現在29歳女性、今年30歳になる医療事務員です。
本記事では、私が職業訓練の「医療事務講座」に通い、資格を取って実際に働いた率直な感想をお伝えします。
医療事務講座に通うまでの経歴
25歳になる頃、私は専門学校で学んだヘアメイクの技術を生かせる美容部員としてデパートで働いていました。
就職した当初は、大好きなメイクの技術を仕事に活かせることに、ワクワクし夢がかなったと仕事に夢中でした。
しかし、就職して5年が経つ頃、壁にぶつかりました。
私が働いていたブランドは、高級ブランドであったため、キャリアが上がれば上がるほど、自分にはまだ不相応なアンチエイジングの高級ラインをお客様にどんどん勧めていかなければ、売上が取れないのです。
私の周りは、実際にヘアメイクを専門に学んだことのない、高卒や大卒の先輩ばかりでした。
そのため、ある意味会社に「これを売りなさい」と言われれば、そのマニュアル通り売ることに何も抵抗はなさそうでしたが、メイクを学んでいる私からすると、似合わないものや、その人の肌には合わないものを、言葉巧みに売ることに違和感を感じていました。
そんなとき、何か手に職を付けて転職するなら今ではないか、ヘアメイクは個人的な趣味にした方が、嫌いにならなくて済むのではないかと感じ、転職を決めました。
転職を決め、どんな職業に就こうかと考えていた頃、看護師をしていた友人に医療事務員はどうかとアドバイスをもらいました。
医療事務員と言っても、仕事は幅広くあり、資格の種類も多いこと、さらに、職業訓練で失業保険をもらいながら資格の取得が可能であると聞き、医療事務の職業訓練に興味を持ちました。
医療事務の職業訓練受講のきっかけはハローワークから
最初は失業給付を受けるためにハローワークに行き、その説明の帰りに担当の方に声を掛けられるまで事務系の職業訓練があることは知りませんでした。
担当の方に伺うと、失業給付を受けている間でも職業訓練を受け始めるには期間が決まっているとのことでしたので、学生以来勉強を教えて頂く機会も中々無いのと、長く勤められそうな医療事務に元々興味はあり、未経験の中、次の就職活動への自信にもなりそうだったので通えるよう色々調べ始めました。
相談員の方の話を聞くと、ちょうど私の退職後、すぐに医療事務課程の受講が可能であると分り、すぐに受講を決めました。
医療事務の筆記試験・面接対策
私が受験したのは公共職業訓練の医療事務コースでした。
受講するのに、テキスト代等以外は受講費はかかりません。
コースによっては、求職者支援訓練での募集しかないものもありましたが、医療事務課程は、公共職業訓練にもコースがありましたので、こちらを選択しました。
筆記試験の対策は、就職試験用の一般常識対策本を本屋で立ち読みして、こういった問題が出るのかということを調べておきました。
計算問題や、漢字の読み書き、敬語の使い方、展開図などが出題されました。
面接試験の対策は、どうしてこのコースを選択したのか、なぜ前職を退職したのか、自分の長所と短所を答えられるように準備していました。
医療事務の職業訓練で資格を取った率直な感想
私が退職した時期が、2月であったこともあり、4月スタートの医療事務コースは受験者倍率4倍の難関コースでした。
そのため、見事合格した時は嬉しかったです。
受講中は、医療事務資格取得のための授業はもちろんのこと、調剤事務や歯科事務の資格、医療事務コンピューター資格や、パソコンの技術があることも就職の幅を広げるため、WordやExcelの資格試験対策も授業のカリキュラムに含まれていました。
また、就職試験対策として、メディカルマナーや職務経歴書の書き方、履歴書の書き方も、詳しく教えていただきました。
生活にリズムが出てきたことと、就職活動に対して前向きな気持ちになれましたね。
医療事務の勉強とは別に就職支援の時間があり、履歴書の書き方、面談、面接練習、これからどうして行きたいかの自分年表を作成などをしてもらえました。
自分だけだと添削など出来ませんが、何度か提出、添削を繰り返し、コメント付きで返して貰えるので徐々に自信が付きました。
また今だけでなく、何年後かを見据えることでどこを就職先に選ぶか、と言ったこと、心理的な同義付けなどもテキストで学べてたり、基本的なPCの授業もあったり、改めて社会人として学べて良かったと思える授業が沢山ありました。
通っている時は、難しそうだなと不安とありましたが、勉強していくうちに理解もできて、とても楽しくなりました。
通うまでは何も資格がなかったので、資格を取れた時はとても嬉しく、病院で働く姿を想像し、わくわくドキドキしていました。
私の通っていた医療事務のコースは、基本的に講師が、医療事務資格1級を取得したら就職活動に入ることを勧めていました。
そのため、まだ受講期間が半分以上残しながら就職を決める受講生も居ました。
実際に、私も残り1か月を残して内科医院の医療事務員として就職を決めることができました。
医療事務というと、女性だけの職場なので、実際いじめなどあるのかと思っていましたが、どの先輩もとても優しくて、新人の私にも丁寧に教えてくれました。
そのお陰で経験を積むこともできましたね。
ここで学んだパソコンの技術も、医療事務としての請求業務には直接関係ありませんが、薬品の在庫管理や、文書作成時に生かされています。
さらに、医療事務は2年に一度改訂があるため、新しい情報は、一緒に働く先輩事務員にとっても新鮮であり、必要な情報も多いようでした。
医療事務員として働いている現在、どう感じているのか?
