「転職」は、人生の岐路となるものです。転職の前と後では、まったく人生が異なることすらあります。転職で人生が大きく好転する人もいます。
ただ転職は、何回もしすぎることでマイナスに働くこともあります。ここでは「医師の転職」をテーマに、「転職を繰り返すことでどのような印象を抱かれるようになるのか」「医師が転職を繰り返す理由と、それを防ぐ方法」「おすすめの転職エージェント」などを紹介していきます。
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医師の平均転職回数や年齢、平均勤続年数は?
まずは、医師の転職事情の実際について見ていきましょう。
ここで取り上げるのは下記の3つです。
- 平均転職回数
- 年齢
- 平均勤続年数
転職を3回、4回と繰り返す医者も多い
リクルートドクターズキャリアが転職経験のある医師に、その回数を聞いたアンケートの統計結果があります。
2回以上の転職が過半数以上を占めていて、これが54%を占めています。医師のなかには新しい職場を求めて転職する人は決して少なくないことがわかります。転職回数経験のある医師のうち、3人〜4人の1人は3回以上の転職経験があります。
詳しい数字を見ていきましょう。
転職経験者の転職経験数は「1回」が最多ですが、次に多いのが「2回」の26%で、続いて「4回以上」の18%、4位に「3回」の10%が入っています。
ただ、これはあくまで「転職経験のある医師」に聞いたものです。「転職した経験がない医師」の統計はここには入っていません。そのため、「医師の転職回数の平均」を見ようとすれば、転職回数はもっと少なくなるでしょう
【出典】
リクルートドクターズキャリア「基礎知識と転職者の実態を押さえて 「後悔しない転職」の鉄則7」
若い世代の転職が目立つ!30代までに転職をする人の割合が約6割
リクルートドクターズキャリアの医師向けのアンケートでは、「初めて転職した年齢は何歳?」という質問も設けています。
この結果は、以下の通りです。
- 30~34歳……26.0%
- 35~39歳……21.0%
- 25~39歳……13.3%
- 40~44歳……17.8%
- 45~49歳……8.0%
「初めて転職した年齢」は、30代が最多です。そしてそれ以降は、年齢が高くなるにつれて、パーセンテージが低下していっています。
医師はその職業の特性上、時間をかけてさまざまな勉強を積んでいく必要があります。そのため、新天地を目指すのであれば、早い段階で転職した方がよいといえます。
ただ、専門医の認定を受けられるのは最短で29歳です。専門医の認定を受けているかどうかで転職のしやすさは変わってくるため、「専門医を取得した、しかしまだ若手と呼ばれる30代」に転職に踏み切る人が多いのでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、実は60歳以降の転職経験はわずか2.2%にすぎません。このことから、「第一のキャリア(現役)を退いたのちに、第二のキャリアを作るために転職する人」は、かなり少ないということが分かります。
【出典】
リクルートドクターズキャリア「基礎知識と転職者の実態を押さえて 「後悔しない転職」の鉄則7」
平均勤続年数
厚生労働省では、「医師の平均勤続年数」のデータを出しています。これを見ることで、「調査対象となった病院の医師は、どれくらいの期間その病院に勤めているか」が分かります。
これによれば、一般的な医師の場合は、「医師としての経験平均年数は14.4年であり、そのうちの5.5年(平均)を一つの病院で過ごしている」ということでした。医師責任者の場合は、「医師としての経験平均年数は26.1年であり、そのうちの11.4年(平均)を一つの病院で過ごしている」とされています。
ちなみに勤続年数の最小値は医師責任者・一般的な医師ともに1.0年ですが、医師責任者で一番長い人は実に70.7年を、一般的な医師でも47.5年を一つの職場で過ごしています。
このことから、「一般の医師でも5〜6年程度は一つの病院に留まることが多く、責任者の場合はその期間がさらに長くなる」といえます。
このデータは、「転職をした経験のある医師のうちの26%が、べ30歳代で初めて転職を経験した」というデータとも一致します。26歳で医師免許を取得→初めての職場で6年勤めて、32歳で転職 といったライフプランが想定されます。
「一つの職場に入ったら○年以上は絶対に勤め続けなければならない」とまではいえませんが、この「5年〜6年」という数字は、医師の転職を考えるうえでの重要なキーワードとなります。
【出典】
厚生労働省「病院勤務医の負担軽減の実態調査報告書」p85
転職を繰り返す医師の印象は良くないのか
