食品業界は大手でも激務だと聞いたのですが、やめた方がいいのでしょうか
厳しい面もあるけど、しっかり情報収集すればブラック企業は回避できるよ
食品業界は私たちに馴染みのある企業が多く、就活でも人気があります。
一方で、大手企業でも激務で退職者が続出するという噂もあり、実情が気になるところです。
本記事では、食品業界のメリット・デメリットや、ブラック企業を回避する方法について解説します。
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食品業界(メーカー)とは?主な職種を紹介
食品業界(メーカー)とは、加工食品(冷凍・レトルト食品、菓子)や飲料、アルコール類、調味料や小麦粉などの食品原料を製造し、小売店を通じて消費者に販売する業界のことです。
食品業界には、以下のような職種があります。
それぞれの仕事内容を詳しく解説するよ
総合職|営業・販売促進(マーケティング・広告)
営業・販売促進の仕事は、自社の商品を市場に届けることと、消費者のニーズを吸い上げて開発担当者に共有することです。
自社の商品をより多くの人に購入してもらえるよう、卸売業者やスーパー、コンビニなどに営業活動をします。
また、ときには売り場に出て陳列作業をしたり、他社の商品をリサーチしたりすることもあります。
厚生労働省の調査(令和3年賃金構造基本統計調査)によると、食品営業職の年収は全国平均で551.8万円でした。
商品を消費者に届けるうえでは、最前線と言える仕事だね
総合職|商品開発・経営企画
商品開発・経営企画の主な仕事は、マーケティングで消費者のニーズを把握し、新商品の企画をしたり、従来商品のリニューアルをしたりすることです。
マーケティングでは、市場調査や売上データの分析、新商品の宣伝・広報活動などを行います。
また、新商品の開発では薬事法、食品衛生法、景品表示法などさまざまな法律の基準があるため、専門知識も必要です。
アイデアやセンスだけでなく、論理的な思考力も問われる職種と言えます。
マーケティングって華やかなイメージがあるけど、地道な作業も多いんですね
技術職|研究開発・食品分析
研究開発・食品分析は、「こんな商品がほしい」という理想を形にする仕事です。
新商品を開発する以外にも、特定保健用食品や栄養機能食品のように、付加価値をつけて売り出すための研究を行う企業もあります。
また、既存商品の賞味期限を延ばしたり、生産コストを下げたりするための研究も、研究開発の仕事です。
既存商品のマイナーチェンジや季節商品など、1ヶ月に30品目の開発をする人もいます。
1ヶ月に30個の開発…すごいペースですね
技術職|商品生産・品質管理
商品生産・品質管理は、工場などで商品を安定して生産するとともに、衛生面や安全面の品質を管理する職種です。
商品を安定供給するための業務には、原料の調達や、工場の稼働計画も含まれます。
また、食品業界で不良品を出すことは企業の存続に関わる問題となるため、品質管理は非常に重要です。
食中毒などを起こさないよう、工場の衛生管理や完成した商品の実食、細菌類の検査などを行っています。
私たちが安心して食べ物を口にできるのは、この人たちのおかげだね
事務職|経理・人事・労務・総務など
事務職は、実際に商品に触れる機会は少ないですが、企業活動そのものを支えるポジションです。
具体的には、経理はお金の動きを管理して決算書にまとめる仕事、人事・労務は採用や給与計算など人を管理する仕事をしています。
また、総務は設備や備品の管理、役所への各種届出、社内行事の企画運営など幅広い仕事を担っており、臨機応変な対応が求められる職種です。
いずれも、食品業界に限らずどの企業でも置かれているポジションと言えます。
事務職は縁の下の力持ちってかんじですね
食品業界(メーカー)は本当にブラックなのか?他業界と離職率で比較
ここでは食品業界が本当にブラックなのか、他業界と比較した結果を解説します。
厚生労働省が、業界別に離職率を調査した結果がこちらです(一部抜粋)。
※本記事では、食品業界(メーカー)を製造業として扱います。
業界 | 離職率 |
製造業 | 9.4% |
卸売業・小売り業 | 13.1% |
宿泊業・飲食サービス業 | 26.9% |
医療・福祉 | 14.2% |
情報通信業 | 9.2% |
調査結果によると、食品業界が属する製造業の離職率は9.4%でした。
同調査で最も離職率が高かったのは宿泊業・飲食サービス業の26.9%で、全16業種のうち9つの業種で離職率が10%台という結果になっています。
業種の分け方が大まかであることや、企業によって差があることは考慮しなければなりませんが、食品業界の離職率は低い方だと言えそうです。
業界自体はブラックじゃなさそうなので、あとは企業選びが重要ですね
新卒で食品業界(メーカー)はやめとけと言われる理由・デメリット
