医局を辞めようと考える人の理由はさまざまです。ただこの決断をする前に、「医局を辞めるときのポイントやタイミング」「医局を辞めると決めた場合の切り出し方」などについて考えなければなりません。
今回は「医局を辞める」をテーマに、その切り出し方やメールで伝えることの可否、医局を辞めるベストタイミングはいつなのかについて解説していきます。
また、転職の強い味方となる転職エージェント(エムスリーキャリアエージェントなど)についても紹介していきます。
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医局を辞めることを切り出す前に確認すべきこと
一度「医局を辞める」と口に出してしまえば、それを覆すのはなかなか難しいものです。そのため、医局を辞める前には、下記の3つをよく考えなければなりません。
それぞれ解説していきます。
本当に医局を辞めるべきかどうかを考える
まず、「本当に医局を辞めて後悔しないかどうか」を考えるようにしてください。医局はそこで勤め続けることによるデメリットがよくクローズアップされるものですが、医局に勤め続けることで得られるメリットもあります。
たとえば、専門医になるための勉強が続けやすいなどです。また、医局を辞めることで、今まで築き上げてきた人脈が崩れる可能性が高くなるというリスクもあります。
上司などに辞意を表明した場合、それを撤回するのは心情的にも難しいものです。また上司も、一度「辞める」と言ってきた部下に対して、複雑な感情を抱くことは避けられないでしょう。
そのため、一時の感情に任せて医局を辞めると決めるのではなく、医局を辞めるメリットが医局を辞めるデメリットを上回ると確信できるかどうかをよく検討し直しましょう。
医局を辞める理由を整理して納得されやすい理由やポジティブな理由を用意する
「考えた結果、やはり医局を辞めたいと思った」ということであれば、次に、「医局を辞める理由」について整理していきましょう。
このときに、「医局を辞めたい理由は、自分の理想とする医療を追求することだ。それには、民間の○○病院が向いている」という前向きな理由が用意できるのであれば、それが一番望ましいといえます。
ただなかには、「医局の人間関係が煩雑で、面倒」「理不尽な異動に疲れた」などのようなマイナスの理由が「医局を辞めたい理由」である人もいるでしょう。
このような場合でも、正直にそれを上司などに告げるのは悪手です。相手に悪い印象を残してしまうと、それ以降の医師人生にマイナスになってしまう可能性があります。
そのため、マイナスの理由で医局を辞める人こそ、相手に納得してもらいやすい理由やポジティブな理由を考えて用意することが重要です。
辞めたあとどうするか決める
医師の世界は常に売り手市場です。医師免許を持っていれば、医局を辞めた後でも就職する場所に困ることはないでしょう。ただ、大切なのは「医局を辞めることそのもの」ではなく、「医局を辞めた後の医師人生」です。医局を辞めても、一部の例外を除き、「医師としての人生」は続いていくからです。
医局を辞めた後に自分はどうするかについて、しっかりと考えていきましょう。たとえばその候補として、以下のようなものが考えられます。
- 民間のクリニックに移る
- 公衆衛生医師や製薬会社勤務など、今までと違った働き方を模索する
- 開業する
これらの選択肢の、どれかだけが良く、どれかだけが悪いとはいえません。ただ、自分のこれからの道をじっくりと考えて、後悔のない選択肢を取れるようにしておく必要があります。
なお、「自分の進む道が分からない」という場合は、医師専門の転職エージェントに相談すると道を定めやすくなります。
医局を辞める際の切り出し方のポイントや注意点
「医局を辞める」と決めたのであれば、今度は「辞め方」を考える必要があります。この「辞め方」を考えるときのポイントはシンプルで、「医局側の立場に立って考える」という視点を持つことです。
できるだけ早めに切り出す
