「退職代行は公務員でも使えるのかな?トラブルを回避するためにはどうしたらいい?」
一般的に公務員が退職代行を使うのは難しいと言われています。
なぜなら、公務員には労働基準法が適用されず、退職代行サービスなどの第3者による退職が原則不可能となっているからです。
とはいえ、退職代行業者によっては公務員の方を退職させることに成功した実績があるところも存在すのでご安心ください。
そこで重要になるのが、民間企業との違いを知ることや退職代行業者選びがポイントになります。
そういうわけで今回の記事では、退職代行は公務員でも使えるのか?という疑問に回答していきます。
さらに、退職代行利用時のトラブル回避法についても触れていきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
・公務員の場合は退職代行を使うのが難しい。
・自衛隊の方は『退職を申し出ても状況に応じて承認しなくても良い』という法律がある。
・公務員の退職実績のある業者は、以下の『弁護士が監修している』ところがおすすめ。
- フォーゲル綜合法律事務所
- 弁護士法人みやび
- 弁護士法人川越みずほ法律会計
一般的な退職代行では公務員は利用できない!民間企業との違いを知ることが重要
公務員でも退職代行を使うことは可能ですが、一般的な退職代行サービスでは公務員の方の利用をお断りするケースがほとんどです。
なぜなら、地方公務員法や国家公務員法により、第3者による退職が原則不可能だからです。
教員や市役所勤務などの地方公務員、一部の警察官や自衛隊などの国家公務員でも変わりません。
そのため、公務員でも利用できる退職代行サービスを探すのであれば、まずは民間企業との違いについて正しく知ることが重要になります。
- 民間企業と公務員では退職規定が異なる
- 公務員の退職には許可と辞令交付が必要
- 自衛隊には一部の上官に退職を承認しない権利がある
- 公務員は労働組合を結成することができない
上記のポイントについて、それぞれ詳しくみていきましょう!
民間企業と公務員では退職規定が違う!辞めるためには許可が必要
公務員が退職代行を使うのが難しいとされる理由のひとつは、民間企業と退職規定が異なるからです。
民間企業であれば民法627条により『退職の意思を示した日から2週間が経てば辞めることができる』とされています。
第627条
- 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
※引用:厚生労働省
一方、公務員の退職は国家公務員法・地方公務員法などの規定に従わなければなりません。
これにより、公務員が退職するには任命権者による同意と手続きが必要になるため、退職代行の介入が難しいのです。
公務員が退職するには交付式に出席して辞令の交付を受ける必要がある
公務員が退職するには、さらに「辞令交付」を受け取る必要があり、辞令の交付を受けるには「交付式」に参加しなければなりません。
このように、民間の退職と比べてもその大変さがわかるのではないでしょうか。
そのため、退職代行を使えたとしても即日退職は難しいと思ったほうがいいでしょう。
ただし、辞令交付式に出席したくない場合は、その旨も退職代行業者に伝えることで交渉してもらうことができます。
欠席しても辞令は郵送で送ってもらうか、職場に取りに行けば受け取れるので覚えておきましょう。
自衛隊には一部上官に退職を承認しない権利があるため
公務員の中でも自衛隊はとくに退職代行を使っても辞めるのが難しいと思ってください。
なぜなら、自衛隊法第40条により『退職を申し出ても状況に応じて承認しなくても良い』と定められているからです。
(退職の承認)第四十条 第三十一条第一項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。引用:法令検索
そのため、退職を申し出ても断られる可能性があるんですね。
それでも『特別な事由がある場合を除いて』と定められているので、それに該当する理由があれば問題なく辞めることができます。
言い換えると、退職を承認することが「自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるとき」は、退職を承認しないことができるとされているということです。
しかし、一般の隊員の退職によって「自衛隊の任務の遂行に著しい支障」が生じることはないと考えられます。
実際、弁護士が介入すると手のひらを返したように退職が認められる事例が多いんですよね。
そのため、自衛隊の方が退職代行を利用する場合は、特別な事由に当てはまることを交渉できる弁護士監修の退職代行業者を選ぶと良いでしょう!
