
ハローワークで転職先を探していますか?
失業者がハローワークを利用することは、最も身近な転職活動の方法だといえます。失業保険の手続きや、職業訓練の申し込みもハローワークを通じておこないますよね。
ハローワークは、失業者にとっての「最初の扉」といっても良いでしょう。そんなハローワークですが、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
実際、ハローワークを利用してみないとその実態が見えてこない部分もあります。そこで今回は、ハローワークで転職先を探すメリットとデメリットを詳しく紹介していきます。
「ハローワークはブラック企業が多いから使わない」
という人も、転職者の中にはいらっしゃいます。それは本当のことなのでしょうか?その実態についても、私がハローワークを利用した経験をお伝えします。
そこで今回は、「ハローワークのメリット・デメリット」と「ハロワのブラック企業求人にだまされないで優良企業へ転職する方法」を紹介します。ぜひ参考にして、効率的な転職活動を実現してください。
妥協せずに、ブラック企業の求人を回避して、優良企業への転職を目指しましょう。

ハローワークで転職先を探す8つのメリット

ここでは、ハローワークで転職先を探すメリットをみていきましょう。
ハローワークで転職先を探すメリット1.公的な機関であること

ハローワークのメリットは、公的機関が行っているので安心感があるということです。
厚生労働省の指示で県が運営しているものなので、経営母体がしっかりしていること。ですから、企業はまずハローワークにと求人を出される所も多く、求人数はどの求職情報サイトより多いと思います。
また職員がいますので、求人票をみて疑問点などがあればハローワークの職員を通して聴いてくれます。例えば、企業が希望する勤務開始日をずらしてもらえないかなどの言いにくい希望を言ってもらえたりします。
ハローワークで転職先を探すメリット2.求人募集企業数が多い

ハローワークで転職先を探す大きなのメリットは、やはり「求人募集企業数が多い」事です。
業種や職種にこだわらなければ、一定数の仕事の情報が常に集まっています。ハローワークに行きさえすれば、なにかしらの仕事情報は得られる点がメリットでしょう。
他にも、相談員が常駐しているので、方向性を見失っている方などは、相談してみると良い提案を聞けたりもします。就職に役立つ、資格習得のための職業訓練校の案内や、失業保険などの各種手当の手続きの案内をしてもらえるのもメリットの1つでしょう。
ハローワークで転職先を探すメリット3.企業へ直接連絡をとってくれること

企業へ直接連絡をとってくれるため、そもそもミスマッチなところは最初から履歴書を送る無駄を省略することができます。
こちらから直接連絡をするのではなく、一度窓口担当者から応募先に連絡をしてもらえるため、Web上で自分で転職先に応募するよりも面接につながるケースが多い。自分次第では、スピード感をもって就職活動が完了します。
企業が年齢にこだわるかどうかなど、その場で電話確認してくれます。また、これまでにどのような人が応募したか等、傾向を教えてくれるのもメリットでしょう。
ハローワーク経由であれば企業も必ず合否の返事を送るため、まったく音沙汰がないということはありません。いつまでも返事が来なければ、ハローワークから企業へ催促もしてくれます。
ハローワークで転職先を探すメリット4.気分が少し晴れる

老若男女、様々な人が検索や相談に来ているので、「失業しているのは自分だけじゃない」と気分が少し晴れます。転職には絶対勢いが必要なので、気分がふさいでいてはそれだけで不利です。
少しでも気分を上げていくために、転職活動頑張っているのは自分だけじゃない、退職して転職活動をしている人はこんなにいるんだと目の当たりにすることはメリットになるでしょう。
ハローワークへ行くと転職活動をしている人がたくさんいるので、「こんなに失業仲間がいる」と、転職活動を頑張ることができます。
ハローワークで転職先を探すメリット5.相談に応じてくれる

無料で転職の相談に応じてもらえるのもメリットです。時間制限もありませんので、じっくり話を聴いてもらうことが出来ます。
相談員は公職ということもあり、利益優先で意見を押し付けてくるようなことはありません。こちらの意向に合わせて仕事先を見つけてくれたり、職業訓練の紹介などしてくれます。
職業訓練も無料のもので、内容も多岐にわたっているので、やる気になれば転職する際の武器になるスキルを身に着けることができます。
すぐに職に就かなくても大丈夫な場合は、職業訓練についても相談すると将来のことまで考えると働くうえでメリットになります。
ハローワークで転職先を探すメリット6.地元の求人が多い

