「今の仕事を辞めたいけど、新卒だから退職したいと言いづらい…どうしたらいいんだろう?」
入社当時はやる気に満ち溢れていても、いざ仕事を始めてみると想像していたのとは全然違うというのはよくあることです。
ですが、新卒で入社した場合だと『退職したい』とはなかなか言いづらいと思います。
- 新卒で入った会社だからどうしても退職したいと言いづらい…
- 新卒で退社を申し出ると、先輩や上司にどう思われるんだろう?
- 新卒でも今の会社を辞めたい時はどうすればいいの?
など、新卒だからこその悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、新卒で入った職場を退職すると言いづらい理由や、スムーズに退職するための対処法をお話していきます。
中には「頑張って入社したのにもったいない」という意見もあるかもしれませんが、若いからこそ決断は早めにした方が良いケースもあります。
・新卒の方が会社を辞めたいなら、『明確な退職理由』や『医師の診断書』を用意するといい。
・長く残っていると、かえって辞めづらくなる可能性もあるので早めの決断が大事。
新卒は退職を言いづらい!辞めたいけど言えない理由とは?
まず、新卒社員が退職したくてもと言いづらい理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
結論から言うと、「辞めたい」と言いづらくなってしまう理由は主に以下のパターンが分けられます。
言いづらくなってしまう理由をきちんと理解しておくことで、「円滑に退職するためにはどうすればいいか?」のヒントが見えてくるものです。
なので、まずはこの3つの理由について詳しくみていきましょう!
伝えづらい理由1:働いた時間が短すぎる
新卒の方が退職を伝えづらい1つ目の理由は、単純に働いた時間が短すぎるから。
たとえば4月から入社して働きだし、1ヶ月もしないうちに辞めたくなる人は決して少なくありません。
もし周りの人にそのタイミングで伝えると、大抵が「え、早くない?」といった反応が返ってきたりします。
場合によっては、いつも優しく仕事を教えてくれている先輩や上司に呆れたような顔で見られることもあるでしょう。
言葉にはしなくても「根性がない」「飽き性だ」「最近の若い人は」と思われているのでは、と思うと余計に切なくなりますよね。
また、新卒なら仕事や職場のことをまだ詳しく知らないはずなのに「どうして?」と質問責めにされる可能性も高いです。
これも辞めたいと言いづらくなっている大きな理由の1つと言えます。
新卒社員としては何も聞かず、そっとしておいてほしいというのが本音ですが、なかなかそうはいかないのが現実なんです。
伝えづらい理由2:退職日までが気まずくなりそう
辞めたいなと思ってすぐに伝えても、実際の退職日までは数週間から1か月ほど時間がかかるのが普通です。
そのため、実際の退職日までの間が非常に気まずくなる、なんてこともあり得ます。
今まで和気あいあいと過ごしていた職場で、気まずい思いをするのは嫌ですよね。
優しかった先輩や上司に「どうせ辞めるんでしょ?」という雰囲気を出されるのもストレスになります。
退職日までの我慢とは言え、このような気まずい思いをするのがイヤでなかなか辞めたいと言えない人は非常に多いです。
伝えづらい理由3:退職後のことを考えると不安
さらに新卒で入社した会社を辞めると、この先どうなるのだろうという不安を感じますよね。
就職活動で大変な思いをして入った会社なら余計にそう思うでしょう。
もし今の会社を辞めても、次の仕事はすぐに見つかるかは分かりません。
新卒で入ったばかりだと失業保険も使えないため、生活の保障もなく収入がゼロになる可能性もあります。
いろんなことを考えると、本当に辞めていいのかなと不安になってしまうのは当然です。
また新卒で入社すると、だいたい仕事に慣れてくる5月や夏季休暇の時期に一度辞めたくなる波が来ると言われています。
なので、その時期を乗り越えるとまた気持ちも変わるかもしれません。
基本的に一度退職の話を切り出すと取り消すのは難しくなります。
焦る必要はありませんので、本当に辞めるかどうかゆっくり考えて結論を出すことをおすすめいたします。
伝えづらい理由4:退職が初めてで、どうすればいいかわからない
「退職が初めてでどうすればいいかわからない」ことも、新卒で退職を言い出すことが気まずい理由の一つです。
新卒後正社員として働き出すと、バイトのように仕事を簡単に辞められるわけではありません。職場の上司に辞めることを伝えて、携わっていた仕事を他の社員に引き継ぐ必要があります。
職場で退職した方がいる場合は、どのような手順で退職を進めたのかを聞くと、仕事を辞めるまでの流れを把握できるでしょう。
新卒が退職を伝えた時のパターン!どんな反応が返ってくる?
