転職活動で初めて書くことが多い職務経歴書。履歴書は新卒の就職活動のときに書きましたたが、職務経歴書を書くのは初めてという方が多いと思います。
今回は第二新卒でベンチャー企業の内定を得た職務経歴書の書き方を紹介します。
実際に使ったテンプレートも紹介しているので、ぜひ活用してみてください。
第二新卒の職務経歴書とは?どんなところを見ている?
転職活動で必ず必要になるのが職務経歴書です。新卒のときの書類選考にはなかったので、書き方、どんなフォーマットが必要なのか分からないですよね。
職務経歴書の役割は、ずばり「前職での経験を見ることで、応募企業で活躍できるかを見る」ことです。
次のうち、どちらが説得力があるでしょうか?
- 私は営業ができます!(過去経験なし)
- 私は〜の経験があるので、営業ができます。
当然、「②私は〜の経験があるので、営業ができます。」の方です。
職務経歴書では、「自分は○○ができます」という証明になります。職務経歴書を魅力的に書けるかが、書類選考通過のカギとなります。
もちろん、企業は自分のカラーにマッチした人材を採用したいと思っているのでます応募業界のカラーにマッチした経験をアピールすることも重要な要素です。
企業の書類選考に必要な履歴書の書き方については、以下の記事にて解説しています。
採用担当者が第二新卒の職務経歴書を見極めるポイント
採用担当者は、第二新卒者の職務経歴書や履歴書を通じ、その後の選考に進むかどうかを判断します。
最終的な採用可否は、職務経歴書や履歴書だけではなく、面接でビジネスマナーや雰囲気なども確認した上で決められますが、短い面接時間で自分をPRするためにも、職務経歴書はきちんと作成する必要があります。
本章では採用担当者が第二新卒の職務経歴書を見るポイントについて説明します。
前職での仕事内容
採用担当者が第二新卒者の職務経歴書を見るポイントの一つ目は、前職での仕事内容です。
実際にどのような業務を担当してきたかはもちろんのこと、その仕事を行うにあたり工夫してきた点があるかどうかを企業側は見ています。
社内表彰や新規顧客開拓記録など、目立った実績があれば大いにプラスに働きます。
第二新卒は入社してさほど年数が経っていないため、目立った実績を残している人は少ないはず。しかし、まだ業績が残せていなくても、日々の業務で工夫・改善した点はあるのではないでしょうか。
ただ単に与えられた業務をこなしていたという印象を与えてしまうと、書類選考から次に進めない可能性が高いです。
しっかりと主体的に業務に携わっていた点をアピールするようにしましょう。
将来のポテンシャル
採用担当者が第二新卒者の職務経歴書を見るポイントの二つ目は、将来のポテンシャルです。
社会人経験がそこまで長くない第二新卒に企業側が期待しているのは、現在持っている能力ではなく今後の可能性です。第二新卒者には将来的に、会社の中核を担って欲しいと思っている企業も多く、今後を期待されている人材だといえます。
特にまだそこまで大きな実績を残していない第二新卒者は、将来のポテンシャルがあることを企業にアピールするのがおすすめです。
例えば「海外の顧客とも話ができるよう、ビジネス英語を週2回学んでいる」というように、業務以外で行なっている自己研鑽を述べるのも良いでしょう。
このように自ら学び続ける姿勢なども、評価が上がりやすいポイントだといえます。
会社と馴染むかどうか
社会人経験が浅い第二新卒に企業側が期待していることとして、「会社と馴染むかどうか」も一つのポイントになります。
社会人経験が浅い第二新卒は、まだ会社の文化に染まっていない部分も多く、中途採用者よりは会社風土や文化に馴染みやすいといえます。
そうした第二新卒特有のフレッシュさによって、既存の社員にも新たな気づきがもたらされることも企業は期待している部分でもあります。
企業側の意向に耳を傾ける柔軟さや、明るくはきはきとした受け答えによって、フレッシュさや適応力の高さを上手にアピールしましょう。
第二新卒のための職務経歴書の書き方・コツ
魅力的な職務経歴書の書き方、コツを紹介します。
今の仕事で大きな成果を上げてこなかった人、正直職務経歴書に書くことがない人でも大丈夫です。いくつか経験の棚卸しをするだけで魅力的な職務経歴書を書くことができます。
職務経歴書のテンプレート
私が実際に使用していた職務経歴書のテンプレートはこちらです。
このテンプレートには、必ず説得力を持たせられる構文があるので、可能な限り使うのをおすすめします。
1つひとつ見ていきましょう。
職務経歴概要・要約の書き方
職務経歴概要には、自分が行ってきた現職の内容を3行程度で記入します。
面接の最初の自己紹介も、この部分をスラスラ言えるようになると自己紹介で迷いません。
