「人手が足りないし、あなたが辞めると困る」などと言われたら辞めにくいですよね。
しかし、人手不足が理由であっても退職を認めないのは法律違反です。適切な手続きを踏んで退職を進めましょう。
本記事では、人手不足を理由に辞めさせてくれないときの対処法をご紹介します。
また、辞める前にすべきことや、辞めることを「申し訳ない」と感じたときに思い出してほしい考え方もあわせて解説します。
- 人手不足を原因に辞めさせないのは法律的に大丈夫?
- 人手不足が原因で仕事を辞めさせてくれないときの対処法
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人手不足を原因に辞めさせないのは法律的に大丈夫?
そもそも、人手不足を原因に辞めさせてくれないのは法律的にアウトです。厚生労働省による解説を見てみましょう。
あらかじめ契約期間が定められていないときは、労働者は少なくとも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば、法律上はいつでも辞めることができます
引用:知って役立つ労働法|厚生労働省
つまり、正社員など雇用契約の期間が定められていない社員の場合、法律上は2週間前までに退職の旨を伝えればいつでも辞められるのです。(※就業規則に退職の申出に関する規則があれば、それに従う必要があります)
また、労働基準法や憲法には以下のような定めもあります。
(強制労働の禁止)
引用:労働基準法|e-Gov法令検索
第五条 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
日本国憲法(昭和21年憲法)第22条第1項においては、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と規定されており、これは、職業選択の自由を保障しているものである。
引用:憲法22条に規定する職業選択の自由について|厚生労働省
上記の法律や解説から、労働基準法で強制労働が禁じられているほか、憲法でも職業選択の自由が保障されていることがわかります。
つまり、使用者(会社)が人手不足を理由に、労働者の意思に反して働かせることは労働基準法や憲法に違反する可能性があるのです。
年俸制や完全月給制で契約している人は、民法627条2項・3項が適用されるので覚えておきましょう。
年俸制・完全月給制の人は早めに退職の意思表明をしておく必要あり
完全月給制は、定められた期間ごとに雇用契約が更新される仕組みになっているので、上述した2週間後に退職することができない可能性があります。
なぜなら、民法627条2項によると当期の前半に退職の申し入れをすることが定められているからです。
期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
引用:厚生労働省
また、年俸制とは年間の給与をあらかじめ決めて支給される給与形態のことですが、民法627条3項には以下のように定められています。
6ヶ月以上の期間ごとに報酬が定められている場合は、退職の3ヶ月以上前に退職の意思表明を行う義務がある
引用:厚生労働省
なお、アルバイト・パート・契約社員など非正規雇用の場合は民法628条が適用されるので、ぜひ覚えておきましょう。
アルバイト・パート・契約社員など雇用期間に定めがある場合は注意!
アルバイト・パート・契約社員であっても人手不足で仕事を辞めさせてくれないこともあります。
雇用期間がある場合は上述したように、民法に則って退職するタイミングを決めれば問題なく辞めることは可能です。
とはいえ、中にはすぐにでも辞めたい!という人も多いのではないでしょうか。
その場合は、民法628条で定められているため「病気などのやむを得ない特別な事情」であれば、正社員と同様に契約を解除することができます。
第628条
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用:厚生労働省 大阪労働局
ただし、退職理由によっては損害賠償を請求されるといったトラブルに発展する可能性もゼロではないため、なるべく就業規則に則って退職を申し出るのが賢明です。
なぜ「人手不足」という理由で仕事を辞めさせてくれないのか?