もし新卒の方が退職を伝えたら、周りからどんな反応が返ってくるのか気になる人も多いと思います。
これは職場の雰囲気によって変わるとは思いますが、よくあるパターンとしては次の3つです。
退職を申し出たときの周りのリアクションに不安があるなら、この3つのパターンを知っておくだけでも事前に心積もりができます。
という事で、1つずつ詳しくみていきましょう!
パターン1:上司に引き止められる
新卒の方が会社に退職を申し出ると、ほぼ間違いないと言っていいほど上司に引き止められたりします。
とくに入社してから間もないほど強く引き止められるでしょう。
というのも、新卒社員に入社してすぐに辞めたいと言われると、上司や先輩は「よほどのことがあったのでは?」と思うからです。
それに直属の部下がすぐ辞めてしまうのは、自分たちの評価にも影響することもあります。
なので、まずは話を聞いて「やむを得ない事情なのか、解決できる理由なのか?」をヒアリングしてきます。
その結果、業務改善などで解決できる問題なら「考え直して欲しい」というのが会社側の本音なんです。
とはいえ「やむを得ない事情ではないけど、どうしても辞めたい」という事もあるでしょう。
辞める決心がついているなら、上司から引き止められたとしても、毅然とした態度で話し合うことが重要です。
曖昧な態度を取ると逆効果になったりするので注意してください。
退職の伝え方について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
パターン2:「会社に迷惑だ」と怒られる
新卒であっても、会社にとってあなたが重要な戦力になっている場合は、「会社に迷惑だ」と怒られる可能性もあります。
というのも、会社としては急いで代わりの人を探さなければいけませんし、様々な事情に関わってくるから。
また新入社員を育てるためには少なからず経費がかかっています。
たとえ数ヶ月であっても経費をかけて育てたのに、という憤りもあるかもしれません。
しかし上司や会社に怒られても、その仕事が自分に合っていないと思うなら遠慮することはありません。
それに、新入社員の段階なら仕事の代わりは他にいくらでも見つかります。
自分の気持ちや人生を第一に優先して考えるべきです。
たとえ怒られたとしても、嫌な思いをするのは退職日までの期間だけなので、辞めた後の解放感や清々しさを考えて頑張って乗り越えましょう!
パターン3:同僚から白い目で見られる
新卒で入社すると同じタイミングで入った同僚もいると思います。
その場合、入社してすぐに「辞める」と言うと、同僚から白い目で見られることがあります。
同期入社の同僚同士だと、最初は何も分からない状態で励まし合って過ごした人も多いのではないでしょうか。
そうすると仲間意識や結束力も強くなっていると思います。
そんな状況で1人だけ「辞める」と言えば、同僚からは「裏切り者」と思われるケースもあるのです。
信頼し合っていただけに、その後の接し方が冷たくなってしまう可能性があります。
もちろん、すべての同僚が白い目で見てくるとは限りません。
新しいスタートを切るために退職を選ぶことに「頑張って」と応援してくれる人もいるでしょう。
どちらの反応が返ってくるかは話してみなければ分かりません。
しかし、寂しい気持ちの裏返しで言葉がキツくなってしまう人もいるので、きちんと話をすれば理解してくれる同僚も多いはずです。
だからこそ、辞めると決めても同僚とはコミュニケーションを取り続けて、退職後の仕事をサポートできるような関係を築いておくといいでしょう。
新卒が退職を言いづらい時の対処法!恐怖をやわらげるには?
ここからは、新卒の方が退職を言いづらい時の「恐怖心を和らげる対処法」をご紹介していきます。
結論から言うと、以下の方法で対処していくことがオススメです。
このように退職を伝えるのに不安がある人は、あらかじめ「準備」をしておくことが円滑に退職するコツ。
という事で、1つずつ詳しくみていきましょう!
