IT業界に転職を考えている私。
でも、IT未経験なのでそもそもIT業界が何のかわからない。どういう構造でどういう会社があるのか、詳しい人教えて欲しい。
そんな疑問について解決します。
結論から言うとIT業界の構造はとても複雑です。
構造を理解するためには、以下のような言葉の定義を理解しておく必要があります。
- BtoBとBtoC
- ハードウェアとソフトウェア
- SIERとITコンサル
IT業界歴15年の私が徹底的に解説していきます!
- これからIT業界への転職を考えている
- IT業界への転職を考えているけど、実はIT業界がイマイチ理解できていない
- IT業界の構造を理解した上で転職活動をしたい
IT業界の構造を徹底解説!IT未経験者は絶対理解しておく必要あり!
IT業界の構造を表にまとめてみました。
ビジネスモデル | 提供サービス | 企業形態 | |
---|---|---|---|
日系企業 | 外資系企業 | ||
BtoB | ハードウェア | 日立、富士通 | Cisco、Dell、HP |
ソフトウェア | オービック、ミロク情報サービス | Oracle、SAP、Salesforce | |
ITコンサルティング | NRI、アビームコンサルティング | 日本IBM、アクセンチュア | |
SIER | NTTデータ、NSSOL、CTC、TIS | (上記会社が導入時にSIも請負) |
ビジネスモデルや提供サービスが基本的な構造になります。
ただ、これだけだと言葉の意味がそもそもわからないので、それぞれの項目ごとに説明していきます。
IT企業の構造 BtoBとBtoC
まずは、以下の言葉に定義について解説していきます。
・BtoB
・BtoC
一番大きく構造を分ける部分ですし、自分が会社を選ぶ際の一つの軸にもなってくるかと考えます。
IT業界の構造 BtoBとは
BtoBとはBusiness to Businessの略で、企業が企業に対して提供するビジネスモデルのことを指します。
ハードウェアやシステム開発などを、「企業」が「企業向け」に提供しています。
IT業界にいないと名前を聞いたことのない企業もたくさんあると思いますが、世界的に有名な企業や優良企業ははたくさん存在しています。
ビジネス課題を解決するものが多く、仕事をする上での生産性向上に欠かせないITサービスなどを企業に提供しています。
IT業界の構造 BtoCとは
BtoCとはBusiness to Customerの略で、企業が直接消費者に対してサービスを提供するビジネスモデルのことです。
楽天市場やYahooのポータルサイト、じゃらんやSUUMOなどが該当します。
BtoCの企業は私たちの生活に密着しているので、誰でも知っていると思います。
生活を支えるサービスインフラになっている企業もあり、自分でサービスを手掛けたい人には人気の企業形態・ビジネスモデルとなっています。
IT業界の構造 提供サービス
IT業界の構造 提供サービスについて解説していきます。
- ハードウェア提供サービス
- ソフトウェア提供サービス
IT業界の構造 ハードウェア提供サービス
ハードウェアとは、サーバーやネットワーク・ストレージ機器のことを指します。
企業が自社サービスを自前のサーバーやシステムで構築する際に、ハードウェアベンダから購入します。
ハードウェアの提供だけではなく、その後のシステムインフラの構築やアプリケーション開発などのSIer業務を担っている企業も多くあります。
代表的な企業
■日系
日立、富士通
■外資系
Cisco、Dell、HP
ベンダーというのは「提供企業」くらいの意味で、多くはハードやパッケージ系のソフトウェアを提供している企業のことを指します。
IT業界の構造 ソフトウェア提供サービス
ソフトウェアとは、サーバー上で動くアプリケーションやWEBサービスのことを言います。
ソフトウェアの提供の仕方は2種類ありますので、それぞれ説明します。
- SaaS/クラウド
- パッケージ
①SaaS・クラウド
SaaS・クラウドと言われる、提供する会社のサーバで動くアプリケーションやWEBサービスをインターネット経由などで利用する形態です。
利用する会社は自分たちでサーバーを立てたりネットワークを構築したり、データセンターと契約する手間が省けます。
代わりに、利用会社は提供会社に対して利用料を月額などで払い続ける必要があります。
ソフトウェア
■日系
オービック、ミロク情報サービス
■外資系
Oracle、SAP、Salesforce
自分たちでサーバやシステムを持つと保守組織を作って運用する必要がありますが、IT業界の人員不足もあって多くの企業がSaaSやクラウドを積極的に活用し始めています。
②パッケージ
パッケージとは、提供会社が作成したアプリケーションを利用会社が保有するサーバにインストールしてもらう形で提供する形態です。
ゼロからアプリケーションを設計・開発するよりも比較的簡易にシステム導入ができます。
