老後資金問題・FIRE・雇用の不安定などを受けて副業する人が増えてきています。
これまで、収入に不安がある場合は転職して収入を上げるというのが主な選択肢の一つでしたが、転職せずに副業を選択をする方も増えているようです。
そんな副業ブームを受けて、「実際に副業を行なっている人はどれくらいの収入があるのか」「本業として所属している会社から副業許可得ているのか」などの副業実態について、副業を行なっている300人を対象としてアンケート調査を行いました。
アンケート実施は、クラウドワークスという副業ワーカーが多く登録している仕事マッチングサービスのアンケート機能を用いて取得しています。
アンケート実施概要は以下のとおりです。
アンケート概要 | 項目 |
---|---|
アンケート実施目的 | 副業の実態情報を開示することで、副業を含めたキャリア形成・収入形成を支援する |
アンケート実施プラットフォーム | クラウドワークス |
アンケート実施対象者 | クラウドワークスに登録している副業を行なっているユーザー |
アンケート実施期間 | 2022年6月5日〜2022年6月6日 |
アンケート回答者の品質 | ・作業承認率95%以上の高品質作業ユーザのみ回答可能 ・クラウドワークス登録後初回作業ユーザは回答不可(報酬目的でIDを作成し虚偽の回答をする可能性を排除) |
アンケート回答者数 | 300人 |
300人の平均副業月収は「¥19,353」
副業を行う300人に副業月収を調査しました。
結果、300人の副業収入の平均は¥19,353となりました。
月に約2万円の副業収入は、年間換算すると24万円・さらに30年で換算すると720万円となります。
30年720万円だと副業だけで老後必要資金とされる2,000万円を貯蓄することは難しいですが、おおよそ1/3を賄う事ができます。
なお、月に2万円あれば、旅行に行く回数を増やしたり少し良い洋服を購入するなどQOL向上には十分期待できる金額と考えます。
300名の内10名が10万円以上稼いでいると回答しているため、方法によっては老後資金確保だけではなく生活レベルを変えることも可能でしょう。
副業を始めた理由1位は「収入を増やしたい」
- 収入を増やしたい:67%
- 本業以外の収入を確保したい:16.7%
- 好きなことで収入を得たい:5.3%
- 新しいことに挑戦したい:3.0%
- リモートワークが増えて時間的余裕ができた:3.0%
- 本業以外でスキルを身につけたい:2.0%
副業を始めた理由1位は「収入を増やしたい:69.7%」でした。
2位「本業以外の収入を確保したい:16.7%」3位「好きなことで収入を得たい:5.3%」となっており、収入に関する目的が上位を占めています。
1位〜3位の収入に関する目的で回答割合を合算すると、91.7%と9割以上を占める結果となっています。
一方で、「新しいことに挑戦したい:3.0%」「本業以外でスキルを身につけたい:2.0%」といった自己実現目的の回答割合を合算すると5%でした。
副業を行なっている人はほとんど収入が目的となっていることがわかります。
会社から副業を許可されていると回答した人は全体の7割
- 副業が認められている:62.0%
- こっそり副業している:29.3%
- 副業許可を得ている:8.7%
副業を実施している人の中で副業許可状況を調査した結果、1位は「会社として副業が認められている:62.0%」でした。
一方で2位は「副業NGと言われているがこっそり副業している:29.3%」と約3割いました。
3位は副業許可制の会社で「副業許可を得た上で副業を実施している:8.7%」でした。
クラウドワークスに登録している人を対象にしたアンケートであるため、副業を認められている人は9割くらいはいるのかなと予想していましたが、意外と3割の人が副業NGにも関わらずクラウドワークスに登録して副業をしている事がわかりました。
会社に副業がバレるリスクを抱えながらも、収入に対する不安が大きいため副業を行なっていることが伺えます。
1ヶ月の副業時間の40%は10時間以内
- 10時間以内:40.3%
- 11~30時間以内:35.0%
- 31~45時間以内:12.3%
- 46~60時間以内:7.7%
- 61~100時間以内:3.3%
- 100時間以上:1.3%
1ヶ月の副業時間は10時間以内の人が40.3%でした。
次いで11~30時間以内の人が35.0%と10時間以内と合わせて75.3%の人が大半を占めました。
仮に月の副業時間が20時間で2万円の収入を得ているのであれば、時給換算で1,000円になります。
タウンワーク調べによると東京都内のアルバイト・パートの平均時給が1,203円であったため、都内アルバイトよりは時給が低い試算となります。
ただし、副業自体は「自宅で可能」「シフトなど制限がない」「隙間時間で自分の都合でできる」など金銭以外のメリットがありますので、あまりに時給換算して収入が低くなりすぎないようであれば問題ないかなと考えます。
月にかける副業時間別の副業収入は掛ける時間に対して思ったほど収入は伸びない
副業時間に対する副業収入を整理しました。
副業に掛ける時間に対して副業収入は比例する結果となっています。
ただし、61時間以上からは稼ぐ効率が落ちているように見受けられます。
副業に費やした時間の分だけ副業収入が増えない可能性があることに注意が必要です。
副業経験年数別の副業収入は2年目以降で大きく伸びる
副業経験年数別の副業収入を算出しました。
結果、2年目以降だと副業収入は1万円から2万円台に大きく伸びていました。
一方で、2年目以降になると11年を超えるまでは伸び率はかなり鈍化する結果となっています。
副業はどちらかというと依頼された作業をこなしていくイメージがあり、最初はスキルは身につくものの一定のタイミングから頭打ちし、作業単価も変わらなくなっているのではと考えられます。
Webライターなど経験や実績が作業単価に反映されやすいものを選ぶと、経験年数に比例して副業収入も増えていくと考えられるため、中長期的な視点でどのような副業を選択するのかもポイントになると考えます。
副業後の本業への影響
副業後の本業への影響についても調査しています。
副業を始めた後、今まで通り変わらず業務できていると回答した人が258人と8割以上を占めました。
副業を始めた後に、やりたいことが実現できて本業が疎かになるケースがもっとあるのではと考えていましたが、11人と想定よりかなり少ない結果となっています。
副業を自己実現目的ではなく収入目的で淡々とやられている方多いためではないかと推測されます。
私の友人の中では、副業収入がかなり増えて会社に気を使わなくても生きていける自信がでたため、会社で言いたいことややりたいことを意志をもってやるようにしたらパフォーマンスが上がり、逆に会社からの評価が上がったような方もいました。
割合的には少ないですが、副業を始めた結果本業に好影響を与える場合もあるようです。
副業内容ではアンケートモニターとライティング・記事作成と回答した人が多かった
副業内容では、アンケートモニター140人とライティング・記事作成135人が圧倒的に多かったです。
複数回答としていたため、誰でも簡単に始められる且つ隙間時間で実施できるアンケートモニターの回答数が多いのは納得です。
事務系・簡単作業も空き時間(とは言っても1〜2時間は必要)で実施できるため、副業としている人が多いのではないかと考えます。
そのため、しっかりと考えながら記事を作成し、クライアントとやり取りをしながら進めるライティング・記事作成をメインの収入源としている人が一番多いのかなと考えています。
ライティングは未経験からでも始められるのがとても良いポイントですが、最初は1文字0.5円などとても文字単価が安いため、継続してスキルを身につけつつ文字単価を上げていく必要があります。
自分にあった副業を見つけて、人生設計やキャリア形成に活かしましょう。