今回は自身が営業職出身だったため、営業の書き方をしています。ここに書く内容は、現職のことなので、応募職種が営業職でなくても営業の話をしてしまって構いません。
内容構成としては、こちらを参考にしてください。
株式会社XXにて、法人営業を2年間担当しています。
大手食料品、飲料メーカーの担当顧客2社を担当中。個人の売上担当額はXX百万円です。継続的な顧客訪問と新規開拓営業を通じて、顧客との関係構築、新製品の売込、顧客のクレーム対応などに従事しております。
- どこの会社で、何年働いていたかを簡潔に書く。
- 担当しているお客様や職務を簡潔に書く。
- (営業職ならば)売上数字も書く。
- 日々の業務内容を簡潔に書く。できれば応募企業でも発生する業務があれば良いです。
会社履歴の書き方
会社履歴は、今まで経験してきた会社を列挙するだけです。
第二新卒の転職なので、基本的には新卒で入社した会社の1社のみだと思います。
アルバイトの経験は書く必要はありません。
職務経歴詳細の書き方
職務経歴詳細では、「会社のプロフィール」と「職務内容」を書きます。
職務経歴概要に書いたことを、図の中に実績を書き足します。
【職務】法人営業
【職務詳細】
既存顧客への売込
新規顧客の開拓
関係構築・クレーム対応など
【担当顧客】
飲料メーカー・食品メーカー
【実績】
201X年度 実績:X億円 前年実績:X億円 前年比:X%
また、現在進行のプロジェクトでXX円の案件を受注予定。
- 「実績」は調べようがないので、大雑把で問題ないです。その代わり、面接のときに辻褄だけ合わせておきましょう。
活かせるスキル、経験
ここからの書く事項に決まりはありません。使用する職務経歴書によって、項目が様々です。
筆者は、スキルや経験を一言でまとめて箇条書きと簡単な説明を書きました。
「○○力があります!」と書くと分かりやすいです。書類は読み流されてしまうことが多いので、ひと目でみて分かるのはポイントです。
コミュニケーション力・折衝力
法人営業で幅広い年代の相手との関係づくり、折衝を経験しました。
行動力
新規開拓営業では、個人経営の店を積極的に開拓。販路を広げるよう尽力しました。
仮説思考力
クレーム対応では、顧客の潜在ニーズを把握するよう努め、迅速な解決に向けた努力をしました。
- ○○力のタイトルと、簡単な説明を書く
- 説明文は読みやすいように、一文で書く
自己PRの書き方
しっかりとした文章を書かなければいけない自己PR。どんなことを書けばいいかわからない人も安心です。この書き方をすれば、説得力が増した自己PRを書くことができます。
自身の立てた目標を達成する力
私は入社時に「○○」という目標を立てていました。
私はその目標達成のために、~~という経験を積極的に行っていました。
(具体的なエピソード)
(具体的なエピソードの結果)、自身の目標を達成できました。
今回の経験により、○○を学び、身に着けることができました。
この自己PRでアピールできる人物像はこちらです。
- 入社時から自分自身に目標が立てられる人物
- 目標達成のための努力ができる人物
- 結果成功に導くことができる人物
- 経験からさらなる成長を得られた人物
崇高な志で仕事をしている人に見えてきました。
ここで、「入社当時に目標なんてなかった…」という人もいるかもしれません。その場合には、自分が経験した仕事と結果から、後付けで目標を作ると良いでしょう。
例えば、結果的に○月に顧客訪問が20回だったとすれば、○月の訪問目標は20回だったと後付する…といった具合です。 このような結果ありきの目標を用意すれば、必ず成功体験として話せるでしょう。
第二新卒の書類選考で通過率を高める方法
第二新卒の書類選考で通過率を高める方法をまとめました。
しっかりと対策して、書類選考の通過率を高めましょう。
職種にマッチした経験をする/書く
ベンチャー企業の採用は、事業拡大に伴った即戦力人材を採用することが多いです。しかし、社会人3年目のような第二新卒を採用するということは、人材をある程度教育できるフェーズにあることを指します。
とはいえ、応募者の中で「企業にマッチした経験をしている第二新卒」と「まったくの未経験な応募者」が二人いたとして、採用したいのはどちらでしょうか。採用枠が1人の場合、後者になります。
そのために「企業の職種にマッチした経験をする/書く」のは、他の応募者に差をつけるためにも必要なことになります。
仕事内容を細かく洗い出す
第二新卒が職務経歴書を書く前に押さえたいポイントの一つ目は、現職の仕事内容を細かく洗い出すことです。
日々の業務に追われ焦っていると、今行っている業務だけしか記載しないことにもなりかねません。異動をした場合は、過去に受け持っていた業務についても細かく振り返りましょう。