現在、医療事務員として働いて5年目になります。
取得した資格だけではなく、今では新しい職種にも携わるようになり、すっかり病院勤務に慣れました。
請求事務や受付、会計業務だけではなく、転職して、医師事務作業補助業務として医療秘書の仕事をしています。
この転職時にも、職業訓練校で学んだ、職務経歴書の書き方などが活かされたと感じています。
現在は、診療情報管理士の資格取得のため通信教育と年に2度のスクーリング授業に参加しています。
管理士の資格が取得できた際には、また次のステップとして診療情報管理士を専任で採用している病院への転職を考えています。
医療事務の職業訓練に通うメリット
何と言っても、無料で医療事務の勉強を教えて貰えるところです。
資格試験の勉強を独学でしたことは何度かありますが、やはり解釈が深くないということと、質問が出来ないので不明点は中々理解しにくいというところがあります。
特に医療事務の計算は各病気に対する点数が細かくあるなど調べものが多く、初心者で流れを理解するのは難しいと思うので専任の講師の方に沢山質問して進めて行けたのが良かったです。
学校で同じ悩み、目標を持つ複数人と勉強を進めていけるところもありがたかったですね。
社会人なので適度に仲良く真面目に取り組め、一人で勉強している孤独感や集中出来なくなる、といったことを避けられる、分からないところを共有出来る、教えられると言った切磋琢磨出来る環境で勉強出来るところが良かったと思います。
また、職業訓練校に通ったことで、新しい環境で働く際の不安を拭うことができました。
たった3か月ほどの受講でしたが、受講せずに医療事務員になるための就職活動を行っていたら、このようにスムーズに就職を決めることできなかったのではないかと思います。
そして、また新しい環境や仕事に出会わせてくれたこと、確実にステップアップできています。
どこに住んでいても、場所を選ばず病院やクリニックで働けますし、結婚、出産、子育てをすることになってもずっと働けるので通って取って良かったと思います。
医療事務の職業訓練に通うデメリット
強いて言うならば、受講してから初めて受講中に就職活動を強く斡旋されると知ったことです。
そのため、当初は取れる予定の資格をすべて取得し、受講終了後の就職活動を目指していました。
しかし、途中で就職が決まったため、実際に取得できないままの資格があります。
特に、私自身の就職活動に影響はありませんでしたが、受講生の中には、この状況に対して不満を持っている方もいらっしゃいました。
他には、出席日数がある一定の日を割ると退校になるのでプレッシャーはありました。
旅行などの予定は入れられなかったです。
クラスの中に常に寝てる子がいて集中力を削がれたのも嫌でしたね。
その子が寝てしまう為に授業がストップすることが度々あったので少し集中力がなくなってしまいました。
短期間で色々な項目を勉強するので、課題が沢山出てどんどん授業が進み、項目ごとに小テストがあり、家に帰っても勉強していました。
特に医療事務の期間は毎日課題が出ており、私は普通に働くよりも家事との両立が大変でした。
勉強しながらも就職活動をしなければならないので、募集を見たり、勉強したりが忙しかったです。
勉強して資格を取るのは、意外と簡単でしたね。
医療事務の職業訓練は女性におすすめです!
もし、医療事務で働くことを考えているのでしたらおススメします。
どの病院もクリニックもやはり、資格を持っている方を優遇しますし、勉強をしてきた方の方が仕事をしていく上で理解しているので、待遇も良いです。
ただ、少しお給料が低いので、そこは期待できないと思います。
私は資格試験を2つ受けましたが、多い人で3つほど受けることになるので、途中で遊びの予定を沢山入れると資格取得は難しくなると思います。
私のところでは勉強を項目毎にしたあと、卒業の数日前に試験が立て続けにありました。
あと、私のところは中学~高校程度の国語と数学2科目が試験内容でしたが、事務系の職業訓練は人気が高いようです。
さいごに
職業訓練校には、さまざまな年代の人や境遇の人たちが集まっています。あなたが職業訓練に通う際には、今回の記事のリアルな体験談のことを思い出していただけると幸いです。
職業訓練のことをよく知らないという人でも、この記事で職業訓練に興味をもったなら、ぜひ最寄りのハローワークで職業訓練のパンフレットをもらってみてください。
職業訓練は、お金をもらいながら知識とスキルを身に付けることができるお得な制度です。本気で勉強に取り組めば、きっと、希望の職種での就職を叶えられます。
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職業訓練を受講することによって、職業訓練に通っている間は失業手当が延長されたり(求職者支援訓練の場合は、月額10万円)と、メリットが多いです。
また、受講手当として1日500円が40日間支給されたり、通所手当という職業訓練校までの交通費も支給されます。
失業者にとっては、非常にありがたいお得な制度ですが、職業訓練には同時にデメリットも存在します。
それは、無職期間が伸びるということです。就職することが目的の学校ですが、「職業訓練に通っていた」ということを好意的にとらえてくれる会社というのはまだ少ないのが現状です。
「職業訓練に通ったら就職できる」と安直に考えるのではなくて、「職業訓練に通って企業が求めるような知識とスキルを全力で身につけたから就職につながる」と考えましょう。
職業訓練に通うにしろ通わないにしろ、どちらにしても最終的なゴールは「就職」ですから、今から求人を探しておくことはとても大事なことです。
良い求人に出会うのはタイミングが大切なので、常にアンテナを張り、転職サイトで求人をチェックしておく必要があります。