ハローワーク内で転職先を探すメリットは、近場での就職情報が得られるところです。
近場に限定した求人情報では圧倒的に求人量が豊富。地元密着の求人は、ハローワークが強いでしょう。
窓口にいる担当者との相談ができるメリットもあります。他にも転職をサポートする上での職業訓練などを、無料で受けられることが多い事も魅力の一つです。
ハローワークで転職先を探すメリット7.好きな時に行くことができる

事前に連絡したりすることなく、いつでも好きな時に仕事を探しに行くことができるのがメリットです。
自分の住んでいる地域内に必ずあるので、誰でもおおむね30分以内で到着することができるでしょう。お金もない時ですから、電車賃やガソリン代も使わないで済むのはありがたいです。
ハローワークで転職先を探すメリット8.倍率を教えてくれる

応募したい仕事がみつかれば職員の方がその場で企業に電話をしてくれるので、企業への募集状況がすぐにわかる点もメリットにあげられますね。
自分が希望している就職先に応募している人が何人いるかとか、何歳の人が応募しているとか倍率をリアルタイムで教えてもらうことができます。自信がない場合、やはり気になるのが倍率です。
教えてもらえてホッとする場合と、「ああ、やめておこう」という場合とあるでしょう。どちらにしても、倍率を教えてもらうことは面接にいくかどうか決めるための判断になります。
最終面接に進んでいる方が多ければ、その企業は避けてほかの仕事に応募するなど、無駄な時間が発生しないので効率的に転職活動がすすめられます。受かるはずもない面接に行く時間と労力の無駄を、省くことができるからです。
ハローワークで転職先を探す9つのデメリット

ここでは、ハローワークで転職先を探すデメリットをみていきましょう。
ハローワークで転職先を探すデメリット1.職場の雰囲気がわからない

ハローワークで仕事を探すデメリットは、やはり職場の雰囲気がわからないことでしょう。今は色々な転職サイトで、職場の雰囲気などを載せてくれるサイトがあります。
しかし、ハローワークで出されている求人票は、雇用条件が記入できる紙一枚で味気ないものです。
企業としての味がわかるところは小さなコメント欄しかありません。ですので、職場の雰囲気は実際に働きだしてからでないとわからないのです。
転職サイトなどのWeb情報と比較するならば、ハローワークは画像情報が少ない(ほぼない)。閲覧用紙から職場情報をキャッチするしかなく、新たに情報を得るためにはホームページなどから閲覧する必要性があります。
ハローワークで転職先を探すデメリット2.ブラック企業も混じっている

「ハローワークの求人だから安心」ではありません。ハローワークは、どんな求職者も受け入れるように、どんな企業も受け入れます。
公共機関ゆえに、断ることができないのです。求職者、企業、どちらにとっても最後の砦になっています。
ですから、求人の中にはブラック企業が混じっていることもあるでしょう。ブラック企業は社員の出入りが激しいため、常に募集を行っています。そのため、色々な方がブラック企業に応募してしまいます。
ハローワークで転職先を探すデメリット3.担当者と相性が合わないことがある

窓口の方との相性も合わない時は、不愉快な言い方をされたりしたこともあります。
担当者によって言っていることが違うこともしばしば。担当の方によっては、転職活動のモチベーションが下がることも起こり得ることです。
ハローワークで転職先を探すデメリット4.募集要項が違う

ハローワーク経由の募集の場合、記載されている募集内容が必ずしも募集要項と同じではありません。条件が厳しいところが多いようです。
正社員募集などは、年齢が20代でなければ足きりされることもあります。
「トライアル求人」と言って、”年齢制限なし”と言いつつ、実際は20代前半しか採用しない企業も多かったですね。転職サイトと違って無料で求人を出せるため、応募者が気に入らなければ、何度も求人を出している企業が多いようです。
年齢でフィルタをかける企業の、なんと多いことか。「人手不足」などは、地方都市には全く関係のない話だと思いました。
また、ハローワークの検索は絞り込みにくいところが多いので、探すのに時間がかかります。
ハローワークで転職先を探すデメリット5.専門分野での仕事が見つかりずらい

デザイナーやエンジニアなど、専門分野での仕事が見つかりづらいというデメリットがあります。
専門職を探すなら、ハローワークよりもクリエイターやエンジニア専門の転職サイトを閲覧するほうが多くの仕事に出会えます。
まや、職員の方は転職のスペシャリストではないので、転職エージェントのように応募先についての細かな情報はもちろん就職について細かな指導や指示はしてくれません。
ですから、ハロワークだけを頼って就職活動をすると、就業がだいぶ遅くなってしまいます。
ハローワークで転職先を探すデメリット6.待ち時間が長い

