するなどが謙譲語になります。
そして尊敬語とは、相手の方に対して動作や状態などを高める言い方です。召し上がる、お荷物、など語尾に『れる』『られる』がついたり、名詞の前に『お』や『ご』をつけることが一般的に知られています。
謙譲語と尊敬語の使い分け
とても似ているように感じるとは思いますが、謙譲語は自分をへりくだる時に使う言葉で主体は自分です。尊敬語は相手を立てるときに使う言葉になり、主体は相手となります。
例文:では月曜日にお伺いいただけますか?
このお伺いとはいうのは相手の行動に対しての使うものなので謙譲語のお伺いというのは間違いになります。
この場合は、「では月曜日にお越しいただけますか?」が正解になります。
例文:こちらの資料を拝見いただけますか?
拝見するというのはこちらも謙譲語になります。相手に対して拝見するというのは相手を卑下したような言い方になります。
この場合は、「こちらの資料をご覧いただけますか?」が正解となります。
その他、面接や仕事で使われる謙譲語と尊敬語を紹介いたします。
謙譲語(自分が主体) | 尊敬語(相手が主体) |
---|---|
お目にかかる | お会いになる |
させていただく | される・なさる |
伺う | お聞きになる・聞かれる |
存じあげる | ご存知 |
申し上げる | おっしゃる |
いたす | なさる |
今まで敬語だと思って使っていた言葉が実は謙譲語だった、ということもよくあるよね。
敬語だと思っていても敬語ではない場合
普段自分たちは何気なく敬語だと思っている言葉が実は謙譲語でも尊敬語でもないタメ口だという時があります。
例)ご苦労様でした。
上司や取引の方が出張や出先から帰ってきた場合によく言いがちですが、ご苦労様でしたは目下の人に対して使う言葉です。
このような場合は『お疲れ様でした』を使うのが正解です。
例)了解しました。
『承知しました』か『かしこまりました』が正しい言い方です。娯楽関係のお仕事をご希望の方は職場によっては堅苦しく感じるため了解しましたという言い方をするところもありますが、一般的な企業ではかしこまりましたが良いでしょう。
例)ご一緒します。
こちらは相手と自分が対等の立場の時に使います。同期でも仕事中に使うことは問題ありませんが、上司や取引先のお客様に対しては『お供します』が正解です。
例)しばらくぶりです。
『ご無沙汰ぶりです』が正しい言い方です。または『お久しぶりです』という言い方でも間違いではありません。
例)お世話様です。
よく言われたり、言ったりすることもあると思いますがお世話様ですという日本語は基本的に存在しません。もし言い換えるならば『いつもお世話になっております』が正しい日本語です。
例)大変参考になりました。
こちらは元々自分の考えがあって相手の言ったことによって自分の考えに対して参考になったという上から物言う感じになるので『大変勉強になりました』と伝えるのが良いでしょう。
うっかり使ってしまいそうですね、気をつけます。
二重敬語
二重敬語とは一つの文章に対して二回敬語を重ねることです。一つの文章に対して謙譲語、尊敬語のどちらか一つを一回使うことが正しい日本語です。新社会人の多くの方は敬語を話さないと、と思うあまり何でも敬語にしようとします。しかし、それが大きな間違いです。
例)何時頃本社にお戻りになられますか?
この文章の場合には『お○○になる』と『なられる』のどちらも尊敬語を二回使っております。どちらか一つに絞って使うのが正しいです。
『何時頃お戻りになりますか?』または『何時頃戻られますか?』のどちらでも使いましょう。
例)お休みになられましたか?
この場合も上の文章と同様『お○○する』と『られる』というに二重敬語になっております。
『お休みになれましたか?』が正解です。
上の二つのパターンがそうですが、『お』や『ご』がついている場合はそれ自体ですでに尊敬語になっています。そのため、そのあとに続く言葉に尊敬語を使うのは、正しい日本語ではなりません。
どんな言葉が尊敬語や謙譲語になるのを覚えていれば、二重敬語を防げるよ。「敬語では無いと思っていた言葉が実は敬語だった」というパターンがよくあるから気をつけよう。
クッション言葉を使って好印象
クッション言葉も相手に対して物腰が柔らかくソフトな印象を与えます。クッション言葉はマジックフレーズとも言われており、これを一言添えるだけで印象がガラリとかわり印象アップにつながります。
しかしこのクッション言葉にも少しルールがあるので覚えておくととても便利です。
就職活動中でよく使うクッション言葉
相手にお願いする時は『恐れ入りますが』『よろしければ』『お手数おかけしますが』『お忙しいところ申し訳ございませんが』などがあります。
また相手に断るときは一言クッション言葉を付け加えると相手に嫌な思いをさせずにすみます。
『せっかくですが』『誠に残念ですが』『申し上げにくいのですが』『大変恐縮ですが』などを使うと良いでしょう。
全て覚えなくてもどれか一つ覚えておけば、相手に恥をかかせることもないし、とても丁寧な印象を与えるよ。
クッション言葉は適度に使う
例)お手数おかけいたしますが、こちらに住所のご記入願えますか?お忙しい中ありがとうございます。申し訳ございませんが、もしご都合があいましたらまたお越しくださいませ。
上記の例では、一つの事柄に対して4つのクッション言葉が使われています。クッション言葉を使いすぎて、媚を売っているように感じる方もいるでしょう。
『お手数おかけしますが、こちらに住所のご記入願えますか?ありがとうございました。またお越しくださいませ』とこれで十分丁寧に聞こえます。
いくら丁寧だからといって、使いすぎは良くありませんね。
よくありがちな間違った言葉使い
ここからは、よくある間違った言葉づかいを紹介します。
自分自身の呼び方
男性・女性関わらず私(わたし・わたくし)が一般的な言い方です。わたしが一般的に使われますが、わたくしは少し固い表現になります。相手が相当目上の方や役職が上の方に使う場合はわたくしが良いでしょう。
また自分の会社を相手に話すときは『弊社』と言います。相手の会社のことを『御社』という言い方をします。
『ら』抜き言葉
お友達と話している時など何気なく無意識に使っている言葉ですが、ビジネスの時に『ら』が抜けていると、とても品が無い印象を相手に与えてしまいます。
例)電話に出れませんでした→出られませんでした
送っていただいた添付画像が見れません→見られません
仕事の時だけでなく普段から言葉使いをしっかり直して行くのが良いでしょう。
『ら』抜きの逆で何にでも『さ』を入れると丁寧語だと勘違いしている方も多いと思います。
例)案件書類を読まさせていただきました。→読ませていただきました。
お先に帰らさせていただきます。→お先に帰らせていただきます。
『〜のほう』
『〜のほう』は間違った日本語です。
例)お茶の方をお持ちしました→お茶をお持ちしました
お荷物の方をお預かりします→お荷物をお預かりします
『〜のほう』は何気なく使っている人も多いんじゃないかな?気をつけよう。
正しい言葉遣いをしよう
謙譲語や尊敬語には色々覚えることやルールがありますが、普段から少しずつ言葉使いを意識することで、面接時や説明会などでもスムーズに緊張せずに話すことができるようになるでしょう。