新卒で食品業界はやめとけと言われる理由やデメリットには、次のようなものがあります。
これだけ見ると、確かにやめておいた方がいい気がしますね…
激務でノルマが厳しい場合がある
営業や販売促進の職種の場合、「ノルマ」や「目標」など一定の数値目標が課されます。
ノルマは企業によって、個人に課されるところもあれば部署単位で課されるところもあり、厳しさもさまざまです。
ブラック企業で働いた人からは「ノルマが達成できず自分で買い取った」「顧客にわざと多めに送りつけることを指示された」などの声も聞かれます。
これは極端な例ですが、どの企業でも営業職は売上を上げなければ、出世や昇給が難しいのは事実です。
営業職には打たれ強さや押しの強さも必要ですね
人間関係が限定的になりやすい
技術職や事務職、工場勤務の場合は、毎日同じ職場で同じ人と働くことが多いです。
そのため人間関係が限定的になりやすく、身近なところに合わない人がいるとトラブルに発展しやすくなります。
特に生産工場では、現場でたたき上げのベテラン社員が仕切っている場合が多く、新人が配属されると厳しい指導を受けることもあるようです。
毎日一緒に働くメンバーによって、当たり・はずれが大きいと言えます。
雰囲気の良いチームなら最高ですけどね…
労働環境があまり良くないこともある
企業によっては、労働環境があまり良くないことがあるのもデメリットです。
新卒の配属部署は企業側が決めることが多く、理系院卒の人が3年以上にわたって工場の単純作業に配属された例もあります。
大学や大学院で必死に勉強してきたことが活かせず、ライン作業に長期間従事するのは精神的につらいものです。
また、24時間体制の工場では日勤と夜勤のシフトが不規則に組まれ、生活リズムが崩れてしまう人もいます。
食品業界の中でも、技術職や工場勤務では一部過酷な環境もあるようです
口コミ評判にデリケートで突然の倒産リスクがある
食品業界は消費者の健康に直結する商品を扱うため、評判には非常にデリケートな側面があります。
最近はSNSなどで情報が一気に拡散されることもあり、トラブルが起きるとあっという間に倒産の危機に追い込まれるのがリスクです。
実際に、過去には大手食品メーカーで異物混入がニュースとなり、生産の全面停止と商品の自主回収を行ったという例もあります。
いくら自分が真面目に働いていても、こういう事件があるとどうしようもないですね
新卒で食品業界(メーカー)に入社するメリット
ここからは、新卒で食品業界に入社するメリットについて見てみましょう。
きちんとホワイト企業を選べば、メリットは大きいよ
食品関連知識の専門性が身につきキャリアアップしやすい
食品メーカーで勤務すると、食に関する専門知識が自然に身につき、キャリアアップしやすいのがメリットです。
多くの企業で食品表示検定や管理栄養士等の資格取得が推奨されており、これらの資格を持っていると転職する際にも有利になります。
食品表示や栄養士の知識は研究・開発職だけでなく、生産やマーケティング、営業職でも役立つ知識です。
管理栄養士の資格は花形で、営業や商品開発でも重宝されるんだって
福利厚生が手厚く残業代がきちんともらえる
食品業界は、大手になるほど福利厚生が手厚くコンプライアンスもしっかりしているのがメリットです。
労働時間は勤怠システムなどで厳格に管理されており、残業代もきちんと支払われます。
また、住宅手当や持株会、保養所など、その他の福利厚生も充実している企業が多いです。
特に自社商品を割引価格で購入できたり、社員食堂に力を入れていたりするのは、食品業界ならではの魅力です。
住宅手当があると嬉しいです
長く働き続けやすい企業が多い
食品業界は人々が生きていくのに欠かせない食べ物を扱っています。
そのため、他の業界に比べて景気の影響を受けにくく、長く安定して働ける業界です。
特に大手企業などは、産休・育休の取得も男女問わず積極的に進めており、出産後に職場復帰する女性の比率も高くなっています。
大手企業が公表する従業員の平均年齢は43歳前後となっており、新卒から定年間近の人まで幅広い世代が活躍できる環境です。
ライフステージに合わせて長く働けるって大事ですよね
結果が伴えば高年収も狙える
食品業界の年収は、400~500万円台がボリュームゾーンです。
大卒初任給では他の業界と大きな差はありませんが、30代、40代と堅調に年収が伸びる傾向があります。
上場している大手企業の中には、従業員の平均年収が800~1,000万円台と公表している企業もあるほどです。
食品業界の中でも特に、研究開発職で人気商品を手掛けたり、営業職で成績を上げたりすると、高年収が狙いやすくなります。
高年収を狙うなら、事務職よりも営業や技術職がおすすめだよ
新卒で食品業界(メーカー)に入社するのが向いている人
次の項目に当てはまる人は、新卒で食品業界に入社するのが向いていると言えます。