待ち時間が長いのは、失業者にとってデメリットです。まず、検索のパソコンの席に座るためにも30分位待つのはざらです。
待っている間に焦燥感にみまわれて帰ってしまったこともありました。パソコンで検索して相談にたどりつくまでにも、また時間がかかります。
ただでさえ気持ちが焦っているわけですから、待ち時間が長いのは無意味に気分が落ちていくものです。また、ハローワークが近くにある場合は良いのですが、自宅から遠い場合はなんども足を運ぶことになり非効率になります。
開いている時間にも限りがあるので、計画的に利用をしないと時間ばかりが過ぎてしまうでしょう。
ハローワークで転職先を探すデメリット7.相談員が選べない

相談員が選べないこともデメリットです。斡旋窓口での担当者によっては、やる気のない人もいます。
親身に相談対応を受けられる時ばかりではなく、良くも悪くも運次第だという事です。転職活動中は、何度も何度もハローワークに足を運ぶことになります。
やっとのことで呼ばれたと思ったら、その呼んだ相談員が前回「この人、ちょっとな」と思った人だったら、勤務先の事を相談する以前に「もういいや」という気持ちになってしまうでしょう。
KY(空気を読めない)な人やマウンティングタイプの人とか、あり得ない相談員の人が残念ながらいるのです。くじ引きみたいなもので、相談員を選べない訳ですから、そこが大きなデメリットですね。
ハローワークで転職先を探すデメリット8.面倒である

ハローワークを利用することのデメリットは幾つかありますが、最大のデメリットは面倒であるということです。
ハローワークを通して求人に応募する場合、紹介状を発行してもらわなければならないことがあります。これに手間がかかるのです。
求人の閲覧はハローワークに行かなくても自宅でネットを使えば可能ですが、紹介状を貰うには直接出向かなければなりません。
わざわざ時間を作ってハローワークまで行かなければならないため、効率的であるとは言えないでしょう。
ハローワークで転職先を探すデメリット9.やる気を失う

ハローワークには失業者が集まっています。そのため、独特の「負のオーラ」があります。
ハローワークに来るという事で、職を探す必死感、またはリストラ後の悲壮感など様々な人の気に当てられ、やる気を失う可能性もあるでしょう。
また、人がたくさん集まる場所なので、季節の変わり目などは風邪などの病気がうつるのではないかと心配になりました。自分自身も含め、無職の人は昼夜逆転したりと不健康な人が多いですから。

効率的なハローワークの活用法とは?

ここからは、転職するときの、効率的なハローワークの活用法をみていきましょう。
効率的なハローワークの活用法1.めげずに履歴書を送る

窓口の人いわく、しょっちゅう通って履歴書を送っている人は、就職が決まる確率が高いそうです。何度落とされてもめげずに履歴書を送ることが、転職成功の秘訣でしょう。
ハローワークはやはり求人数は多いと思います。多すぎて探すのも実際苦労しますが、それだけ選べる求人が多いということです。
実際に申し込みする前に担当の方に雇用形態や、給与の面、休みの面などはしっかり確認してもらうようにしましょう。
また、ハローワークでは無料のキャリア相談も実施していますので、相談に行ってみるといいでしょう。
土曜も窓口を開けているところがあります。場合によっては職業訓練も紹介してもらえます。職業訓練でスキルを身に付けるのも、ひとつの方法です。
効率的なハローワークの活用法2.自宅で一度検索してからハローワークに行く

ハローワークの求人検索は、自宅のパソコンやスマホでもできます。なので、よりハローワークを活用するには、行く前に自宅で一度検索してからその情報を持ってハローワークのパソコンで検索した方がいいです。
自宅のパソコンでは詳しい勤務先の内容を見ることが出来ないので、ある程度情報を持って、詳しい情報をハローワークで調べるようにすると時間短縮になります。
ハローワークの情報を見てみたら「えっ、思ってたのと違う…」という場合があるので、両方で検索する方が絶対効率よく希望の勤務先に行きつくことは間違いありません。
ハローワーク内にも求人用のパソコンが置いてありますが、そこまで台数はないので順番待ちであることが多いです。
また、使用方法など独特のルールがあり面倒なので、自宅にパソコンがあるならば断然検索をしてからのほうが効率的になります。
効率的なハローワークの活用法3.「何となく」でハローワークに行かない