転職を考えている人が気にするのが、「転職を繰り返すと、印象が悪くなるのではないか」という点です。データを用いつつ、この疑問に答えていきます。
「即NG」というわけではないが、在職期間が短すぎると良くない印象になる
厚生労働省が調査対象となった病院に聞いたデータでは、在職期間の平均は「5.5年」ということでした。
この数字を長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、医師が1つの施設で働く期間の目安とはなるでしょう。これ以下の在職期間で転職した場合、「在職期間が短いな」と捉えられる可能性は比較的高いといえます。
また、特に、1年程度で転職を繰り返しているようであれば、不信感を抱かれやすくなります。医師の仕事は患者さんと関わり病気を診ていく仕事であるのに、短すぎる期間で職を移っていると「責任感がない」と判断される可能性があります。
【出典】
厚生労働省「病院勤務医の負担軽減の実態調査報告書」p85
多すぎる転職回数はマイナスの印象になる
エムスリーキャリアエージェントが、医局に所属している500人を対象としてとったアンケートがあります。そのアンケートの設問の1つに、「転職回数が多い医師をどう思うか」というものがありました。
結果、ちょうど半分の医師が「良い印象はない」と答えていました。「特にイメージはない」は47%で「良い印象はない」と拮抗していますが、「好印象である」と答えた層はわずか3%しかいません。
つまり、転職回数の多い医師は、「良い印象を持たれることはほぼなく、悪い印象を持たれるか、無関心であるかのどちらかである」といえます。
転職回数の多さがプラスに働くことはほぼなく、マイナスもしくは±0の印象しか持たれないわけです。もちろん今の職場環境が悪ければ転職を検討するのがよいでしょう。
しかし転職に踏み切るときは、次に入る職場は長く勤め続けられることを目的とするのが望ましいといえます。
【出典】
m3.com「5割の医師、転職多いと「良い印象ない」◆Vol.13」
無計画な転職であることが履歴書から察せられる状態だと厳しい
転職には、前向きな転職と後ろ向きな転職、そして計画性のある転職と無計画な転職があります。
たとえば、「前の病院の人間関係がイヤでとにかく辞めたくて、まったく畑違いの病院に飛び込んだ」という場合と、「ダブルボードの取得(2つ以上の分野で専門医認定を受けること)を学生時代から目指していた。
1つめの病院でアレルギー分野の専門医認定を受けたので、次に循環器の専門医認定を受けるべく循環器のある病院に移った」という場合では受ける印象がまったく異なります。
また、「スキルアップを目指して、最新の機械を導入しているところに移った」「家族ができたので、私生活とのバランスをとりやすいところに移った」などの場合も、計画性のある転職であると判断してもらえるでしょう。
履歴書や面談において、「なぜ転職をしたか(転職しようと思ったか)」を明朗に述べられる職歴にすることが、転職活動を有利に進めるうえで非常に大切です。
医師が転職を繰り返す理由
医師はほかの職業に比べて、転職を考える人が多い仕事だと言われています。
その理由として、下記の4つが挙げられます。
- 激務であること
- 精神的なストレスが溜まりやすい仕事であること
- 給与面での不満を抱きやすい仕事であること
- 医局の人事体制に影響されやすいこと
その詳細をひとつずつ見ていきましょう。
激務で、プライベートの時間が確保しにくい
病気やけがの治療にあたる医師は、急な呼び出しや残業が求められることが多い職業だといえます。科によって違いはありますが、医師一人当たりの週の労働時間が80時間を超えることが常態化している科すらもあります。
また、患者さんへの対応に加えて、自分自身の研究を行わなければならなかったり、夜勤で泊まり込みをしなければならなかったりする場合も多く、「自由に使える時間」が非常に少ない常態にある医師も多く見られます。
独身で、かつ体力にも余裕がある若い世代でもこのような過重労働は問題になりますが、家庭を抱えている人の場合はさらに状況は深刻です。
このような激務を理由として、「プライベートの時間が確保できない」「家族と交流する時間が取れない」ということで、転職を志す医師は決して少なくありません。
実際に、医師に転職理由を聞いた統計ではいずれも、必ずこの「激務であること」が票を獲得しています。
精神的なストレスが溜まりやすい仕事である
医師は、「病気」だけでなく「人」に向き合う仕事だといえます。一部の例外的な働き方を除き、医師は常に健康上の不安を抱える人と話をしていくことになります。
不安のなかにある人は非常に神経質で傷つきやすい状態にあるため、医師に心ない言葉をぶつけてくることもあります。患者さんの周囲の人と医師の間で治療の方向性に齟齬がみられ、その話し合いで精神が摩耗する人もいます。
