面接ではよくコミュニケーション能力が見られるとか言われるけど、ザクッとしすぎていて何のことかわからない!
こんな疑問を解決します。
コミュニケーション能力と言われても、漠としていて具体的に何が身についていれば評価されるのかわかりづらいですよね。
本記事では、そんなコミュニケーション能力の中の一つで面接時に私が必ずチェックしている「論理と情理のバランス」について解説していきます。
本記事を読めば、面接で確認されているコミュニケーション能力を理解し、対策することができます。
ただし、本質的には「日頃の業務の中で発揮されていて初めて意味のあるもの」なので、対策ありきではなく日頃の業務の中でも実践して身につけるように意識していただければと考えています。
論理と情理とは?コミュニケーション能力として評価される理由
論理と情理とは、その名の通り論理(ロジック)と情理(感情)がうまくコントロールしてコミュニケーションができる人です。
日々仕事をする上で、「正しい事を言ってるはずなのに、共感してくれない。方針に中々合意してくれない」そう思う事は無いでしょうか。
人間は論理だけではなく、感情を持つ生き物です。
論理だけでは動かず、感情に働きかける事でようやく協力を得られたり動いてくれます。
この論理と情理の構造を理解してコミュニケーションすることができる人を「論理と情理のバランスが取れている人」と評価します。
この論理と情理の構造が理解できていない人は「絶対正しいことを理解しているのに、あいつは理解できない頭の悪いやつだ」なんて一方的なコミュニケーションになってしまいます。
世の中は、論理を振りかざすだけでは中々物事をうまく推進することができません。
そこを理解し、行動に移せるだけで評価が一段変わってきます。
では、どんな質問で論理と情理のバランスを確認しているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
論理と情理のバランスを見る際の面接時の質問例
論理と情理のバランスを見る際に行なっている面接時の質問例です。
大体以下の2点で行なっています。
①あなたの提案や意見が反対された場合にどうしますか
こちらの質問では、あなたがどれくらい自分を俯瞰して見ることができているのか、周りを見下していないかということを確認するとともに、その後どうアクションをしていくのかについて確認しています。
例えば、「周りが理解できないのが悪い」「過去もこう言うことがあったが、強引に突破した」など、周りのことを考慮をすることができない発言があると、情理の部分が考慮できていない人だなと評価します。
一方で「相手が感情的になっていたり、相手の組織が今まで守ってきた運用や価値観などを考慮できていない部分がなかったか、改めて検証をします。」など、周りを考慮したり自身を振り返るようなコメントがあれば、情理の部分が考慮できている方だなと評価します。
②物事の仕組みを変える際に注意していることはなんですか
こちらの質問でも同様に、論理と情理のバランス部分を確認しています。
この場合は、大きくマイナスになるような回答はほとんど出ないですが、情理の部分も含めてコメントできると+αの評価できると考えています。
例えば、「既存業務を抜け漏れなく洗い出し、TOBE業務を新しい要件に合わせて作成し丁寧にレビューしていくことです。」と言うような回答が考えられますが、これでもNGな訳ではありません。
もっと良い回答を考えるとするならば上記に加えて「変えられる側の立場を考え、変化の正当性だけではなくどうやったら変化を受け入れやすくなるのかを考慮します。例えば、次の仕事内容がどうなっていくかなど、変化した後の変えられる側が不安に思う行動についてもセットで考慮すべきと考えています。」
なぜ、論理と情理のバランスを確認する必要があるのか
なぜ論理と情理のバランスを面接で確認する必要があるのでしょうか。
それは、仕事を進める上で発生する問題の中に、結構な割合でこの「論理と情理」のバランスを取らずに進めた事を理由に発生するからです。
転職をしてくる方の中には、本音の転職理由は違えどどこか職場環境や仕事の進め方が合わないと感じている方も多いです。
その「合わない」と言うのが、実は自分の仕事が周りと共同して進められないことに起因していることもあります。
これは環境を変えてもうまくいくことはなく、スキルや周りと協働して仕事をするスタンスの問題であるため、入社しても同様の問題が発生して活躍できないリスクが発生してしまいます。
そのため、そんな仕事を進める上で論理一辺倒で周りを考慮した働き方をできない人は採用したくないという心理が働くのです。
論理自体は仕事を進める上で重要なのは間違いなく、時には強引に突破する力も必要です。募集しているポジションにもよりますが、論理一辺倒で進めるのは違うと言うことを理解しているかどうかがポイントです。
論理的な人ほど陥る情理マネジメントの葛藤
実は、論理的な人ほど受け手の感じ方を思考する事が苦手な方が多い傾向にあります。
SPI試験などでも論理的思考能力が高かったり、前職コンサルで成果を出している方が転職した際に、周りが少し情理が強い環境だとパフォーマンスが極端に落ちることがあるため注意が必要です。
なお、こちらは余談ですが極めて優秀で論理的な人が大きなプロジェクト推進に携わった際に、最初に陥るのが情理面の考慮だったりします。
これを乗り越えるには、とにかくプロジェクトを沢山こなしてコミュニケーションの引き出すを増やしていくか、経験豊かな先輩にアドバイスをもらうしかありません。
情理マネジメントの必要性を認識せずに闇雲にプロジェクトを進めてもうまく行かず、転職した方も疲弊してしまうかと思います。
但し、社内事情によって考慮すべき軸は結構違ってきたりするので、先輩や社内の有識者に「こういうプロジェクトを進めようと思うんだけど、気にしておいた方が良い人や部署って無いかな?」と教えを乞うのが良いと考えています。
論理と情理のバランスを意識して面接を乗り越えよう!
面接時に問われる「コミュニケーション能力」を分解し、今回は論理と情理のバランスについて解説しました。
面接時には限られた時間で、採用要件にあったスキルがあるか、社内で上手く活躍できそうかをシンプルに確認していきます。
普段の業務の行動から心がけておくと、面接時にもスムーズに回答できるので面接のためだけの対策だけではなくしっかりと準備して臨むようにしましょう。