効率的にハローワークを利用するには、何となくハローワークに行くということをしないことです。
転職をしたいけれど、具体的にどこの企業がいいか分からない。「だから、取りあえずハローワークへ」というのはあまりよくありません。
上手くすればすぐに転職先を見つけられるかもしれませんが、時間がかかってしまうことも十分考えられるため非効率的です。そのため、しっかりと目的意識をもって利用するようにしましょう。
具体的には、事前にハローワークインターネットサービスを自宅で閲覧し、求人を見つけてからハローワークに行くということです。
また、職員に相談等をする場合は、話す内容をしっかりと決めてから足を運ぶようにしましょう。
ハローワークで良い求人が見つかるのか?

あなたは、ハローワークで良い求人が見つかりましたか?
ハローワークは、失業・退職したら誰もが使う公的機関です。失業したら、まずは失業手当申請のためにハローワークへ行きます。その流れで、ハローワークで求人を探している人も多いでしょう。
ハローワークの求人のメリットは、地域密着型の求人が多いところです。地元の中小企業が求人を出しているため、地元で働きたい人に向いています。なぜ地域密着の求人が多いのかと言うと、以下の職業安定法に基づいているためです。
職業安定法 第二節 職業紹介
(職業紹介の地域)第十七条 公共職業安定所は、求職者に対し、できる限り、就職の際にその住所又は居所の変更を必要としない職業を紹介するよう努めなければならない。
出展:厚生労働省「職業安定法」
基本的にハローワークでは、住所の変更が必要ない求人を紹介してくれます。なので、地元で就職がしたい人や、UターンIターンなど、特定地域で働きたい人向けの求人が豊富です。
しかし、実際にハローワークで求人を探してみるとわかるのですが、ハローワークで良い条件の求人を見つけるのは、至難の業です。探しても探しても、これだ!と思える求人はなかなか出てこないかもしれません。
まず、年間休日が少ない求人が多いです。年間休日120日は欲しいところですが、90日とかがざらにあります。それから、給料が安い求人も多い。一人暮らしでもギリギリでは?家族持ちだったら暮らしていけるの?と思える給料の安さです。
また、ハローワークの求人は、ほとんどが零細企業・中小企業の求人なので、福利厚生も整っていないところも多いですね。地元就職に強いとは言え、ハローワークで良い条件の求人は少ない印象です。
もしホワイト求人を見つけられたら非常にラッキーですが、そのためには運とタイミングが必要になるでしょう。そうなると、妥協して応募するしかないのですが、妥協すればブラック企業に就職してしまう可能性が飛躍的に高まります。
ブラック企業へ就職してしまったら、地獄の日々が待っています。ブラック企業への就職だけは、絶対避けたいところです。ではあなたはいったい、どうすればいいのでしょうか?
ハローワーク以外にも、転職サイト・転職エージェントを利用しよう

ハローワークでの仕事探しよりも、もっと良い転職活動の方法があるでしょうか?現在は転職サイトなども豊富に存在しており、中には様々なスカウトサービスを受けられるサイトも多いです。
個人のスキル、経験、資格等がある程度高ければそれらスカウトサービスを使用して良い会社会社からのお誘いを待つということも一つの手段です。
ハローワークでの求人は、自分から行動を起こさなければ何も起こらない求人。Webでの求人は自分自身の能力と活用法によっては、何もしないでも事が進んでいく求人になります。
1つの方法でしか転職活動をしていないと出会える企業数も減ってしまうので、複数の転職エージェントに登録し、転職サイト、ハローワークと併用して利用するのがおすすめです。
また、自分の興味のある会社がハローワークや転職サイトに求人を出していなくても、企業のホームページから応募できる場合もあるので、直接コンタクトもとったほうが良いでしょう。
知人等の紹介でも、仕事が見つかる可能性はあります。ハローワークを利用した場合、必ず面接を受けなければなりません。自分がどんな人物であるのか分からないからです。
それに対し紹介であれば、ある程度の情報は事前に伝わりますし、場合によっては面接がない、もしくは形式的に行うだけということも考えられるからです。
こちらの方法は少し難しいかもしれませんが、紹介してくれそうな人が身近にいれば一度相談してみるのがいいかもしれません。
ハローワークはブラック企業の求人ばかり?