労働組合型の退職代行業者も利用不可!公務員は労働組合を結成できないから
公務員は民間の退職代行サービスを使えないだけでなく、労働組合型の業者も利用ができません。
なぜなら、公務員はそもそも労働組合を結成することができないからです。
国家公務員(国家公務員法第98条第2項)、地方公務員(地方公務員法第37条第1項)、国営企 業の職員(特定独立行政法人等の労働関係に関する法律第17条)及び地方公営企業の職員(地方公 営企業労働関係法第11条)については、争議行為を行うことが禁止されています。
詳しくは後述していきますが、公務員の方が退職代行サービスを利用するなら「弁護士」が監修している業者を選ぶのが良いでしょう。
もちろん、弁護士と言えど退職の際には交渉が行われますが、退職はほぼ確実に決まります。
というのも、どの職場であっても退職の申し入れがあった場合、基本的には労働者の意向に従うという通達があるため、原則としてそれに従ってくれるわけです。
なので、民間企業に比べると公務員は退職までの手続きが面倒に感じると思います。
ですが、きちんと然るべき退職代行業者に申し込んで、伝えるべきことを伝えれば、あとは業者が粛々と手続きを進めてくれるでしょう。
つまり、公務員の方であってもきちっと退職できるということです。
費用がかかってもせめて退職代行を!公務員のバックレが危険な理由
公務員は無断欠勤をすると懲戒処分の対象となってしまうため、バックレるのは非常に危険です。
場合によっては懲戒免職という非常に重い処罰が下ることもあります。
(1) 欠勤
ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。
イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。
ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。(2) 遅刻・早退 勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。
引用:懲戒処分の指針について
21日以上の欠勤をすると、免職や停職を受けることは理解している方も多いかもしれません。
ですが、実を言うとたった1日だけ無断欠勤したことで処分対象となった事例は決して少ないないので、十分に注意してください。
陸上自衛隊千僧駐屯地(兵庫県伊丹市)は15日、正当な理由がなく1日欠勤したとして、第3偵察隊に所属する30代の男性2等陸尉を停職1日の懲戒処分にしたと発表した。処分は同日付。
同駐屯地によると、男性は2019年11月26日、業務の開始時刻になっても出勤せず所在が分からなくなっていた。隊員が捜索していたところ翌日午前に本人から連絡があり、川西市内の自宅で保護された。
男性は「業務がはかどらず悩んでいた。神戸市内にいた」などと話しているという。
引用:神戸新聞NEXT
懲戒免職になると2年間は公務員の再就職ができないだけでなく、次の就職先にも悪い印象を与えてしまう可能性もあります。
どうしても辞めたいからと危険な行為に走るよりも、退職代行に頼る方が賢明と言えるでしょう。
ちなみに、すでに何かしらの問題を起こして懲戒処分を待っている状況で退職代行の利用を検討している人もいるかもしれません。
その場合、弁護士監修の退職代行業者であっても交渉が難しくなるケースもあるのでご注意ください。
トラブルに注意!公務員が退職代行を利用する際の注意点とリスク
公務員が退職代行を利用する際の注意点とリスクは以下の通りです。
- 公務員の退職代行実績のある業者を選ぶ
- 弁護士が代行するケースが多いため相場よりも費用が高くなる
- 即日退職が難しいケースが多い
- 運営元が労働組合でも公務員に関しては交渉権がない
- 即日退職ができないのに欠勤が続くと懲戒解雇になる可能性がある
これらを抑えて退職代行を利用すればトラブルに遭う可能性を極力減らせるでしょう。
ここでは『公務員が退職代行を利用する際の注意点とリスク』についてお話していきます!
