IT人材不足が叫ばれる中、IT資格に対する注目度も上がってきています。
- IT用語がわかるようになっていないと仕事にならない
- 昇進や昇給のために資格が必要
- 未経験からエンジニアになるためにスキルをつけたい
上記のような理由でIT資格の取得を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はIT資格取得者190人対して、現在保有している資格と年収についてアンケート調査を実施。
アンケート調査は、クラウドワークスというWeb制作やITプロジェクトなどIT系の副業ワーカーが多く登録している仕事マッチングサービスのアンケート機能を用いて取得しています。
アンケート概要 | 項目 |
---|---|
アンケート実施目的 | IT資格と年収を分析することで、取得価値のあるIT資格を可視化し、資格取得を支援する |
アンケート調査実施プラットフォーム | クラウドワークス |
アンケート実施対象者 | クラウドワークスに登録しているIT資格保有者 |
アンケート回答制限 | 過去の仕事承認率95%以上の優良回答者制限を実施 |
アンケート承認 | 全ての回答内容を精査し信憑性がない回答は否認。母集団から排除 |
調査人数 | 190人 |
男女比率 | 男性:107人 女性:83人 |
平均年齢 | 35.9歳 |
調査期間 | 2023年1月5日〜1月19日 |
今後IT資格の取得を検討している方やキャリア形成でどのような資格を取得していこうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
IT資格別の平均年収ランキング調査結果
IT資格保有者190人アンケートを取得した結果は以下の通りで、一番平均年収が高かったのは国家資格である応用情報技術者でした。
- 応用情報技術者:686.1万円
- Ruby技術者認定:626.0万円
- シスコ技術者認定:621.2万円
- PHP技術者認定:620.3万円
- AWS認定資格:615.8万円
- LPIC:613.8万円
- OracleJavaProgrammer:609.5万円
- OracleMaster:571.4万円
- 基本情報技術者:533.6万円
- ITパスポート:474.6万円
応用的な知識・技能を求められる応用情報技術者は、情報処理試験では中位的な位置付けです。
開発を請け負うSIer企業などでは、情報処理資格が昇進の要件になっていることが多く、応用情報技術者はリーダーや管理職クラスでは必須になっている企業もあります。
そのため、応用情報技術者の資格取得者の平均年収が高くなっているのではと考えられます。
ITパスポートや基本情報技術者などは下位に沈む結果に
一方で、他の情報処理資格に目を向けるとITパスポート474.6万円、基本情報技術者533.6万円という結果に。
ベンダ資格取得者と比較して下位に沈む結果となりました。
ITパスポートは全ての社会人向けにITリテラシを問うような形の試験となっているため、取得している事によって給与アップに繋がるような評価がされづらくなっているのでは考えられます。
基本情報技術者に目を向けると533.6万円となり全体で言うと低い位置づけでしたが、国税庁が発表している平均給与461万円よりは20%近く高くなる結果となります。
基本情報技術者は、応用情報技術者より資格の位置付けは低いですが、SIer企業などでも昇格要件や一時金の支払い対象資格になっていることが多いです。
そのため、平均給与よりも多く給与収入を得ていることが結果的に多くなっていると考えられます。
ベンダ系資格取得者の平均年種は概ね600万円を超える結果に
ベンダ系資格取得者の平均年収は概ね600万円を超える結果となりました。
ベンダ系資格とは、民間企業が自社で提供している製品に関する知識や技術を評価するために設けられている試験です。
自社製品のみとは言いつつ、例えばシスコなどはネットワーク機器のシェア率が50%近く、シスコ製品知識あると現場で使えるスキルとして評価されます。
また、ベンダ資格は製品知識や対象言語の知識を取り扱うだけのものであることは少なく、シスコ技術者認定であればネットワーク技術の知識、OracleMasterであればデータベース技術の知識などが試験では求められます。
シスコ技術者認定試験はネットワークエンジニアになるための登竜門的位置づけ(CCNA)もあり、まずはシスコ技術者認定資格を受験してキャリアを築こうとする方は多いのではないかと考えます。
IPA IT人材白書の調査によると、IT企業は情報処理技術者試験だけではなくベンダ資格に関しても社員の知識・スキルを客観的に評価するために活用していると回答しています。
ベンダ資格を評価している理由は、先に述べた通りベンダ製品知識だけではなく技術的に身につく部分があるためと考えられます。
Ruby技術者認定やPHP技術者認定が上位に組み込んでいる理由仮説
2位Ruby技術者認定626.0万円と4位PHP技術者認定620.3万円が上位に組み込んだ理由は、クラウドワークスという仕事マッチングサービスをアンケートプラットフォームとして利用したからではないかと考えています。
というのも、クラウドワークスにはWebサイト制作を行う案件も多く、レベルの高いRuby技術者やPHP技術者が集まっているのではないかと考えています。
フリーランスや副業のエンジニアの方だと考えられますが、クライアントとの仕様調整から実装と納品まで一人で遂行するにはかなりのスキルが必要です。
そのため、スキルの高い技術者=本業なり副業なりでも評価されていてそれなりに平均年収が高くなっている可能性が考えられます。
クラウド関連技術であるAWS認定資格がランクイン
筆者が少し驚いたのは、AWS認定資格が615.8万円でランクインしていたこと。
Synergy Research Groupの調査ではAWSはクラウドインフラとしてシェアNo.1で、システム開発の現場でもAWSは無視できない存在になっています。