また、上司や同僚、病院(クリニック)のスタッフとの やりとりで疲弊していく人もいます。このような精神的な疲弊から逃れるために独立しても、今度は経営上の不安で頭を悩ませることになるケースも少なくありません。
さらにここに「激務」が加わると、精神にかかる負担はさらに重くなります。
医師は非常に精神的なストレスを抱えやすい職業であり、うつ病を患う人も多く見られます。人間関係のストレスからそれをリセットするためにほかの職場に移ったり、医師という職業自体を辞めたりする人もいます。
現在の給与に不満がある
医師の給料は、日本全体の平均給与に比べれば決して低くありません。医師の給料はおおむね、日本の平均給与の2.0倍~3.0倍程度であり、非常に高い水準にあるといえます。
このような単純な数字だけを見れば、医師が「給与の不満を抱いていることを理由として転職すること」は違和感を覚えるかもしれません。
しかし医師の仕事は、ほかの仕事に比べて激務であり、精神的な負担が非常に重いものです。緊急対応が求められることも多く、なかなか体と心を休められないこともあります。
このようなことから、「現在の仕事量・仕事の性質を考えると、むしろ給料が安い」と感じて転職を志す人もいます。
なお、年収の不満を理由に転職活動をする場合は、特に転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントでは、「年収1,800万円以上」などの条件で検索できることが多いからです。
医局の人事体制に影響されやすい
厚生労働省がとったデータでは、「臨床研修終了後に入局を予定していると答えた人と割合は75%程度であり、特に大学病院では約90%の人が入局を予定している」ということでした。
医局に所属することで、下記のようなメリットが得られます。
- 専門医の認定を受けるための道筋が点けやすくなる
- 人との交流関係が深まる
- 労働環境が安定する
- さまざまな症例に触れられる
これらは、医局に所属することの非常に大きな利点です。
しかし医局に所属していると、上層部の考え方や医局の人事体制の方針に自分のライフスタイル・ライフプランが左右されやすくなります。場合によっては人間関係であつれきが生まれたり、希望していない場所に転勤を命じられたりします。
このような医局のデメリットに疲れた人は、民間のクリニックへの転職を考えるようになります。
【出典】
厚生労働省「平成28年臨床研修修了者アンケート調査結果概要」
医師が転職を繰り返さないためにすべきこと3つ
何度も転職を繰り返していると、転職活動が難航しやすくなります。そのため、
転職を繰り返さないためにすべきポイントを押さえておく必要があります。
転職・就職先の情報をよく把握しておく
転職をする場合には、まずは転職予定先(転職希望先)の情報をよく把握しておく必要があります。残業はあるのかないのか、オンコール対応の必要性、年収や休日についてしっかり確認しておきましょう。
これらの情報は、各病院(クリニック)が出している求人情報に記載されています。ただ、求人情報だけではその職場の詳しい雰囲気は伝わってきません。また、各病院(クリニック)側の求人情報には載せられていないけれど知っておきたいことがある、という場合もあるでしょう。
そのようなときは、転職エージェントに詳細を聞くようにしてください。転職エージェントは自エージェントで扱っている各病院(クリニック)の院内の雰囲気を把握していることが多いからです。
また、不明点については、転職エージェントのスタッフが医師に変わって問い合わせをしてくれます。
それぞれの科の違いを認識しておく
同じ医師という職業・同じ病院(クリニック)であっても、働き方や労働環境は科によって異なります。たとえば救急科は労働時間が長くなる傾向にありますが、精神科は比較的労働時間が短いなどのような違いがあります。
このため、転職にあたっては、「自分の科の特性」「新しく転職しようとしている病院(クリニック)において、その科はどのように扱われているか」を事前に調べておきましょう。
なお、「今の科ではプライベートの時間が取れなくて苦しい」「大変さの割には年収が低い。そして今後、転職をしても、大変さと年収が釣り合わないのではないかと危惧している」という場合には、転科も選択肢にいれるべきでしょう。
たとえば美容医療分野などは、時間外労働が発生しにくく、年収も高いといわれています。転科することでキャリアが中断するなどのデメリットはありますが、場合によっては状況が大きく改善することもあります。
「自分はどんな条件を優先するか」をはっきりさせておく
転職においてもっとも重要なことのうちの一つとして、「自分は何を重要視しているかを明らかにする」というものがあります。
- 年収アップを優先したい(○○円以上の年収を確保したい)