公務員の退職代行実績があるところを選んだ方が安心
退職代行選びで失敗しないためには、公務員の退職代行実績があるところを選ぶのがおすすめです。
上述したように公務員の退職は民間企業とルールがことなるため、経験がものを言います。
そのため、退職成功率や実績だけでなく、以下のような『公務員を退職させた実績』に注目することが大切です。
弁護士監修の退職代行サービスなら、お客様の声に公務員の退職事例を載せていることが多いです。
退職代行で利用しました。 私は元陸上自衛官です。退職を考えて、なかなか言い出す事ができませんでした。
やっとの思いで、退職の意思を上司に伝えましたが、よくある無駄な引き止めにより話しが進む事がありませんでした。
そんな中、いろいろ調べていたら、退職代行がある事を知り、こちらにお願いしました。
自衛官で退職を考えている方は、本当にお薦めします。
希望の退職日(有給消化できる日がお薦め)、残りの有給消化までできて、料金も他に比べてリーズナブルです。
普通の人なら、約2〜3ヶ月は有給休暇が取れると思います。
ただ、自衛官は官給品の整備だけは自分でやらなくてはなりません。
もっと早く退職代行を知っていればと思っています。 退職を考えて悩んでいる方は、早めの行動を!
利用して後悔はないと思います。
利用前にホームページや問い合わせから公務員の退職代行実績の有無を確認にしてみてください。
ただし、弁護士が代行する場合は一般的な退職代行サービスよりも費用が高くなる傾向にあります。
弁護士が代行するケースが多く相場よりも費用が高くなる
公務員の退職は民間企業と規定が異なるため、弁護士に退職代行を依頼した方が安心であることは間違いないでしょう。
しかし、弁護士に退職代行を依頼すると5万円ほどかかり、相場の2〜3万円よりやや高くなります。
それでも、弁護士なら以下のような幅広いサポートが受けられるので安心です。
- 有給休暇の取得に関する依頼
- 退職日の調整
- 未払い給料の請求交渉
- 会社から損害賠償請求された場合の対応
弁護士がついていれば、退職をめぐってトラブルが起きた際も対応してもらえるのでスムーズに辞められるでしょう。
なお、即日退職を希望する場合は、その旨も退職代行サービスに相談した方が得策です。
対応業者に要相談!即日退職が難しいケースが多い
一般的に公務員は退職の意志を伝えても欠勤ができないため、即日退職が難しいケースが多いです。
それでも、以下のような条件が重なれば即日退職も可能になります。
- 退職日まで使用可能な有給休暇が残っている
- 任命権者(上司)からの承認が得られている
これらの条件を満たせば、即日退職が可能ですが、任命権者からの承認が得られた上での即日退職の場合は有給休暇は消化できません。
有休の使用や承認が難しそうな場合は、退職代行業者に相談してみるといいでしょう。
ただし、自衛隊の場合は先述したように自衛隊法40条1項によって、承認しないことができるケースが存在するため、即日退職できる可能性は低くなります。
それでも、業者によっては早ければ3日程度で退職できるケースもあるようですね。
現状、自衛隊に所属の自衛官の方は、依願退職を申し出ても、なかなか辞めることができません。そこで、弁護士法人川越みずほ法律会計の退職代行サービスを依頼すれば、最短で(退職まで)1〜2ヶ月程度、早ければ、3日間程度で退職ができるケースがあります。これは、任用期間がある場合にも当てはまります。
引用:自衛官退職代行
運営元が労働組合でも公務員に関しては交渉権がない
公務員が退職するには任命権者(上司)の承認が必要なので、承認許可を求める交渉が必要です。
そのため退職代行を選ぶ際は、交渉権を持つサービスを選ぶ必要があります。
この場合、労働組合型の退職代行サービスは公務員に対しては公務員に対しては交渉権を持たないので利用することができません。
公務員に対して交渉権を持つのは、弁護士だけです。
したがって、公務員が利用できるのは基本的に運営元が弁護士の退職代行業者となります!
即日退職ができないのに欠勤を続けると懲戒解雇の可能性も
前述の通り、公務員は即日退職が難しいです。
だからといって、退職代行に依頼したその日から欠勤を続けると懲戒解雇になる可能性があります。
公務員は任命権者(上司)からの承認がなければ欠勤が認められないので、無断で休むと処罰対象になるんです。
職場へ行きたくない場合は、退職代行業者に有給休暇の取得交渉をしてもらいましょう。
正式に承認された休みであれば、懲戒解雇になる心配はありません!