労働基準法で定められている「退職するまでに必要な期間」は2週間とされています。このため、法律的には2週間前に切り出せば問題ありません(※たとえ就業規則に「辞める2か月前に辞意を伝えなければならない」とされていても、法律の方が就業規則に優先されます)。
また辞意を申し出てから2週間が経てば、たとえ医局側が許可していなかったとしても、辞めることができます。
ただ、医師という職業の特性を考えれば、引継ぎ期間を設けた方が望ましいといえます。
そのため、医局を辞める3か月程度前には辞意を表明することが推奨されます。3か月あれば最低限の引き継ぎはできるからです。
さらに理想的なのは、半年ほど前に退職の意志を伝えることです。半年の時間があれば、医局は後任の医師を余裕を持って見つけることができますし、医師側も後任の医師にしっかり引き継ぎを行えます。
もっとも、「過重労働で、心身ともに限界が来ている」という場合は、法律の定める2週間を基準に辞めるべきです。
病院の都合を考えるなら、年度が変わるタイミングでの転職がおすすめ
「お世話になった病院なので、しっかり引き継ぎをして辞めたい。引き継ぎの時間をしっかり確保してから辞めるのはもちろんだが、それに加えて、病院にとって『都合の良いタイミング』『ちょうど良いタイミング』で辞めたい」と考えているのであれば、年度が変わるタイミングで転職できるように調整するとよいでしょう。
つまり、3月末に今いる医局を辞めて、4月から新しい職場で働けるようにするのです。
医局側もまた4月に人を採用して、新しい人材を組織に取り入れます。「3月末日で辞める」と伝えておけば、医局はそれを前提として求人を出したり、採用する医師の数を増やしたりすることができます。
またこれは、医師側にもメリットがあります。4月は多くの新人医師・転職した医師を受け入れることになる季節であるため、病院・クリニック側も教育体制を整えているからです。
新しい人材を登用して育てていくという前提の元で動く季節であるため、転職した医師が職場になじみやすい環境が用意されている可能性が高いといえます。
辞意を伝える順番を考える
医局を辞めたいと考えた場合、「辞意を伝える順番」を意識することが重要です。
辞意を伝える順番は、以下の通りです。
- 直属の上司
- 医局長
- 教授
- それ以外の人たち
まずは自分ともっとも関わりが深かった上司に、退職の意志を伝えます。その後にさらにその上の医局長や教授に順番に伝えていくようにしましょう。直属の上司を飛ばして医局長などに伝えることは、原則として避けるべきです。
また、教授に話を持っていくまでは、ほかの人に退職の意志があることは内緒にしておいた方がよいでしょう。退職の意志があると伝わってしまえば、「どうせ辞める人だから」という扱いをされてしまう可能性がありますし、無用なトラブルが起きかねません。
退職については、人事に関わる人にのみ話します。ほかの同僚やスタッフに辞職の意志を伝えるのは、彼らに話が伝わり、退職が決定した後とします。
医局の批判はしない
医局を辞めるときにもっとも重要なのは、「医局の批判は避ける」という点です。
Dr.転職なびが、「医局を「辞めた」医師・205名に聞く!退局の最適なタイミングや後悔しないための対策」で、医局を辞めた人205人にその理由を聞いています。
そのデータによれば、医局を辞めた理由の1位は「望まない人事異動」、2位は「時間外労働の多さ」、そして3位に「人間関係」が入っています。
「専門医を取得したから」がかろうじて6位に入っていますが、ポジティブな理由(「開業したい」)は8位になるまで出てきていません。つまり多くの医師が、マイナスの理由で医局を辞めているということです。
ただ、医局を辞めるときにこのようなマイナスの理由を述べることは控えるべきです。マイナスの部分を全面に押し出した退職は、決して良い印象を抱かれません。医局を辞めた後でも、前の職場の医師と顔を合わせる可能性はゼロではないので、辞めるときにはポジティブな理由や病むを得ない理由を述べておいた方がよいでしょう。
出典:Dr.転職なび「医局を「辞めた」医師・205名に聞く!退局の最適なタイミングや後悔しないための対策」
医局を辞めるベストなタイミングは?