ハローワークには「ブラック企業の求人が多い」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。本当にハローワークの求人は、ブラック企業ばかりなのでしょうか。
厚生労働省の集計によると、ハローワークの求人票に対する苦情が、9千件を超え、そのうち4割が「虚偽」だったということです。
【ハローワークの求人票、苦情9千件超 4割が「虚偽」】
厚労省の集計では、全国のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情は平成25年度、9千件超に上る。このうち約4割で賃金や休日取得などで求人票と実態が異なっており、ブラック企業が求人票を偽っているケースも含まれているとみられる。
集計は厚労省が24年度から実施。24年度の苦情は計7783件だったが、25年度は計9380件に増加した。このため厚労省は全国のハローワークを通じ、求職者と事業者の双方から聞き取りなどの確認調査を実施。初めて具体的な苦情の要因を分析した。
その結果、苦情のあった9380件のうち約41%にあたる3815件で、求人内容と実際の労働条件が異なっていた。大半が賃金や休日取得に関することで、「週休2日のはずが土曜日も働かされた」「資格手当の2万円が支払われない」などの例があった。
求人票では正社員を募集していたにも関わらず、実態は仕事がある日に日払いを支払うだけの「請負契約」だったという悪質なケースもみられた。
苦情を寄せた人が、厚労省による事業者側への聞き取り調査を拒否したケースは2532件(約27%)にで、実際は求人票が「虚偽」のケースはさらに多い可能性もある。
出典:産経ニュース/ハローワークの求人票、苦情9千件超 4割が「虚偽」
この報告をみると、ハローワークにはかなり悪質なブラック企業がはびこっているのが実状のようです。いざ入社してみると求人票に書かれていること全く違った・・・こんなことになっては、悲惨でしょう。
また、賃金に関しては、このような記事があります。ハローワークインターネットサービスで、最低賃金を下回る求人が掲載されていたということです。
【国サイト、最低賃金違反…7月以降66件】
国が運営する就職支援サイト「ハローワークインターネットサービス」で7月以降、時給が最低賃金を下回る求人情報が少なくとも66件掲載されていたことが、厚生労働省への取材で分かった。
ハローワークの職員が求人を受理した際、時給の確認が不十分だったためで、厚労省は「チェック体制が甘かった。雇用された人はいなかったが、あってはならないミスだ」としている。
(中略)
ハローワークを巡っては2012年にも、最低賃金を下回る求人を受理したとして総務省の勧告を受けている。今回の事態を受け、厚労省は全国の労働局に対し、ハローワークでの点検を徹底するよう求める通知を出した。今後、時給が最低賃金を下回っていないかを自動チェックするシステムの導入も検討するという。
厚労省職業安定局は「今後は一層、厳しくチェックするよう指導する」としている。
ハローワークの求人がブラック企業の温床となっているのは、このチェック体制の甘さも原因のひとつと考えられます。
※ハローワークインターネットサービスとは、全国のハローワークが受理した求人情報を閲覧できるサイトのことです。
では、ブラック企業は「ハローワークばかり」に集まっているのでしょうか?基本的に現代社会の企業は、ブラック企業と呼ばれることが多いと思います。
ある程度まともな会社だとしても、人がそこに数人から多数存在すれば、それぞれの意見、主義、主張は食い違ってくるはずです。役職、職務の違いが出てくるとさらに職場内ではお互いに不満が生じてきます。
雇い主はできる限り効率的に賃金分を働かせたいわけですし、雇用される側は賃金分以上に働く事を嫌います。
上記の見解を含めて「ブラック企業ばかり」かという事を考えるのであれば、それはハローワークの求人に限るところでは無く、どのような考え方をするかということが一番大きいと私は考えます。
よって、ブラック企業が含まれているというのは確かだと思いますが、ブラック企業ばかりとまでは言えないでしょう。
求人票に書かれている雇用条件と実際が大きく異なればブラック企業であると言えますが、こればかりは入社して働いてみないとブラック企業かどうかは判断できません。怪しいなと感じる求人はありますが、それだけでブラック企業だとは言えないと思います。
しかし、実際に入社してみると、掲載している内容が全く違うものであり、休日もほとんどないという中小企業も多いです。ブラック企業ばかりではないでしょうが、地方はその傾向が強いと思います。
お金のない企業は、求人をハローワークに掲載することで国から補助金をもらえる仕組みがあり、その金額がある程度まとまった物なので登録しているブラック企業は多いと思います。
原則としては、ブラックかどうかというより、資金力のない中小企業の登録が多いといった感じでしょうか。このように、ハローワークの求人には、確かにブラック企業が含まれています。もちろん、ブラック企業ばかりではなく、良い企業の求人も探せばあるはずです。
では何故、ブラック企業ばかりと感じる方が多いのでしょうか。それは、良い求人は数日、早いとその日のうちに応募が殺到してしまい、選考にかかる時間や作業を考えた企業が、募集を打ち切ってしまうためです。
運よくタイミングが合わないと、求人票を見ることすらできないのです。実際、私も何度もハローワークに通い、自分の応募した求人が、あっという間に掲載されなくなった場面がありました。
そして、何度も通っている中で、その日に出た求人に募集をして、とても良い企業と出会える事ができました。利用した感想としては、ブラック企業もあるが、ずっと募集しているため悪目立ちしているだけで、通っていれば見分けがつきます。
良い企業は、掲載時間が短いので目立ちませんが、ハローワークでも見つけることができます。一番良い転職活動の方法は、前述しましたが、「複数の転職チャンネルを使うこと」です。
- ハローワーク
- 転職サイト
- 転職エージェント
- 転職フェア
- 友人・知人の紹介
- 新聞広告
- 求人チラシ
など、使えるものはすべて使い、触れる求人の数を増やしましょう。その上で、求人を厳選していくのが賢明な方法になります。
ブラック企業求人を見分ける方法とは?