- 食が好き
- 目標達成に向けて頑張るのが楽しい
- 自分が開発した食品を全国の人に食べてもらいたい
- 日本の食文化をもっと広げていきたい
食品業界を目指すなら、大前提として食に興味があることが必要です。
そのうえで、目標に向かって努力するのを楽しめるタイプの人は活躍が期待できます。
美味しいものや楽しいことを見つけたときに、周りの人にも教えたい、良さを共有したいと思える人には、ぴったりの業界です。
また、営業職に限らず技術職や事務職の人も、チーム内での協力や他部署との連携は欠かせないため、コミュニケーション能力は必須だと言えます。
自分が好きなものに関わる仕事なら、大変なときも頑張れるよね
食品業界(メーカー)の平均年収とランキング
転職大手のマイナビエージェントの調査によると、食品メーカーの平均年収は以下の通りでした。
世代 | 平均年収 |
全世代 | 439万円 |
20代 | 395万円 |
30代 | 530万円 |
20代の平均年収は、他業種のメーカー勤務と比べて大きな差はありません。
30代では平均年収が530万円となっていますが、男女別で見ると男性は553万円、女性が454万円と大きな開きがあります。
30代で男女の年収に差が生まれる原因は、子育てを理由に仕事を調整する女性が多いためだと考えられ、どの業界でも見られる傾向です。
ただ、それでも食品業界の30代女性の年収は、全業種(男女含む)の平均年収を上回る数字となっており、給与水準の高さがうかがえます。
参考:業種別平均年収ランキング|食品(マイナビエージェント)
全業種の平均年収は、30代前半で403万円、30代後半で440万円だよ
就活生人気の高い食品業界(メーカー)の企業一覧
ここでは、就活生に人気の高い食品業界(メーカー)の企業をランキング形式でご紹介します。
- サントリーグループ
- 味の素
- 明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)
- キリン
- ロッテ
- 日清食品グループ
- アサヒビール
- カゴメ
- 森永乳業
- グリコグループ
- ハウス食品
- 森永製菓
- サッポロビール
- 日本ハム
- キユーピー
- アサヒ飲料
- ニチレイグループ
- 伊藤園
- 山崎製パン
- 味の素AGF
参考:就職希望企業ランキング | 食品 (キャリタス就活2023)
私たちの日常生活でも馴染みのある企業ばかりですね
食品業界(メーカー)でホワイトな会社を効率的に見つける方法
食品業界でホワイトな会社を効率的に見つける方法には、以下のようなものがあります。
情報収集が大事ですね
食品業界(メーカー)に強い就活エージェントを利用する
ホワイト企業を見極めるためには、食品業界に強いエージェントを利用するのが効率的です。
特におすすめの就活エージェントは以下の通りです。
- キャリアパーク就職エージェント|25卒向け
- Jobspring(ジョブスプリング)|25卒向け
- アカリク|研究開発職・技術職向け
>>キャリアクラス新卒就活編集部おすすめの就活エージェントを見る
キャリアパーク就職エージェント|25卒向け
名称 | キャリアパーク就職エージェント |
運営企業 | ポート株式会社 |
対象学年 | 25卒 |
強み | 最短1週間で優良企業へスピード内定ゲット |
利用しやすさ | 全国対応でエリアも広く、丁寧なヒアリングが好評 |
求人 | 厳選された全国各地の優良企業300社から求人を紹介 |
紹介実績 | 年間1,000人以上の就活生がスピード内定獲得 |
サポート | 選考対策やセミナーなどで選考通過率が大幅アップ |
総合得点 | 18.5/20.0点 |
公式HP | https://careerpark-agent.jp/ |
キャリアパーク就職エージェントは、毎年就活生の3人に2人が利用する就活エージェントです。
全国各地から優良企業を厳選しており、ブラック企業を排除してくれます。
専属のキャリアアドバイザーがあなたの希望条件や適性を踏まえて、ぴったりの企業を紹介してくれるのが特徴です。
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Jobspring(ジョブスプリング)|25卒向け
名称 | JobSpring(ジョブスプリング) |
運営企業 | HRクラウド株式会社 |
対象学年 | 25卒・26卒 |
強み | AI×プロのエージェントによる高精度なマッチング |
利用しやすさ | 対面面談が東京のみ(オンライン対応) |
求人 | 内定まで最短2週間の求人を紹介 |
紹介実績 | 1000社から厳選された3~4社を紹介 |
サポート | 早期離職率0.1%を誇る手厚いサポート |
総合得点 | 18.5/20.0点 |