医局を辞めるタイミングは、個々の医師によって異なります。そこに明確な正解・不正解はありません。
ただ、下記のようなタイミングで医局を辞める医師が多く見られます。
それぞれ見ていきましょう。
プライベートで大きな変化があったとき
ライフスタイルの変化によって 医局を辞めることを決意する人もいます。たとえば女医さんの場合は、妊娠~出産のタイミングで医局を辞めることを検討する人も多いかと思われます。
また、「今までは、残業ありオンコールありの医局でバリバリ働くことにやりがいを見出していたが、家庭を持ったので家族と過ごす時間をしっかり取りたい」「夫婦共働きなので、夫婦で協力しながら子育てをしていきたい。
そのために、残業がないところに移りたい」という理由で転職を考える人もいます。
結婚~妊娠~出産~育児および介護を理由として医局を辞める場合、「やむを得ない事情である」ということで、医局側を納得させやすいといえます。
ただこの選択肢を選ぶ場合は、事前に家族との話し合いが必須です。医局を辞めた後の「医師人生」だけではなく、「家庭人としての人生」も合わせて考えてから決断をする必要があるでしょう。
ストレスが限界値を超えたとき
医局を辞めた人のうちのほとんどが、「望まない人事異動に悩まされた」「時間外労働に苦しめられた」などのネガティブな理由を挙げています。これは、まとめてしまえば、「(ストレスの理由は違うものの)ストレスが限界値に達したから、医局を辞めた」ということになります。
ストレスはたやすく人を追い詰めるものですし、人の命までをも奪ってしまいかねないものです。また、医師はその職業の特性上、非常にストレスを抱えやすい仕事だといわれています。そのため、「これ以上耐えられそうにない」と判断したのであれば、すぐに医局を辞めることをおすすめします。
なお「半年近くの引き継ぎ期間を設けた後に辞めるのが理想」としましたが、ストレスが限界値に達している場合は、2週間ですぐに退職する決断をしましょう。
その半年間のうちにストレスが限界値を突破してしまう可能性も高いからです。また、周りの人もよくその医師を見て、必要な場合は周りの人の方から退職を促しましょう。
専門医を取得した後
医師の登竜門のうちのひとつである「専門医」を取得した後に医局を辞める医師も、多く見られます。
専門医資格を取得できるのは最短で29歳ですが、30歳~34歳の30代前半で取得する人が多いといわれています。
民間のクリニックで働きながら専門医資格を取得することは可能ですし、それをウリにしているクリニックも存在はします。
しかし専門医になるには勉強~研究~論文作成が求められるため、医局に所属している場合と所属していない場合では取得難易度が大きく違うといわれています。医局は教育機関としての性質を持っているうえ、最新の機械に触れられる機会も多く、勉強に打ち込みやすい環境が整っています。
専門医を取得していなければ、医師として働けないということはありません。ただ専門医を取得しているかどうかで、信頼度が変わってくることは確かです。
そのため、特段の「辞めるべき理由」がないのであれば、専門医取得までは医局でがんばる……というのも、ひとつの選択肢だといえます。
【例文付き】医局を辞める旨をメールで伝える場合
医局を辞めると決めたとき、直接口頭で伝える前にまずはメールで打診したいと考える人も多いのではないでしょうか。
ここではそんな人のために、「そもそもメールで退職の意志を表明してもいいのか」「メールでもよいとしたら、その場合はどのような文章にすればいいのか」について解説していきます。
そもそもメールで退職の意志を示してもよいのかを知りたい
「メールで退職の意志を示す」という場合、そこには2通りの意味があります。
1つめは、「重要な事柄については直接話をするが、そのサポートとしてメールを使う」というものです。
たとえば、辞職の意志を伝えるためのアポイントメントを取ったり、同僚に退職決定の話をしたり、退職するときにお世話になった人に最後の挨拶をしたりするときに利用する場合はこれにあたります(下記では主にこのパターンについて解説します)。
もう1つは、「退職の意志をメールのみで伝える」というものです。これは、「医局を辞めたいと何度も伝えているが、先延ばしにされていて話を聞いてもらえない」「上司からのパワハラがひどく、直接話をしようとすると身心の調子が崩れる」などのようなケースのときに使うべき方法です。
法的には、退職の意志を示すための方法は定められていません。そのため、上司が話を聞いてくれなかったり、上司と話すことで著しい苦痛を受けたりするようであれば、この方法を取ることも推奨されます。