私の周りでも最近はオンプレミスで構築する選択肢も少なくなってきており、AWS or Azure or GCPとどのクラウドを選択するべきかの議論の方が多いくらいクラウドが浸透してきています。
そんなシェアNo.1のAWSに関する認定技術者の需要がすぐになくなることは考えにくく、今後もAWS関連のスキルは評価されて年収にも反映されやすい状況が続くのではないでしょうか。
83.2%の人がIT資格取得に意味があったと回答
IT資格者190人に「IT資格取得に意味はあったか?」という質問を行ったところ、83.2%158人が意味があったと回答。
一方で、意味がなかったと回答した人は全体の16.8%の32人だった。
それぞれの主な理由は以下の通り。
意味があった | 意味がなかった |
---|---|
・社内で一目置かれた ・昇格できた ・年収が上がった ・転職できた ・未経験からITエンジニアに転職できた ・資格手当の一時金手当をもらえた ・在宅Webライターをしています。ITパスポートを学んでから、ふとしたときに知識が仕事に役立つことが多いです。 ・ITスキルが上がった実感がある | ・就活で評価された・業務に使えない ・実力主義だった ・使う場面がない ・給与アップに繋がらなかった ・実務経験の方が重要 |
意味があった理由を見ると、就活で評価されたり昇格や年収アップできたなどキャリアにプラスになるような結果がついてきています。
また、未経験でITエンジニアに転職できる際にIT資格が評価されたり、副業でWebライターをする際にもIT知識が役に立ったりと直接的に年収アップにつながらないまでも、キャリア形成につなげられている回答が多かったです。
一方で意味がなかったという理由を見ると、「業務に使えない」「実力主義だった」「給与アップに繋がらなかった」など、折角のIT資格が評価されない結果になっています。
私もIT資格を多く取得しておりIT職として16年ほど仕事をしているのですが、IT資格が意味がなくなってしまった理由は概ね以下のパターンに該当するのかなと考えております。
- 昇格要件にIT資格が設定されていない会社でIT資格を取得した
- ITパスポートのようなエントリー資格を取得したが昇給要件になっていなかった
- ベンチャー企業などとにかくOUTPUTを出すことが求められていた
私は過去SIER2社と自社開発を進める事業会社に所属していました。
SIERではなく自社で開発を進めるような事業会社だと、IT資格が一時金の対象になっていることはあるのですが、昇格や昇給要件になっているパターンは少ないのではないかと考えています。
SIER時代を思い起こすと、コンペの際に「◯◯資格を◯人が保有」などクライアントにアピールする際に利用されていました。
一方で事業会社では資格取得数などをアピールする必要もなく、あくまでその人のスキルを評価して昇格や昇給を決めていることが多いため、IT資格取得が年収アップにつながっていない可能性がありうるのではないかと考えています。
IT資格を取得する際に取得目的が給与アップなら、自社の人事規定などを確認して昇給要件に該当するのか確認をしておきましょう。
IT資格を効率良く取得する方法
IT資格を効率良く取得する方法にはい3つ手段があります。
- 本を読んで独学で勉強
- 資格取得スクールに通う
- プログラミングスクールを利用する
どの手段でもIT資格を取得する事は可能です。
それぞれの方法法について解説していきます。
①本を読んで独学で勉強
IT系資格の取得を行う方法として、本を読んで勉強する方法があります。
特にベンダ系資格は毎回出題に傾向があり、それを前提としてテキストと問題集が出版されているため、本を読めば割と合格することが可能です。
▼ITパスポート
▼基本情報技術者
▼応用情報技術者
▼CCNA(シスコ技術者認定教科者アソシエイト)
▼AWS認定
まずはとにかく1冊手に取って読み始めることが大切です。
私も最初は未経験からITの資格を取りまくりましたが、わからないなりにもまずは本を読むところから始めました。
一通り本を読んだら、とりあえず問題集に取り掛かり、間違えたところを参考書を読むの繰り返しで、基本的に応用情報技術者やOracleMasterGoldなど難易度が高めのIT資格取得に成功しています。
②資格取得スクールに通う
IT系の資格取得をする手段の一つとして、資格取得スクールに通う方法があります。
- 一から一人で勉強する自信がない
- 効率的に学びたいため、教えてくれる人が欲しい
- なるべく早く合格したい
上記のような方は、少しコストは掛かりますがITスクールを利用するのも手です。
スタディング
- スマホでどこでも学べる
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③プログラミングスクールを利用する
プログラミングスクールの中には、資格取得を目指しながら転職支援などをしてくれるところもあります。
ネットビジョンアカデミーは、インフラエンジニアの登竜門的資格であるCCNA合格率95%と脅威の数字です。
プログラマカレッジでは、プログラミング言語であるOracleJavaSlvierの資格取得を目指します。
それぞれ解説していきます。
ネットビジョンアカデミー
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就職率 | 無料体験 | 成果物 | 年齢制限 |
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98.0% | なし | あり(資格) | 31歳まで |
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プログラマカレッジ
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