IT業界の構造 ITコンサルティング
ITコンサルは主に、上流工程と言われる顧客の課題感や具体的になやりたいことを明確し、実現手段としてのシステム化方法を支援します。
顧客折衝から要求をOUTPUTして具体化しすり合わせという高いコミュニケーション能力が必要となります。
また、システム具体化の際にはネットワークからサーバーからアプリケーションまで、広範なスキルが必要となります。
ITコンサル
■日系企業
NRI、アビームコンサルティング
■外資系企業
日本IBM、アクセンチュア
中には運用までやっているITコンサルと呼ばれる人もいますが、そんなに多くはないと思います。
IT業界で一番平均年収が高いのはITコンサルです。
詳細はITコンサルやシステムエンジニアの年収を調査した記事もご確認ください。
IT業界の構造 SIer
SIerとは、システムインテグレーター(System Integrator)の略です。
具体的には、顧客のシステム開発から運用までを引き受けます。
大手のSIerだと、ITコンサルの要求定義工程も担当している場合があります。
SIerでは、ITスキルとプロジェクトマネジメントスキルが求められます。
SIerの多重請負構造
SIerは多重請負構造になっています。(金額と利益額はわかりやすく表現したメージです。)
事業会社からシステム開発の発注を一次受けするのは、プライムと呼ばれるNTTデータなどの大手のSIerです。
NTTデータの社員がプロジェクト計画を策定したり顧客折衝はしますが、実際の開発は別の会社に委託します。
委託する際には、自社の利益分を差し引いて発注します。
この多重構造が続き、一番最後の会社が実際の開発人件費を負担する形になります。
発注金額から開発人件費を引いた額が4次請けの利益になります。
限られた開発費の中で開発するので、4次請けとかはブラック企業がしやすいです。
より良い会社に転職するには、転職エージェントの力が不可欠です。
IT未経験の転職エージェントランキングやプログラミングスクールをまとめた記事もご確認ください。
SIerの種類
SIERには、大きく分けて4種類あります。
大分類 | 内容 | 企業名称 |
---|---|---|
メーカー系 | メーカーのSIer部門 | 富士通、日立製作所 |
メーカー系子会社(通称:メー子) | メーカーの子会社SIer | 日立ソリューションズ |
ユーザー系小会社(通称:ユー子) | ユーザー系SIerの子会社 | NTTデータ先端技術、みずほ情報総研 |
独立系 | 親会社を持たないSIer | 日本ユニシス |
NTTデータなどはNTT系列ではあるものの、NTTデータ自体が巨大な事業会社になっているため、ユーザー系子会社や独立系の位置付けもあります。
一昔前はユーザ系SIerが人気でしたが、今はユーザ会社自体のシステム部門(自社開発)が人気です。
ただし未経験で自社開発企業への転職はかなり難易度が高めです。その理由については「未経験で自社開発企業への転職は厳しい!その理由と転職成功のためにすべきことを徹底解説」で詳しく解説しています。
IT業界の構造 BtoC ネットビジネス
楽天やYahoo、リクルートのように自社で対カスタマー(消費者)向けに直接サービスを展開しているビジネスモデルです。
一度ネット上でサービスを構築するとコストをかけずに運営でき、消費者が利用した分だけ売り上げになるので利益率が高い傾向にあります。
ネットビジネス
■日系
楽天、Yahoo、リクルート
■外資系
Google、Amazon
IT業界の構造 通信インフラ
みなさんのお家でインターネットや携帯電話が利用できるようにするサービスを提供しています。
この手の企業はネットワークエンジニアが多いですが、SIerとしての業務を行っている企業も多いです。
なお、通信インフラは許認可事業なので、基本的に日系の大手企業が提供している形になります。
IT業界の構造を理解して、自分にあった会社選びをしよう!
IT業界に転職するのであれば、IT業界の構造を理解しておくことがとても大事です。
ITコンサルやSIERでは、開発スキルやマネジメントスキルを向上させて市場価値を上げていくことも可能です。
また、給与や待遇面で言うとプライムに近いところに行けば行くほど良くなってきます。
また、BtoCのサービス提供会社では、自社サービスを展開するにあたって必要なシステムを自分たちで考えることができます。
私も独立系からユーザ系小会社に転職し、その後BtoCのサービス提供会社に入ってキャリアップに成功した体験があります。
IT業界は未経験でも入って活躍することができる業界です。
今は人手不足で未経験でも採用意欲がとても高いです。
転職エージェントに相談しながらより良い会社に転職を目指しましょう!
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