※ただし社会人として理想的なのは、「重要な事柄については直接話をし、メールをサポートとして使う」の方です。
アポイントメントを取るときのメール例文
まず上司に、「退職の話をするための時間を取ってください」というメールを送ります。
文例は以下です。
「(上司+役職名)
平素はお世話になっております、○○病院○○科で勤務しています(自分の名前)です。
お忙しいところ誠に恐縮ではありますが、今後について折り入ってお話したいことがございます。一度お時間を頂戴してお話させていただきたく思いますので、ご都合のよろしいお日にちをお教えいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
(自分の名前)」
切り出し方のポイントは、「話がある」とまず伝えることです。
このメールを受け取った相手は、おそらく「この人は医局を辞めて、別のところに移りたいのだな」と予想するかと思われます。このようなメールを送ることによって、相手に心構えをする猶予も与えることができます。
なお、「忙しくてメールを見ていない可能性がある」「もともと返信がとても遅い」という人物を相手にする場合は、「○月○日ごろまでにお返事を頂けると幸いです」などのようなメッセージを添えるとスピーディーに話が進みやすくなります。
退職をメールで告げるときのメール例文
「後任の医師に引き継ぎをし、辞めることを周りにも伝えておきたい」というときは、辞める2週間ほど前に関係者にメールを送っておくと混乱を防ぐことができます。
たとえば以下のようなメッセージを事前に送っておけば、周りの人も「この人が辞めた後、だれに相談すればいいか」が分かります。
「○○様
お世話になっております。○○病院○○科の(自分の名前)です。
一身上の都合により、○月×日に○○病院を退職することになりました。
本来であれば拝眉のうえでご挨拶申し上げるべきところではございますが、略儀にて、メールにてご挨拶差し上げます。
後任の医師として、同じ科の××が対応にあたります。退職までの間に引き継ぎを行い、私の退職後も滞りなく診察・業務が進むよう取り計らってまいります。
後任者:××
(後任者のメールアドレス)
(後任者の携帯電話番号)
なにとぞよろしくお願いいたします。
(自分の名前)」
自分は医局を辞めるが、ほかの人間が後任として入ること、またそのその後任にきちんと引き継ぎを行うので安心してほしい旨を記します。こうすることで、周りも退職後のサポートをしやすくなります。
なお理由は細かくは書かず、「一身上の都合」とするのが一般的です。ただし慶事(結婚など)による退職の場合は、簡単に記してもよいでしょう。
退職時のメール例文
最後に、特にお世話になった人に対してしたためるメールの例文を紹介します。このメールは、退職の2週間前~当日に届くようにするとよいでしょう。
「○○教授
お疲れ様です、○○病院○○科の(自分の名前)です。
一身上の都合で、本日をもちまして○○病院を辞することになりました。
○○教授には、○○病院に入ったときから×年もの間、常に温かく丁寧な指導を頂きまして、心から感謝しております。○○教授の患者様への接し方、病気への向き合い方は、私にとって理想とする医療人の姿そのものです。
今後も○○教授に頂いた教えを胸に、医師としての人生を歩んでまいります。
(自分の名前)
(自分のメールアドレス)
(携帯電話番号)
本当にありがとうございました。○○教授のより一層のご活躍を、心よりお祈り申し上げます」
自分は医局を辞めることになったが、頂いた指導に感謝していることをすなおな気持ちで伝えるようにします。
また、メールアドレスを記す場合は、当然のことながら医局で用いていたものではなく、プライベートのメールアドレスなどにします。
医局を辞める際の流れ
医局を辞めるときの流れは、以下の通りです。
医局を辞めるメリットとデメリットを秤にかけて、本当に医局を辞めるべきかどうかを検討します。
医局を辞めると決めたら、「どのような理由にすれば納得してもらいやすいか」を考えます。
医局を辞めた後のキャリアステップを明確にしていきます。なおこのときには、転職エージェントの力を借りるのがおすすめです。また、このステップ3〜ステップ4くらいから並行して転職活動を進めていくとよいでしょう。
上司→医局長→教授の順番で、辞意を伝えていきます。
辞めることが決まった後も、退職までの期間は真面目に勤めあげなければなりません。特にこの後に別の病院・クリニックに入るのであればなおさらです。
「立つ鳥後を濁さず」の精神で、退職までの期間を過ごすようにしてください。
医局の退職を告げるのが不安な方におすすめの医師転職サイト・エージェント