公式HP | https://jobspring.jp/ |
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アカリク就職エージェント|研究開発職・技術職向け
名称 | アカリク就職エージェント |
運営会社 | 株式会社アカリク |
対象学年 | 25卒 |
強み | 理系大学院生・ポスドクの就活に強い |
独自性 | 理系大学院出身のメンターが丁寧にアドバイス |
求人 | 研究開発・エンジニアなど理系求人が豊富 |
実績 | 大学院生を積極採用する企業3,000社との取引実績 |
使いやすさ | 研究職以外・専門外の就活でも柔軟に対応 |
総合得点 | 18.5/20.0点 |
公式HP | https://shushoku-agent.acaric.jp/ |
アカリク就職エージェントは、大学院生やポスドクに特化した就職サイトです。
研究内容を活かせる開発職や技術職を多数取り扱っているため、理系で食品業界を目指す人に向いています。
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無料の適性テストを受けてスカウトをもらう
名称 | Lognavi(ログナビ) |
運営会社 | 株式会社アスパーク |
対象学年 | 25卒 |
強み | 適性テストと動画で入社後ギャップを無くす就活アプリ |
独自性 | アプリひとつでエントリーから、セミナー、面接までが完結 |
求人 | 有名企業を含めた600社以上が登録 |
実績 | 15万DL突破!就活生1人につき平均1.4社からスカウト |
使いやすさ | 会員情報登録後、アプリで全ての機能を使用可能 |
公式HP | https://lognavi.com/ |
ホワイト企業を探すためには、適性テストを受けてスカウトを待つのも1つの手です。
Lognavi(ログナビ)なら、「知的テスト」と「性格テスト」という2種類の適性テストであなたの才能や能力を判定し、相性の良い企業をマッチングしてくれます。
アプリ内には全国の就活生とトークできるコミュニティもあるため、学生同士で情報交換をしながら就活を進めることが可能です。
大手の日清食品や伊藤ハムなど大手食品メーカーも参加企業として公表されているよ!
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食品業界(メーカー)に勤めるOB/OGを訪問して話を聞く
名称 | ビズリーチ・キャンパス |
運営企業 | 株式会社ビズリーチ |
対象学年 | 25卒 |
強み | 同じ出身大学のOB・OGと気軽に合えるサービス最大手 |
独自性 | 有名国公立・私立大学の出身者限定のOB・OG訪問サービス |
求人 | 参加企業は5,000社以上、参加OB/OGは51,000人 |
実績 | 現社員と企業研究、面接対策、ES添削までできる |
使いやすさ | アプリで利用可能、面談はWebでも対面でも対応 |
総合得点 | 17.5/20.0点 |
公式HP | ビズリーチ・キャンパスを詳しく見る! |
食品業界を目指すと決めたら、OB/OG訪問で情報を集めることも大切です。
ビズリーチ・キャンパスなら、同じ大学のOB/OGと手軽にマッチングできるため、就活の経験談や業界で働く人の生の声が聴けます。
対象となる大学が限られるサービスのため確認が必要ですが、自分の大学が該当していた場合はぜひ登録しておきたいサービスです。
OB/OG訪問からスカウトを獲得した人もいるので、ぜひチェックしてみてください。
CMでもおなじみのビズリーチが運営しているサービスだよ
就活関連の口コミサイトを見る
ブラック企業を避けるためには、口コミサイトも参考になります。
主な口コミサイトは以下の通りです。
これらのサイトは、会員登録をすることで口コミ情報や就活コラム、イベント情報などが見られるというものです。
口コミでは、選考フローや面接で聞かれたこと、選考結果が届いたかどうかなど、実際に選考を受けた人にしか分からない情報などが投稿されるため、貴重な情報源になります。
個人の主観的な意見も含まれるから、鵜呑みにし過ぎないようにね
「食品業界(メーカー)に新卒入社はやめとけ」は企業による!
食品業界は、有名企業や大手企業も多く、安定して働けることから人気の高い業界です。
一方で、営業ノルマや工場の夜勤など、就職する企業によっては心身ともに消耗してしまう人がいるのも事実です。
食品業界を目指す場合は、就活エージェントなどプロの力を借りて、ホワイト企業を見極めてから応募しましょう。
エージェント選びに迷っている人には、キャリアパーク就職エージェントがおすすめです。
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