対処法1:事前に細かく相談しておく
先ほどもお伝えした通り、新卒の方が退職を言いづらいのは、上司や会社の反応を気にしてネガティブになってしまうのが大きな原因。
なので、いきなり「辞めたい」と切り出すのではなく、事前に悩みを相談しておくと不安が半減します。
上司や会社側もあなたに悩みがあることを知っていれば、退職を切り出されたとしても「やっぱり」と納得しやすいでしょう。
時間をかけて話をしておくことで、お互いに感情的になることなく淡々と話を進める事ができるでしょう。
対処法2:明確な退職理由を用意しておく
また退職を切り出す時は、明確な理由を用意しておくと話がスムーズに進みやすいです。
曖昧な理由では引き止められた時に何も言えなくなってしまったりするのでご注意を。
新卒で入社したばかりの会社を辞める時は、「他にやりたい仕事が見つかった」などの理由が説得力があります。
入って早々に辞める理由としては一番無難な理由ではないでしょうか。
ただし注意したいのは、一方的に会社や職場を非難しないことです。
新卒でありながら不満ばかり口にして「辞める」と言うと、ただの自己中やワガママな態度に見られてしまうことがあります。
そして同じ理由で「先輩、同期、上司に嫌いな人がいる」などの人間関係のネガティブな理由も控えめにした方が良いでしょう。
こちらも後に残る人たちに何らかの悪影響を与えてしまう可能性があります。
同期入社の新卒社員や職場の先輩など、聞かされた方も対応に困ってしまうかもしれません。
できれば「辞めた後も頑張って!」と応援してもらえるような前向きな退職理由を考えてみてください。
対処法3:病院の診断書を提出する
退職を切り出すのがどうしても不安な場合は、病院の診断書を提出するという方法もあります。
たとえば仕事や会社でストレスを受けて心療内科に通っている人もいるでしょう。
実際に体調を崩している人は、その通院の診断書を会社に提出すれば無理に引き止められることもありません。
また怒ったり非難したりすると症状が悪化するかもしれないと考えて、周りの人も気を遣って対応してくれるでしょう。
ただし通院していない場合は診断書を提出するのは難しいです。
その場合は普段から「眠れない」「体調が悪い」など伝えておく事で、退職を切り出した時の納得感に繋がります。
いきなりではなく、体調不良が重なった上で「もう無理です」と伝えた方が受け入れてもらえやすいです。
たとえ多少演技をしてでも、あらかじめ「精神的に繊細」「体があまり強くない」というアピールをしておくのもおすすめです。
どうしても退職を言いづらいときにおすすめの退職方法
どうしても退職を言いづらいときは、次の方法で退職することをおすすめします。
退職を言いづらい方が、転職エージェントや退職代行に頼るべき理由は、以下で紹介します。
転職エージェントへ相談する
退職を言いづらいときは、転職エージェントに相談しましょう。転職エージェントでは、これまでにさまざまな利用者の転職・退職を見てきているため、退職が言いづらい方に対して適切なアドバイスができます。
ただし、転職エージェントは利用者の転職支援をするサービスです。仕事を辞めることだけを目的に転職エージェントを利用するのは、相談に乗ってもらうキャリコンサルタントに迷惑がかかります。
そのため、転職エージェントへ相談する際は、退職を言い出すアドバイスと転職支援を同時に受けましょう。
退職代行を利用する
さまざまな準備をしても直属の上司に退職を言いづらいときは、退職代行を利用しましょう。退職代行を利用すれば、利用者の代わりに退職代行業者が退職したい旨を会社に伝えてくれます。
そのため、利用者が直属の上司などに顔を合わせなくても退職できます。退職代行サービスによっては、相談した当日に退職することが可能です。
ただし、退職代行に理解を示さない会社もあるため、できる限りは自分で退職したい旨を伝えることをおすすめします。
退職代行を利用した方がいい人の特徴
近年は、自分で退職する旨を伝える以外に、退職代行を利用して仕事を辞める方法もあります。退職代行は自分に代わって仕事を辞めることを会社に伝えてもらうサービスです。お金はかかりますが、下記の特徴がある方は退職代行の利用が適しています。
- 辞める理由が考えられない
- 周りから白い目で見られそうで怖い
- 退職の切り出し方がわからない
- 辞めることを伝えた上司と気まずい雰囲気になりたくない
基本的には、自分一人で退職する旨を伝えることに不安がある方は、退職代行の利用がおすすめです。特に、新卒は会社に馴染んで間もないことから、退職代行を利用する方が多くいます。
新卒の退職で気まずさを軽減させる方法
退職することは、仕事の経験年数に関係なく気まずさを感じる方がほとんどです。新卒の退職で気まずさを軽減させたい方は、次の方法を実践しましょう。