医局を辞めることを考えているのであれば、医師転職エージェントを利用するのがお勧めです。かれらは医師転職のプロとして新しい勤務先の紹介をしてくれるだけでなく、現職を辞める手助けもしてくれるからです。
おすすめの医師転職エージェントをいくつか紹介します。
エムスリーキャリア
エージェント名 | エムスリーキャリアエージェント |
求人数 | 公開求人:45,489件 非公開求人:- (2024年11月14日現在) 今の求人数:公式HP参照 |
対応雇用形態 | 常勤・非常勤 |
対応診療科目 | 内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など |
対応エリア | 全国 |
拠点 | 東京都港区虎ノ門4-1-28虎ノ門タワーズオフィス |
公式HP | https://agent.m3.com/ |
エムスリーキャリアエージェントは、転職希望医師の登録実績11年連続NO1という実績を持っている転職エージェントです。
条件交渉が非常に強く、「医局時代はハードワークだった。新しい転職希望先のクリニックがあるが、残業なしでの勤務は可能か」などの相談にも積極的に乗ってくれます。
また、転職先の面談においても、専任コンサルタントが同行してくれるため、「医局を出てから初めて転職活動をする」という人でも安心して任せられます。
なおエムスリーキャリアエージェントは、関東圏の求人に非常に強いので、関東圏での転職活動を考えている医師にとっては特に心強い味方となるでしょう。
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医師転職ドットコム
エージェント名 | 医師転職ドットコム |
求人数 | 常勤医師求人:28,771件 非常勤医師求人:23,000件以上 非公開求人:20,000件以上 (2024年11月14日現在) 今の求人数:公式HP参照 |
対応雇用形態 | 常勤・非常勤 |
対応診療科目 | 内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など |
対応エリア | 全国 |
拠点 | 北海道札幌市中央区北1条西5丁目2番地興銀ビル9F(本社) |
公式HP | https://www.dr-10.com/ |
先生の強みを理解した上での最適なキャリアプラン―引用:医師転職ドットコム「はじめての医師転職」を提供しているのが、医師転職ドットコムです。転職エージェントでありながら、「転職だけが選択肢ではない」というスタイルをとっていて、「医局を辞めるべきか、それとも続けるべきか」を悩んでいる医師の相談にも積極的に乗ってくれます。
また、医局を辞めたいと考える医師に対して、適切なアドバイスをすることでも知られています。「上手く辞意を伝えられる自信がない」という人は、担当のキャリアコンサルタントから詳しいアドバイスを受けて話を進めていくとよいでしょう。
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リクルートドクターズキャリア
エージェント名 | リクルートドクターズキャリア |
求人数 | 公開求人:17,332件 非公開求人:10,000件以上 (2024年11月14日現在) 今の求人数:公式HP参照 |
対応雇用形態 | 常勤・非常勤・スポット |
対応診療科目 | 美容外科や美容皮膚科、内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など |
対応エリア | 全国 |
拠点 | 東京都千代田区九段北1丁目14-6 九段坂上KSビル |
公式HP | https://www.recruit-dc.co.jp/ |
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医局を辞めるデメリット
医局を辞めるかどうかを考えるためには、医局を辞めることのデメリットとメリットを把握することが重要です。
まずは医局を辞めることのデメリットを考えていきましょう。
ひとつずつ解説していきます。
専門医などを取得するハードルが上がる
医局は、働く場所であると同時に、教育機関としての側面を持っています。医局以外の民間のクリニックなどでも専門医の資格を取得することは不可能ではありませんが、医師のなかには「専門医を取得するためには、医局に入っていることがほぼ必須だと思う」としている人もいます。
医局には多くの先輩がいるうえ、学ぶための環境も整っています。医局は研究や勉強をしながら働くことが可能であるため、専門医の資格を取得した医師にとっては非常にメリットが大きいといえます。