公務員の退職代行は弁護士しか扱えない!実績あるおすすめの業者を紹介
公務員の退職代行を進められるのは、基本的に弁護士が運営する退職代行業者です。
運営元が民間企業や労働組合の業者は公務員への交渉権がないので、退職の許可を得ること自体が難しいんですね。
というわけで以下の『公務員の退職代行が可能なおすすめの業者』を3つご紹介していきます。
- フォーゲル綜合法律事務所
- 弁護士法人みやび
- 弁護士法人川越みずほ法律会計
どこも弁護士が運営する退職代行業者なので安心して利用できるでしょう!
弁護士法人みやび
弁護士法人みやびの概要は以下の通りです。
- 料金:55,000円(税込み)
- 全額返金保証:なし
- 対象エリア:全国
- 代表弁護士:佐藤 秀樹
料金は55,000円ですが、残業代や退職金などの請求を依頼する場合は回収額の20%が別途必要です。
費用はかかるものの、お金に関わる交渉を必要としている人にとっては心強いはず。
全国どこからでも利用でき、LINEまたはメールで24時間いつでも無料相談が可能です!
フォーゲル綜合法律事務所
フォーゲル綜合法律事務所の概要は以下の通りです。
- 料金:33,000円~
- 全額返金保証:あり
- 対象エリア:全国
- 代表弁護士:嵩原安三郎
低価格で弁護士による退職代行サービスが利用できます。
料金プランによって変わり、33,000円から最大55,000円です。
公式ホームページで、どのプランが自分に合っているか事前にシュミレーションもできます。
できるだけ費用を抑えつつ、トラブルなく辞めたい人におすすめと言えるでしょう。
また、24時間LINEで無料相談が可能で、10:00〜19:00の間であれば電話対応もしてもらえます!
弁護士法人川越みずほ法律会計
弁護士法人川越みずほ法律会計の概要は以下の通りです。
- 料金:49,800円(税込み)
- 全額返金保証:あり
- 対象エリア:全国
- 代表弁護士:清水 隆久
退職代行サービスに力を入れており、公務員の退職を成功させてきた実績とノウハウのある業者です。
そのため、実績や確実性を求めるひとにおすすめの退職代行業者と言えるでしょう。
万が一退職に失敗した場合は全額返金に応じてくれるので安心感もあります。
また、LINE・電話・メールでの無料相談が可能。
さらに最短30分のスピード対応を掲げているため、やり取りのスムーズさにも定評があります!
公務員から転職するのであれば転職エージェントを利用しよう
転職エージェントを利用すれば、転職のプロが民間企業の内情を細かく教えてくれます。また、求人紹介・書類添削・面接対策・条件交渉などのサポートを受けられます。
これらのサポートが全て無料で受けられるため、転職する際は利用しない手はありません。
公務員からの転職におすすめの転職エージェントについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は『退職代行は公務員でも使えるのか?』についてお話ししました。
公務員でも退職代行は使えますが、以下の理由から難しいと思ったほうがいいでしょう。
- 民間企業と公務員では退職規定が異なるため
- 公務員の退職には許可と辞令交付が必要なため
- 自衛隊には一部の情感に退職を承認しない権利があるため
それでも絶対に使えないわけではないので、どうしても辞めたい時はバックレず退職代行を頼ったほうが良いでしょう。
公務員がバックレると、懲戒免職という非常に重い処罰が下ることもあります。
また、公務員が退職代行を利用する際の注意点とリスクは以下の通りです。
- 公務員の退職代行実績のある業者を選ぶ
- 弁護士が代行するケースが多いため相場よりも費用が高くなる
- 即日退職が難しいケースが多い
- 運営元が労働組合でも公務員に関しては交渉権がない
- 即日退職ができないのに欠勤が続くと懲戒解雇になる可能性がある
トラブルなく退職代行を利用するには、業者選びが大切と言えるでしょう。
今回は公務員でも利用可能な退職代行サービスもご紹介したので、業者選びの参考にしてみてください!