例え同じ業務をずっと行っていても、時期によって注力した点や仕事内容も少しずつ異なっているのではないでしょうか。
自分一人ではなかなか上手く整理できないのであれば、同僚や同期の仲間などに頼るのもおすすめです。
同じ業務を担当している場合は「友達に自分の仕事を話す時、どういう風に説明する?」といったように、それとなく第三者目線から仕事内容を尋ねることで、新たな見方ができるかもしれません。
自分の強みを把握する
第二新卒が職務経歴書を書く前に押さえたいポイントの二つ目は、自分の強みを把握することです。
自分の強みはそもそもどんな部分なのか、なぜそれが自分の強みだと言えるのか、根拠も踏まえて深掘りするのをおすすめします。
しかし、自分の強みは意外と把握しにくいものです。また混同しやすいですが、プライベートの長所とビジネスにおける自分の強みは異なる部分もあります。
あなたのビジネスにおける強みをよく分かっているのは、実際に一緒に仕事を行っている上司や同僚である場合が多いでしょう。
ただし現職の人間にいきなり「私の強みを教えてくれませんか?」と言うと、転職を疑われ、居心地が悪くなる可能性があります。
例えば、仕事上の悩みを相談する形で自分の強みを間接的に聞いてみると、思わぬ発見があるかもしれません。
また取引先からのフィードバックも、自分の強みを把握する上で参考になるかもしれませんので、聞けるようであれば尋ねるのも良いでしょう。
転職エージェントに添削してもらう
職務経歴書が出来上がったら、転職エージェントに必ず添削依頼をしましょう。客観的な意見と、採用側の目線に立ったフィードバックを実施してくれます。
職務経歴書は、採用のときには他の人が読むものなので客観的な意見は欲しいところ。友人や先輩に見てもらうのも良いですが、「自分をまったく知らない人からの評価」を得られるのは転職エージェントの魅力です。
転職エージェントの利用は、応募書類の添削はもちろん、普通は見ることができない限定の非公開求人などを紹介してくれます。
おすすめの転職エージェントは、こちらで紹介しています。
書類選考・職務経歴書でよくある質問
第二新卒の書類選考、職務経歴書作成についてよくある質問をまとめました。
質問1「第二新卒の職務経歴書に学歴は関係ある?」
企業の体質にもよりますが、新卒時よりは重要視されません。重要なのは前職の経験です。
私の同僚は高卒ですが、前職での経験が評価されて入社しています。学歴があれば多少は有利ですが、必須ではありません。
質問2「職務経歴書は手書きのほうがいい?」
パソコンでの作成で問題ありません。応募企業への提出はもちろん、転職エージェントへの提出もパソコンで作成します。
注意点は、応募企業への提出の際はPDFに変換して送付しましょう。編集できないようにしておくのが良いです。
質問3「学生時代の経験を書いても良いの?」
できれば書かない方が良いでしょう。職務経歴書のため、現職に関わることを書きましょう。
しかし、補足情報として学生時代の経験を入れるのは問題ありません。例えば「マネジメント力」があると記載したときに、現職でのマネジメント経験を書いた上で、学生時代もサークルのリーダーをやっていましたと書くような例です。
どんな環境でもマネジメント力を発揮できているという再現性のアピールになります。
質問4「職務経歴書に志望動機は必要?」
基本的に必要ありません。職務経歴書は、応募企業ごとに作成する必要はありません。
応募企業からフォーマットを指定され、志望動機を書く欄がある場合のみ書けば問題ありません。
質問5「半年で辞めたので職務経歴書に書くことがない。」
些細な経験でも、○○力というタイトルをつけるだけで立派な経験になります。
研修での経験も「研修で○○を身に着けようという目標を立てた」ということにしてしまえば良いのです。それに加えて、職種に合わせた経験を今からすることができれば、魅力的な職務経歴書を作成することができます。
質問6「職務経歴書にアルバイトの経験は入れる?」
入れない方が無難です。
正社員としての経験を、出来る限り書きましょう。
不安な場合は転職エージェントに相談しましょう。
第二新卒の書類選考・職務経歴書対策まとめ
第二新卒のための書類選考、職務経歴書対策は、面接に進むために避けては通れません。しかし、完璧な職務経歴書が一度できてしまえば複数の企業で使い回せます。
渾身の職務経歴書を書き上げて、添削してもらう。そして一番重要となる面接対策に時間を注いで、内定に一歩近づきましょう。
職務経歴書の対策と同時に、適性検査の対策も大切。時間がかかるので、毎日コツコツと積み上げていくことが、合格への近道です。詳しくは「【転職で必須?】第二新卒の適性検査対策まとめ | 落ちないためにすべきこと」にて解説しています