法律的にもアウトなのに、人手不足で仕事を辞めさせてくれない会社が多いのはなぜでしょうか。主な理由を解説していきます。
本当に人手不足で困っている
人手不足を理由に辞めさせてくれない原因として考えられるのは、本当に人手不足で困っており、あなたが辞めると仕事が回らなくなるからです。
特に数人で仕事を回している小規模の企業では、1人退職者が出るだけで生産性が急激に落ち、業績に影響することもあります。
そのため「君が辞めると人手が足りなくて困る」などといって、退職を許してくれないのです。
ときには「辞めるなら代わりになる人を見つけてからにして」などと言ってくることもあります。
しかし、人材の採用に関しては企業側の仕事で退職者の仕事ではありません。このように言われても無視して大丈夫です。
引き止めるための口実にしている
人手不足を理由にして辞めさせてくれないのは、単にあなたを引き止めるための口実にすぎない可能性もあります。
本当は人手不足ではないのにもかかわらず「人手不足で今辞められると困るんだよね・・・」などと言い、あなたに罪悪感を感じさせることで引き止めようとしているのです。
特に、長年働いていた職場やお世話になった上司から上記のように言われると「お世話になったし、もう少し頑張るか」という気持ちになってしまいます。
詳しくは後述しますが、退職するときは「辞めること=悪」という考えは捨てるべきです。そうすれば、人手不足を引き合いに出されても退職の決意が揺らぐことはないでしょう。
新たに採用活動をするコストがかかる
企業が新たに人材を採用する際は、求人の掲載料や求職者への交通費の支給などさまざまなコストがかかります。
この採用にかかるコストを懸念して、人手不足を理由に辞めさせてくれない会社もあるでしょう。
また、慣れている人が辞めることでの生産性の低下や採用後の研修など、新たな採用にかかるコストは採用活動のときだけとは限りません。
特に、ギリギリの経営が続いている企業では、採用活動に関するコストを節約するために「人手不足」を理由に辞めさせてくれないことがあります。
人手不足で退職を拒否された!退職させてくれない時の対処法とは?
人手不足を理由に退職させてくれない会社は決して少なくありません。
すでに一度退職を申し出たけど拒否されてしまったり、同僚が退職に失敗した話を聞いて不安になっている人も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、人手不足を理由に退職させてくれない時の対処法についてご紹介していきます。
どちらの場合でも、まずは会社に口頭で申し出るのであれば意識すべき点を押さえておきましょう。
口頭で退職を申し出るなら優柔不断な態度や理由で伝えないことが重要
退職を言い出しづらいという気持ちが少しでもあると、つい優柔不断な態度をなってしまいますよね。
けれど、会社側に迷っている印象を与えてしまうと、「交渉すれば勤続してもらえるかもしれない」という隙を与えてしまうんです。
例えば、「今辞められると周りに迷惑がかかる」と説教されたり、「後任が育つまで待て」と言われ、ズルズル先延ばしにされてしまう事態になりかねません。
それを避けるためには、勤続する気持ちがないことを具体的な行動で示すことが効果的です。
具体的には、以下のような言葉と共に毅然とした態度で対応するのがポイントになります。
- 「すでに転職先が決まり、入社承諾書も提出した」
- 「詳細はお伝えできませんが、一身上の都合で対処したい」
このようにで伝えることで、会社側の受け取り方も変わるはずですよ。
なお、口頭で何度も交渉しているにも関わらず、何かしらの理由で不当に辞めさせてくれないのであれば書面で退職を申し出るのが得策です。
口頭ではなく書面で退職届を郵送して2週間後に退職する
人手不足を理由に辞めさせてもらえない場合は、退職届を提出すると良いでしょう。
なぜなら、書面によって退職の意思を伝えることで申告事実を残せるので、2週間を過ぎれば退職することができるからです。
口頭で伝えると、後で会社側から「言った、言わない」などのトラブルに発展する可能性もあります。
また退職届を提出する場合は、特定記録郵送で会社に郵送するようにするようにしてください。
というのも、普通郵便で送ってしまうと最悪の場合に会社から「退職届?知りません」と退職届の提出事実を認めてもらえないリスクがあるからです。
特定記録郵便で送ることで、後からネットで会社に届いたかどうかが分かるようなシステムになっているため、安心して手続きを進めることができます。
ちなみに、退職届と退職願はどちらを提出しても問題ありませんが、世間一般的には退職届の方が「退職の意思が堅い」という印象を与えることができます。
逆に言えば、退職願の場合は引き止めにあう可能性が高いということですね。
なお、会社の就業規則によっては「いつまでに退職を申し出ること」と予告期間が定められていることが多いため、事前に確認してから退職日を決めると良いでしょう。
退職届を提出して出社しないのも強硬手段としてアリ
退職届を送付しても2週間は辞められないため、その間は会社で肩身の狭い思いをするかもしれませんし、会社側からの対応に不安を感じることもあるでしょう。
そういった人は退職届を出して出社しない、という強硬手段に出る方法もあります。
繰り返しになりますが、法律上問題なければ会社側は不当に労働者を引き止めることができないので、退職を受け入れるしかありません。