言い方を変えれば、専門医を取得する前に医局を辞めてしまうと、専門医になるためのハードルが非常に高くなってしまいます。また、医師のほとんどすべてが専門医を目指しているというデータもあります。
「医局を辞めるのであれば専門医を取得してから」と言われるのは、このような理由によります。
最新の技術や機器に触れる機会が少なくなる
病床数が少なく経営規模も小さくなりがちなクリニックは、医局のある病院とは異なり、経済面での体力が低い傾向にあります。また勤務する医師の数が限られているため、最新の技術や機器を取り入れようとしても限界があります。
もちろん一部の例外もありますが、基本的にはクリニックに転職した場合、病院に勤めているときに比べて、最新の技術や機器に触れる機会が減ってしまいます。
「最新の医療技術を自分の目で見たい」「最新の機器を扱いたい」と考える人にとっては、医局を辞めることは大きなデメリットとなりえます。特に先端医療を学びたいと考える医師にとっては、医局を辞めるという決断はマイナス要素が大きいといえるでしょう。
留学などのチャンスが減る
医師の多くは、一度は海外留学について考えるといわれています。日本は世界的に見てもトップクラスの医療レベルを誇る国だといわれていますが、研究分野におけるトップはヨーロッパ諸国とアメリカだとされています。
海外留学をすることによって日本の医療とは異なるアプローチ方法を知れるようになりますし、英語論文に対しての抵抗感も少なくなります。また、何よりも、海外留学をすることによって初めて築ける人脈は、医師人生において大きく+に働きます。
そしてこのような「海外留学」を志す人にとって、医局を辞めることは大きな後退となりえます。
2004年以降、医師の研修制度は大きく変わり、これによって医師のキャリアも一本道ではなくなりました。このため現在は医局を辞めても、本人の努力次第で海外留学を行うことは可能です。
しかし歴史的に見た場合「医局に所属しながら、研究員として留学する」という医師の方が多数でしたし、現在も医局にいた方が海外留学をしやすいという点には変わりありません。
築き上げた人脈が失われることもある
医局を辞めることで、そこで築き上げた人脈を失ってしまうこともあります。
これは下記のデータを参照にするとわかりやすいでしょう。
画像引用:厚生労働省「平成29年臨床研修修了者アンケート調査結果概要」p37
画像引用:厚生労働省「平成29年臨床研修修了者アンケート調査結果概要」p39
臨床研修終了後に、大学病院を就職先と選ぶ人は50%を超えています。また、医局入局を考えている医師は、全体の76%程度だという統計結果があります。つまり、臨床研修が終わった医師の過半数以上が、医師としての本格的なスタートを医局でスタートさせているということになります。
医局を辞めた場合、この「医師としてのスタート時から築き上げた人脈」がリセットされる可能性が高くなります。もちろん個人的な付き合いが続いたり、研修などで顔を合わせたりすることはありますが、それでも、同じ環境で仕事をしているときほどの密度の高い人間関係を維持することは困難になるでしょう。
医局を辞めるメリット
医局を辞めることのメリットとして、下記の4点が挙げられます。
ひとつずつ解説していきます。
給料が良くなる可能性もある
医局を辞めてほかのところに移ると、給料が高くなる可能性があります。
医師向けの転職エージェントである「医師転職ドットコム」では、 大学の医局で働いている30大前半までの医師の給与の平均を、300万円~600万円としています。教授レベルにまで出世したとしても、その年収は1,000万円程度と解説しています。
対して、一般的な市中病院の場合は、研修医時代が終わった直後から、600万円~800万円程度の年収が得られるとのことです。年齢が上がり、役職がつくに従い、年収はさらに上がる傾向にあり、院長ともなれば2,000万円を超えることも珍しくありません。
もちろん市中の病院・クリニックのなかには年収が低く設定されているところもあります。しかし医師の仕事の魅力のうちのひとつである年収面で、大学の医局に所属している医師は不利な状況にあるといえます。
より高い年収を確保したいのであれば医局を辞めることを視野に入れるとよいでしょう。なお、開業をすれば、経営リスクはあるものの、さらに年収は高くなる傾向にあります。
望まない人事異動に悩まされる可能性が極めて低くなる
医局に所属している場合、望まない人事異動に振り回される可能性があります。人事異動は「その医師の成長のため」「地域医療のため」「待遇差などを解消するため」などの理由がありますが、動かされる医師にとってはデメリットも多いシステムだといえます。
