早期内定って、本当に手放しで喜んでも大丈夫でしょうか?
メリットとデメリットをおさえておくと安心だよ。
「就活のタイムラインの変更が起きる。」「就活の早期化は本格的に始まる。」などと言われていますが、それはあくまでもう少し先の話です。
今年度は就活解禁が3月とまだ定められているので、しばらくは「早期内定」が始まっていくことでしょう。
そこで今回は、この「早期内定」とは何なのか、その背景や気を付けるべきところについて解説していきます![
早期内定が起きている業界と時期
まずは、実際に早期内定が起きている業界や時期を見ていきましょう。
大学3年生の9月~
◆外資系メーカー
外資系メーカーのうちいくつかの会社はインターンなどを通して優秀とした人材に早期内定を特別選考枠として採用しています。
P&G Japan、ユニリーバ・ジャパンなどが挙げられるよ。
大学3年生の10月~
◆外資系コンサル
外資系コンサルもサマーインターンを通して優秀と判断した人材に早期内定を出す傾向があります。難易度は高いですが、レベルの高いライバルと出会うこともできるので挑戦してみることにも価値があるでしょう
アクセンチュア、PwC コンサルティングなどが挙げられるよ。
大学3年生の12月~
◆外資系戦略コンサル
総合コンサルとは違い、企業の経営戦略に特化したコンサルティング業のことです。やはり、経団連の影響を受けず自由に採用活動を行う外資系の企業が早い傾向にありますね。
◆外資系投資銀行
あまり日ごろ生活しているとかかわりのない業界の一つかもしれません。主に富裕層や証券を取り扱う業界です。
外資系戦略コンサルはマッキンゼー・アンド・カンパニー、A.Tカーニーなど、外資系投資銀行はゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーが挙げられるよ。
大学3年生の2月~
◆ミドルベンチャー
就活生の中でも有名な企業が現れてきます。成長志向の強いベンチャーでは早期に意欲と能力の兼ね備えた人材の確保をしたい傾向にありそうですね。
メルカリ、クックパッドなどが挙げられるよ。
大学3年生の3月~
◆メガベンチャー
誰もが知るようなネームバリューのあるベンチャー企業が並びます。
サイバーエージェント、DeNAなどが挙げられるよ。
大学4年生の5月~
◆広告代理店
広告代理店は他の業界より一足先に内定が出される傾向にあります。
電通、博報堂などが挙げられるよ。
大学4年生の6月~
◆一般的な企業
これまでに挙げてこなかった企業がこの後内定を出していきます。これまでに多くの企業や業界を挙げてきたように最後に一般の企業の内定が出るようになってしまうので、周りの内定報告に不安があおられてしまうこともあるでしょうが、ひたむきに自信をもって頑張りましょう。
一体、早期内定とは何か
早期内定とは、その名の通り企業が学生に対して通常のタイムラインより早く内定を出してしまうことです。
この早期内定の「早期」という部分に特別感をもたらし、企業の取りたい人材を早期に囲い込んで獲得しようとことが企業の狙いになっています。
一見、学生からすると興味のある企業に内定をもらうことができ、企業にとっても早期内定によって採用活動がおわるwin-winの関係のように見えますが、そこにはメリットだけでなく思わぬ落とし穴も潜んでいます。
早期内定のメリット
先ほど述べたように早期内定にはいい側面もあれば悪い側面も潜んでいます。早期内定をもらった人は、しっかりと吟味したうえで判断するようにしていきましょう。
就職活動が早期に終わる
早期内定の一番の魅力はここにつきます。
就職活動をすることは人生の大きな分岐点になりますので、非常に大きな選択を迫られるのです。この選択を長く悩み続け就職活動を続ていると精神的な負担が非常に大きくかかってきます。
中には、あまりの精神的なストレスにより精神の病を患ってしまう人もいます。
心の安定をもたらす意味では、早期内定は非常に安心感を与えるものになりますね。
企業への順応が早まる
企業によっては内定した学生から順に内定者インターンと呼ばれるものを実施している企業もあります。
この内定者インターンでは、早期内定を得た学生に社内でインターン生として業務に携わってもらうことで早期に育成を行ったり、社風に慣れてもらったりすることを目的としています。
採用期のような面接官と就活生の関係性から、同僚であり上司と部下の関係性として働くことができます。
会社のことを知る上では非常に良い経験を得られるよ。
早期内定のデメリット
早期内定について、正直悪い所はあまり多くはありません。しかし十分に注意しないと後戻りができなくなってしまうこともあるので、気を付けましょう!
内定者インターンに飲み込まれてしまう
内定者インターンとして有給のインターンを早期内定者に参加させ、安価な労働力として扱う企業には注意が必要です。
早期内定を含む内定者は、自社の内定者インターンに参加することも教育プログラムの一環などと言われます。そして、半強制的に内定者インターンに参加させられます。
有給とは言えあまり高くもない賃金で働かされてしまい、ほかのバイト経験や卒業旅行に行く機会を失ってしまう可能性も大きくあるでしょう。
また、内定者インターンにあくせくしているうちに他の企業を見る機会や自己分析をする機会を失ってしまう可能性だってあります。
「どれだけのコミットを求められるのか、義務なのかどうか、休みを取った際の雰囲気はどうなのか」など、事前にじっくり観察しておこう。
就職後のギャップに苦しむ
就活期から入社までの間は、企業にとって「学生」の存在は企業のリソースになってくれるのかどうかわからない状態のため丁寧に丁寧に扱います。
早期内定を出した学生には、学生のうちではなかなか行けないような高い店に連れて行ったり、会社の重役との会食を設けたりと早期内定者に対して「あなたは特別枠です!期待しています!」という印象を与えて、内定辞退をしないように全力を尽くします。
また、企業によっては新入社員の教育よりも採用に活動に注力している企業も多く存在しています。そのため、早期内定者向けのインターンでは様々な裁量権を与えてもらったり新規事業を1つ任せてもらえたりすることもあります。ですが、いざ入社となると全く業務を任せてもらえず、期待していた現実と乖離してしまうことも起こりうるのです。
早期に内定をもらったからといって、すべてが順風満帆になるとは限らないんですね。
早期内定ってダメなものなの?
さて、早期内定の落とし穴を長々と書いてきましたが早期内定は果たしてダメなものなのでしょうか?
いえ、決してそんなことはありません。
早期内定はあなたが就活を頑張ったことを評価する立派な結果ともいえるでしょう。
自身の価値を無駄にすることなく、自分が最も納得できる選択をしていきましょう。