- 土日祝日はしっかり休みたい
- 残業なしの職場で働きたい
- 最先端の機器を扱えるところに就職したい
- 家や駅から近い病院(クリニック)に通いたい
など、「自分にとっての最優先事項」を言語化するのです。
転職にあたってもっとも優先すべき事柄を洗い出せたら、まずはその条件でソートをかけます。そののち、ほかの要素を考慮して転職候補先を選んでいけば、転職を成功させやすくなります。
なお、「自分が何を優先するべきかも分からない」という場合は、転職エージェントに相談しましょう。医師向けの転職エージェントのアドバイザーは、医師一人ひとりの希望とキャリアを聞き、その人の潜在的な希望を洗い出す手助けをしてくれます
転職を繰り返したくない医師におすすめの転職サイト・エージェント
医師向けの転職サイト・転職エージェントは、医師の転職活動を強力にサポートしてくれる存在です。彼らの助けを適切に借りることができれば、転職を繰り返すような事態にもなりにくいでしょう。
数多くある医師向けの転職エージェントのなかから、ここでは下記の3つを取り上げます。
- エムスリーキャリアエージェント
- 医師転職ドットコム
- リクルートドクターズキャリア
それぞれの特徴について解説していきます。
エムスリーキャリア
エージェント名 | エムスリーキャリアエージェント |
求人数 | 公開求人:45,489件 非公開求人:- (2024年11月14日現在) 今の求人数:公式HP参照 |
対応雇用形態 | 常勤・非常勤 |
対応診療科目 | 内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など |
対応エリア | 全国 |
拠点 | 東京都港区虎ノ門4-1-28虎ノ門タワーズオフィス |
公式HP | https://agent.m3.com/ |
32万人もの医師会員を抱える「エムスリーキャリアエージェント」は、関東圏に非常に強い医師向け転職エージェントです。
関東圏の病院(クリニック)のうちの4割もの求人をエムスリーキャリアエージェントが抱えていると言われていて、都心部での転職・就職を考えている人にとっては使い勝手の良い転職サイトだといえます。
また、エムスリーキャリアエージェントでは製薬会社や企業(産業医)として働く道も提示しています。「患者さんとのやり取りに疲れた」という人は、エムスリーキャリアエージェントでこのような道を探してみてもよいでしょう。
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医師転職ドットコム
エージェント名 | 医師転職ドットコム |
求人数 | 常勤医師求人:28,771件 非常勤医師求人:23,000件以上 非公開求人:20,000件以上 (2024年11月14日現在) 今の求人数:公式HP参照 |
対応雇用形態 | 常勤・非常勤 |
対応診療科目 | 内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など |
対応エリア | 全国 |
拠点 | 北海道札幌市中央区北1条西5丁目2番地興銀ビル9F(本社) |
公式HP | https://www.dr-10.com/ |
医師向けの転職サイトのなかでも、突出して求人数が多いのが「医師転職ドットコム」です。ほかの転職サイトの倍近くもの求人を取り扱っているので、「豊富な求人のなかから、自分に合う職場を選びたい」と考えている人に向いています。
なお医師転職ドットコムは、東京に拠点を置くほかの転職エージェントとは異なり、北海道に拠点を置いています。しかし首都圏での求人数が少ないかというとそうではなく、「東京都・常勤医師」の条件で検索した場合も、4,000件程度の求人数がヒットします。
\会員限定の非公開求人多数!/
リクルートドクターズキャリア
エージェント名 | リクルートドクターズキャリア |
求人数 | 公開求人:17,332件 非公開求人:10,000件以上 (2024年11月14日現在) 今の求人数:公式HP参照 |
対応雇用形態 | 常勤・非常勤・スポット |
対応診療科目 | 美容外科や美容皮膚科、内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など |
対応エリア | 全国 |
拠点 | 東京都千代田区九段北1丁目14-6 九段坂上KSビル |
公式HP | https://www.recruit-dc.co.jp/ |
大手の転職・就職エージェントである「リクルート」が提供している医師向け転職サイト、それが「リクルートドクターズキャリア」です。
「リクルート」自体は60年近い歴史を持っていますが、「リクルートドクターズキャリア」もまた40年以上にも渡って運営されている老舗の医師向け転職エージェントです。