そして医局に所属している限り、このような人事異動を医師が完全に拒絶しきることは難しいといえます。ある程度希望を出すことはできるものの、最終決定は教授が行うため、それに逆らいきることは非常に困難です。
実際に、医師転職ドットコムがとったデータでは、医局に所属している医師は、医局に所属していない医師に比べて、異動に伴う転居回数が多い」というデータが出されています。
「しかし市中の民間の病院・クリニックに移れば、このような望まない人事異動に悩まされる可能性は低くなります。転職時に「異動なし・転職なしの職場のみを紹介してほしい」と転職エージェントに依頼すれば、異動あり・転職ありの職場はあっせんされなくなります。
出典:医師転職研究所(医師転職ドットコム)「医師に転居はつきもの?転居に関する医師1,791名のアンケート結果」
残業面の問題が解消されやすい
医局は、その仕事のハードさに比べて給与が安いことで知られています。
エムスリーキャリアエージェントが取ったアンケートでは、「自分の勤める医局では、そもそも時間外労働の申請自体が認められていない。仮に働き方改革(残業時間は年に720時間以内・複数月の平均が80時間以内・月に100時間以内までとする。
特別な事情および合意があっても、これをオーバーしてはならないとする決まり)を忠実に実践しようとすると、そもそも病院自体が立ち行かなくなる。そのため、「労働時間の過少申告は今後も続く」と答えている医師が見られます。
もちろんこのような問題は、医局以外の病院・クリニックでも起こりえる問題ではあります。しかし医局の場合、残業が多いだけでなく、その残業が「なかったもの(=残業代が支払われない)になること」に大きな問題があります。
医局を辞めてほかの病院・クリニックに転職する場合、このような問題はクリアできます。なぜなら、転職エージェントを利用した転職の場合、「残業0(あるいは月20時間以内など)」を条件に転職活動をすることができるからです。
出典:m3.com「「月80時間以上書くな」「医局で時間外申請できない」◆Vol.4」
自分の理想の医療を追求しやすくなる
「最新の機器に触れたい」「最新の技術を取り入れたい」「医療の発展のために研究をしたい」という人にとって、医局で働くことは大きなメリットとなります。また、自分が所属する医局が掲げる医療方針が、自分の理想とする医療方針と合致していた場合は、高い満足感が得られるでしょう。
ただ、「医局にいると上下関係が厳しく、上層部に対する忖度が先に立つ」「自分の理想とする医療と、医局の考える理想の医療がかけ離れている」「市井の病院・クリニックに、自分が追い求める医療を追求しているところがある」という場合は、転職を視野に入れるべきでしょう。
また、医局で学んだ経験を糧に開業をした場合、経営者であり代表者である自分の意志を反映した理想の医療を実現しやすくなります。
なお自分の理想とする医療を追求するために医局を辞める場合は、「自分の理想とは何か」「どういう医療方針で行きたいのか」を明確にしておく必要があります。
医局を辞めるのは何年目の医師が多い?
医局を辞めるタイミングは、「6年目~10年目」がひとつの目安となるでしょう。医師のキャリアステップのひとつである専門医を取得するために必要な経験年数が、6年~10年程度だからです。
医局に所属していれば、そうでない場合に比べて専門医の取得がしやすいため、「早く辞めるべき理由」がない場合はこれを取得してから辞めることをおすすめします。
ただし、極度のストレスがかかっているのであれば、5年以内であっても辞めることが推奨されます。
また逆に、「医局で現役時代を過ごし、60歳を超えた時点で体力的に負担の少ない転職先を選ぶ」というやり方を取ることもできます。
医局を辞めるのがどうしても不安なら医師転職のプロに相談しよう
「医局を辞めること」は、医師にとって非常に大きな決断です。研究~勉強をしやすい環境や人脈を失うことになるからです。
しかし医局を辞めることで年収がアップしたり、残業時間が減ったりする可能性も高いといえます。
「医局を辞めようかどうか迷っている」「医局を辞めると決心したが、転職先に迷っている」という人は、エムスリーキャリアエージェントなどの医師向け転職エージェントを利用してください。彼らは医師の転職をサポートするスペシャリストであるため、きっとあなたの転職を上手く進める力になってくれるはずです。
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