ハローワークにも、もしかしたら優良な中小企業の求人が眠っているかもしれません。しかし、ブラック企業も多いハローワーク求人の中からそれを探し出すのは、かなり困難です。
ですから、ハローワークは、失業保険と職業訓練の申請をしに行くところと割り切った方が良いかもしれません。
優良企業に転職したいなら、ハローワークの求人は使わない方が無難でしょう。なぜなら、ブラック企業に就職してしまう確率が高まってしまうからです。求人を探すなら、優良企業の「非公開求人」を持っている転職エージェントがおすすめです。
では、いったいブラック企業を避けるにはどうすれば良いでしょうか?いくつかブラック企業を見分けるための注意点があります。
まずは、一年中募集している求人に注意してください。「一年中募集しているなんて儲かっている会社なんだな」と思ってしまうかもしれませんが、実際は、離職率が高く人がすぐに辞めてしまう会社の可能性が高いです。
また、キャッチコピーが誇大広告のような求人も、避けたほうが良いでしょう。
<年収1千万以上可能!入社2年目で外車を買いました!>
こんな求人の裏にあるのは、「残業が多く、ノルマがきつい。休日出勤は当たり前。メンタルをやられて辞める人も多い」という現実かもしれません。
<未経験者でも大丈夫!たった3ヶ月でプロに育てます!>
このキャッチコピーの裏にあるのは、「経験者を雇うと高い給料を払わないといけないため、安く使える未経験者を採用してコキ使う」という魂胆かもしれません。
給料が安くてもいいから、未経験OKの職場で働きたいという求職者の希望を逆手に取った、ブラック企業の可能性があります。
転職サイトで求人を見つける際は、一度企業側の立場に立ってみるのが重要です。企業側の立場で考えてみて、あまり裏がなさそうな求人を選ぶのが転職のコツです。
もちろん、なかにはキャッチコピー通りのすばらしい会社もあるかもしれませんが、求人広告のキャッチコピーは、額面通り受け取らない方が良いことを覚えておきましょう。
ブラック企業を避けて優良企業に転職するには?

ブラック企業の求人を回避して優良企業に転職したいなら、一番良い方法は、転職エージェントを使うことです。
転職エージェントは優良企業の「非公開求人」を保有しています。これらの非公開求人に応募するには、転職エージェントを活用するしかありません。
私の友人は、ハローワークの求人で転職しましたが、「週休2日」と書いてあったのに、実際に入社してみると、土曜日出勤ありで求人票と全く違っていました。週に休みが2日あるのと、1日しかないのでは、疲労度が全然違いますよね。
ハローワークの求人で転職してから、その友人と連絡が取れなくなってしまったので心配しましたが、このまえ久々に会ったら、元気そうだったので安心しました。
友人は、ブラック企業に転職してしまったあと、すぐに転職エージェントを使って転職し、今は福利厚生の良い優良企業で働いています。「あのままブラック企業で働いていたらと思うとぞっとする」と友人は笑っていました。