以下では、気まずさを軽減させる3つの方法について詳しく紹介します。
詳細を知りたい方は「退職まで1ヶ月あって辛い方へ。上手な過ごし方と引き継ぎのコツ」を参考にしてください。
ネガティブな退職理由は伝えずに辞める
退職するときは、ネガティブな理由を伝えずに辞めましょう。ネガティブな退職理由を伝えると、直属の上司・同僚にマイナスイメージを与えてしまいます。そのため、下記の退職理由は話さないことが大切です。
- 給料が低い
- 〇〇さんがいるから仕事が楽しくない
- 仕事にやりがいを感じない
特に、特定の社員を蹴落とす退職理由を伝えることは控えてください。特定の社員だけでなく自分の評価を悪くすることにもつながります。
退職に批判的な人とは距離を置く
退職に批判的な人とは距離を置くことも、気まずさを軽減させる方法として有効です。職場の中には、退職に対して肯定的な社員がいる一方で、批判的な考えを持つ方も一定数存在します。
退職に批判的な方と過ごすと、「退職することが間違っているのか」「退職することは悪いことなのか」など、自分が進みたいキャリアに疑問を持つ可能性があります。他にも、嫌味・陰口を言われて自己肯定感が下がるケースもゼロではありません。
退職日までに引き継ぎ業務を完璧に終わらせる
退職する気まずさを軽減させたい方は、退職日までに引き継ぎ業務を完璧に終わらせることが大切です。仕事をきちんとしている方に対して、批判的な意見は集まりません。
仕事量にもよりますが、引き継ぎ業務を完璧に終わらせるには、退職することを決めた段階から少しずつ引き継ぎ業務の準備を進めることがおすすめです。
例えば、パソコン内のフォルダーを整理したり、難しい業務に関しては効率よく作業できる方法をメモに残したりするなど、時間がかかりそうな引き継ぎ業務は早めに取りかかりましょう。
辞める時期・タイミングはいつがいいのか?
仕事を辞めるときは、次の時期・タイミングを狙いましょう。
基本的には、職場の繁忙期を避けて退職してください。繁忙期に退職すると、職場と揉めるケースが多く、円満退職が望めません。
退職することに気まずさを残したくない方は、引き継ぎなどを考慮し、退職希望日の1〜3か月前に直属の上司に退職する旨を伝えましょう。
ここからは、3つの時期が退職するタイミングの狙い目である理由を詳しく紹介します。
社会保険(健康保険・年金)を考慮した日
仕事を辞める際は、社会保険(健康保険・年金)を考慮した日を選びましょう。月の途中で退職すると健康保険・厚生年金から国民健康保険・国民年金に切り替わり、社会保険を全額自己負担しなければなりません。
一方で、退職日が月の最終日であれば、社会保険料は退職月分も健康保険・厚生年金として徴収されます。その際は、退職月分に加えて前月分の社会保険料も合算されて徴収される点は知っておいてください。
社会保険が切り替わることにわずらわしさを感じる方は、退職日を月末の最終日に設定することがおすすめです。
人事異動の前や繁忙期以外の期間
人事異動の前や繁忙期以外の期間も、仕事を辞めるタイミングとしておすすめです。業務に差し支えが出にくく引き継ぎしやすいため、退職する方のほとんどはこの時期を選びます。
一方で、人事異動が行われた後・繁忙期を辞める時期に選ぶと、直属の上司だけでなく人事部などからも非難を受けるかもしれません。
人事異動の後に退職を申し出ると配置転換を再びする必要があり、業務の進行に迷惑をかけてしまいます。繁忙期を退職時期に選ぶと、今まで携わっていた仕事が同僚に割り振られる分、周囲の負担が増します。
新卒や中途採用が多い3月
新卒や中途採用が増える3月も、仕事を辞める時期に適しています。自分が仕事を辞めても、他の社員で仕事をカバーしやすく、退職する気まずさが少なくなります。
3月退職を希望する場合は、前年の12月ごろに退職したい旨を直属の上司に伝えることがおすすめです。退職まで3ヶ月程度の期間があるため、仕事の引き継ぎが十分に行えます。
まとめ
新卒の方が退職したいと言いづらいのは、どんな職場でも同じです。
どの職場でも新入社員の育成や業務サポートには力を入れているため、気軽に退職したいと言える人の方が少ないでしょう。
だからこそ、新卒の方が今の会社を辞めたりなら、スムーズに話を進めるために下記の「準備」をしておくことをおすすめいたします。
- 事前に細かく相談しておく
- 明確な退職理由を用意しておく
- 病院の診断書を提出する
続ける気力が無いのにいつまでも会社に残っていてもあまり意味はありません。
長く残ればそれだけ職場にとっては戦力になるため、かえって辞めづらくなる可能性もあります。
たしかに、お世話になっている上司や会社に「辞めたい」と言うのは勇気がいることでしょう。
しかし、本当に貴重なあなたの時間です。
本当にやりたい仕事に就いて新しい第一歩を踏み出すために、無理をしない範囲で頑張ってみてください!