ただ、この強硬手段を取ってしまうと同じ職場への復帰はほぼ不可能になりますよね。
そのため、今後関わり合いになりたくないという覚悟がある場合のみ検討してはいかがでしょうか。
また、懇意にしていた同僚とわだかまりを残したままの退職となる可能性が高いです。
出社しないという選択をする場合は、今後のことをしっかり考えて後悔しないようにしてくださいね。
レコーダーで録音をしながら退職の交渉をする
退職したいことを口頭だけで伝えると、「聞いていない」「そんな話は無かった」とはぐらかされてしまう恐れがあります。
このような事態を避けるためには、レコーダーで会話内容を録音しながら退職の話をするのも1つの方法。
その際はお互いに納得の上で録音するのが一番良いのですが、録音を拒否される可能性があります。
その場合は、小型の録音プレイヤーやスマホをポケットに入れて録音しても問題ありません。
その音声は後で退職の話がこじれた時に確実な証拠になります。
自分自身を守るためにも、大事な話の場面では常に録音する癖をつけておくのもおすすめですよ。
退職代行に依頼するのがいちばん楽で確実
退職の申出をしても人手不足を理由に辞めさせてくれない場合は、退職代行に依頼するのが最も穏便で早い方法でしょう。
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引用:退職代行TORIKESHI
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人手不足の中仕事を辞めるとき同僚や上司に申し訳ないと思ったとき考えるべきこと
ここまで「辞めることは決して悪いことではない」とお伝えしてきましたが、それでも申し訳なさを感じてしまう人もいるでしょう。
そんな方に向けて、仕事を辞めるときに考えるべきことを2つご紹介します。
申し訳なくて辛い思いをするのは在籍しているときだけ
ギリギリの人数で回していたり、現場の忙しさが身に染みて分かっていたりする今は、退職することに関して申し訳なさでいっぱいでしょう。
しかし、実際に退職して次の職場で働くようになれば、その申し訳なさは次第に消えていきます。
何度も申し上げているように、人手不足に陥っている原因は企業側にあり、あなたは決して悪くありません。いざ会社を離れてみると、その会社の人材管理能力の低さが分かるはずです。
今感じている申し訳なさは「今だけ」なのだということを頭に入れておきましょう。
自分が辞めることはまったく悪いことではない
人手不足のなか退職すると言うと、上司や同僚から「こんなに忙しいのに悪いと思わないの?」と言われることもあるでしょう。
しかし、断言します。あなたが会社を辞めることはまったくもって悪いことではありません。
冒頭でもご紹介したとおり、憲法によって「職業選択の自由」が保障されています。あなたがどんな仕事をしようと、仕事を辞めようと自由です。
周りの意見に左右されて、辞めたい気持ちを我慢しないようにしましょう。
人手不足で辞めさせてくれないときに絶対にやめた方がいい行為
人手不足で辞めさせてくれないときに避けるべき行為をご紹介します。
バックレ・飛ぶのは基本的にNG
無断で会社を辞める行為である「バックレ」や「飛ぶ」といったことは基本的にすべきではありません。
なぜなら、バックレや飛ぶといった行為は下記のような危険性があるからです。
- 何度も連絡が来る(家に来る可能性もある)
- 家族に連絡がいく
- 転職に悪影響を及ぼす可能性がある
- 「懲戒解雇」になる可能性がある
- 退職の手続きが遅れて転職が進まない
特に「懲戒解雇」になった場合、経歴としてずっと残るため転職に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、会社によっては退職金が減額されたり支給されなかったりすることも考えられます。
バックレる危険性に関しては「仕事を辞めさせてくれないときに飛ぶ・バックレるのはあり?会社を辞めさせてくれないときの対処法を解説」で詳しく解説しています。しっかりと確認しておきましょう。
そのまま同じ職場に長く居続けるのはNG
人手不足だからといって辞めさせてもらえない場合、会社の意思を飲んで長く居続けるのはやめましょう。
つまり、一度辞めることを伝えたら、引き止められても辞めた方がいいということです。
そのまま同じ職場に居続けても、あなたが辞めたいと思った原因は解消しませんし、会社から「また辞めると言い出す可能性がある社員」と思われます。
そうなれば出世もしにくくなるため、会社に残るメリットはありません。
人手不足が原因で仕事を辞めさせてくれないときの対処法まとめ
人手不足が原因で仕事を辞めさせてくれないときの対処法をご紹介しました。
何度も申し上げているように、人手不足だからといって辞められないということはありません。
退職代行TORIKESHIなどの退職代行サービスを利用して、いち早く辞めましょう。
ただし、現職を辞める前には次の仕事を決めておくことも大切です。転職エージェントを利用して現職中から効率よく転職活動を進めておきましょう。
労働問題を解決する情報については、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:労働問題に関する記事一覧|法律相談ナビ