経験が豊富なキャリアアドバイザーによる丁寧な面談が特徴で、「転職はしたいが、転職先の希望を洗い出すことが難しい」という医師の悩みに丁寧に寄り添います。
また、登録後は、病院(クリニック)の具体的な業務内容や医師の体制、募集背景、さらには学会に参加する際の補助の有無などの詳細をきちんと教えてくれます。
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転職を繰り返した理由を伝えるときのポイント
転職回数が多すぎるとマイナスの印象を抱かれてしまうため、転職を頻繁かつ短期間に繰り返すことは避けるべきです。また、転職回数が著しく多い(また在職期間が短い)場合は、面談でその理由が聞かれることも多いといえます。
ただその場合でも、答え方を工夫することで、マイナス印象をフォローできる可能性があります。
転職回数が多いポジティブな理由を用意するもしくはやむを得ない理由を説明する
「キャリアアップのために転職した」「専門医認定を受けるために、より指導体制が充実した病院に移った」「数多くの症例に触れたかったので、症例数の多い病院に転職した」などのようなポジティブな理由による転職は、比較的好印象を持って受け入れられます。
また、「新型コロナウイルス(COVID-19)禍のなかでオンライン診療に興味が出たので、オンライン診療を取り扱っている病院に移った」「へき地医療に携わりたくて、前の職場を移った」などのように、新しい技術の普及や医療問題解消のための転職理由は、プラスの印象を与えやすいといえます。
「子どもが生まれた」「要介護者を抱えている」などのやむを得ない理由も、転職回数が多い理由として受け入れられやすいものだといえます。
もちろんうそはいけませんが、面接や履歴書では、可能な限り、ポジティブあるいはやむを得ないと周りが納得するであろう転職の理由を伝えるようにしましょう。
次は長く続けられる根拠を話す
病院(クリニック)にとってもっとも恐いのは、「せっかく採用したのにすぐに辞めた」「時間と人手を割いて育てたのに、育てあがったときに転職された」という状況になることです。この不安は、転職回数が多い・在職期間が短い人に対してはより大きくなります。
そのため、面接においては、病院(クリニック)側の不安を払拭するようなアプローチを行うことが重要です。
例1:今までは非常勤だったりアルバイトだったりしたが、今後は正社員待遇で医師を続けたい場合
「子育てのために仕事をセーブしていたが、子どもが独り立ちしたので今後はフルタイムで働ける」
例2:過疎地での医療を考えていたが、専門医の認定は受けたかった
「専門医認定のために勉強しやすい大手病院に移った。専門医認定を受けたので、今後はこちらの病院で長く続けられる」
このような言い回しをすれば、転職予定先にも受け入れられやすくなります。
何のための転職かを説明できるようにしておく
転職回数が多かったり、在職期間が短かったりした場合は、その理由をポジティブに説明できるようにしておくのが鉄則です。それに加えて、「今回の転職は何を理由としているか」についても説明できるようにしておきましょう。
「キャリアアップを目指して」「新しい科に興味が出てきて(転科の場合)」などが定番の理由となるでしょう。
- 人間関係のトラブル
- 年収アップ
- プライベートの充実
上記を理由とする場合は、上手い言い回しを考えておく必要があります。年収アップやプライベートの充実を理由としたものは「自分のことしか考えていない」と思われがちです。
また、特に人間関係のトラブルによる転職は、上手く説明できないと「身勝手な人」「この人にも責任があったのでは」と捉えられかねません。
これらの理由による転職希望の場合は、できるだけ客観的かつ冷静に説明するようにしましょう。
転職を繰り返さないためには長く続けられる病院を見つけよう
医師の有効求人倍率は常に1.0倍を超えているため、売り手市場の業界だといえます。しかしあまりにも高頻度かつ在職期間が短い状況で転職を繰り返していると、転職希望先の病院(クリニック)に悪印象を与える可能性があります。
転職回数をこれ以上増やさないようにするためには、事前に天初期希望先や科の情報を収集し、自分の希望を明確にすることが重要です。
なお転職回数が多い場合でも、言い回しや書き方を工夫することで、悪印象を最低限に押さえることができます。
エムスリーキャリアエージェントを始めとする転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すれば、このあたりのアプローチ方法についての助言をもらうことができます。
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