セクハラが原因で退職したいときにとるべき行動とは?我慢するリスクについても解説

本記事でわかること
  • セクハラで会社に行きたくない人がとるべき行動
  • セクハラを我慢するのが危険な理由
  • セクハラが会社からなくならない理由

セクハラがつらくて会社に行きたくない場合、あなたが我慢する必要はありません。しかし、「やめてほしい」と声を上げられずに苦しんでいる方がたくさんいます。

本来は職場でセクハラが起きないように監督するのが会社の義務です。セクハラ行為を放置している会社は怠慢だと言えるでしょう。

本記事では、セクハラが原因で会社に行きたくないときにとるべき行動について解説します。職場でのセクハラに悩む方は、ぜひ参考にしてください。

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セクハラについて解説

セクハラとは、職場において相手を不快にさせる性的な内容の発言や行為のことです。顧客企業や出張先、業務の延長にあたる接待の場なども対象となります。

例えば、以下のような言動はすべてセクハラです。

セクハラの具体例
  • 性的な内容の会話をする
  • 女性社員の発言をまったく聞き入れない
  • 肩や腰など相手の体に意図的に触れる

また、セクハラの被害に遭っているのは女性だけではありません。近年は男性がセクハラを受けるケースも増加しているのです。

セクハラで苦しんでいる人は多い!世の中のセクハラの実態

日本におけるセクハラの件数は年々増加しています。まずは以下のグラフを確認してみてください。

令和2~4年度のセクハラに関する相談件数を確認すると、3年とも6,000件を越えています。令和3年度から4年度にかけては7,070件から6,849件へと減少していますが、多くの方がセクハラに悩む状況です。

世の中からセクハラをなくすには、会社が対策を行うとともに、一人ひとりが意識していかなければなりません。

セクハラで会社に行きたくない人がとるべき行動

あなたがセクハラ被害にあったときの対策は、まず会社の責任者にその旨を告げて善処してもらうことになります。伝えるべき相手と伝え方は以下のとおりです。

会社の相談窓口に訴える

会社の中にセクハラなどの相談を聞いてくれる相談窓口がある場合は、遠慮なく相談窓口に駆け込みましょう。窓口がなくても、労働組合がある場合はそちらを頼ってみても良いでしょう。

守秘義務があるため、相談窓口以外には漏れる心配はないと思いますが、万が一相談窓口に駆け込んだことによってさらなる嫌がらせやいじめを受けることになってしまったら、そのような会社は即刻辞めることです。

公的機関(労働局雇用均等室)に相談する

中小企業やベンチャー企業の場合は、そもそも会社に相談窓口が存在していない場合があります。そのような場合には、各都道府県の労働局雇用均等室を利用してください。

利用は無料で、専門の相談員にセクハラ被害の相談ができます。

セクハラ加害者に「止めて欲しい」と伝える

セクハラ加害者に対して直接「止めて欲しい」と伝えるのは大変勇気がいることです。しかし、当の本人は、自分がセクハラをしているという自覚なくセクハラをおこなっている場合があります。

女性に対する配慮がない男性や女性を軽視している男性の場合に多く、自覚がないだけにタチが悪いです。

もし加害者がセクハラをしているという意識がないのであれば、後々事が大きくならないように穏便に伝えるようにしましょう。特に、あなたがこれからも同じ職場で働き続けたいと思っているのなら、皆がいる場所で「セクハラです!」と大声で訴えたりするのは、かえって面倒なことになってしまいます。

まずは上司に「相談があります」と告げて、人目のつかない場所で話してみましょう。人目のつかない場所は、何をされるか分からないから怖いというのであれば、他の人に話の内容が聞かれずに、かつオープンスペースで皆の目が多少ある環境が良いでしょう。

上司に相談するべき内容
  • できれば今の仕事を続けていきたい
  • 上司の言動が強いストレスになっている
  • 上司の立場を悪くしたいのではない
  • 今のまま変わらないのであれば退職を考えている
  • 今の仕事を続けたいので、セクハラを止めて欲しい

ということを、冷静に話しましょう。もし直接話すのが困難な場合は、上司にメールを送るという方法もあります。その場合は、自分の率直な今の気持ちを正直に書くようにしましょう。

「上司の上司」に訴える

直属の上司に直接話しをできない時や、取り合ってもらえない場合は、その上の上司に相談してみるのもひとつの手です。どのようなセクハラ被害をうけているのか、実際の状況を詳しく話すことで、何らかの措置を講じてくれる可能性があります。

セクハラ被害の証拠を残す

たとえ上記のように訴えたとしても、明確な証拠がない場合、「そんなことは言っていない」「そんなつもりで言っていない」「そもそも証拠がない」と言い返されて、認められずにうやむやにされてしまうことがあります。

ですから、セクハラにあったという証拠を、実際に記録して残しておくことが必要なのです。以下の証拠を残しましょう。

セクハラ被害の証拠の残し方
  • ボイスレコーダーやスマホのボイスレコーダーアプリなどで記録する
  • 少しでも関係のある物的証拠やメールは写真または画像で残す
  • セクハラ被害を記録したノートを作っておく
  • セクハラ被害のせいで病院に通っている場合は、通院記録も残す

ボイスレコーダーやスマホのボイスレコーダーアプリなどで記録する

あなたが口頭でセクハラ被害を受けているのなら、その発言をボイスレコーダーやスマホのボイスレコーダーアプリで記録します。これは決定的な証拠となるため、重要な行動です。

ボイスレコーダーで記録するのが難しい場合は、ノートに何と言われたのかを、日時とともに鮮明に記録しましょう。

少しでも関係のある物的証拠やメールは写真または画像で残す

物的証拠があれば、すべて写真に撮ります。例えば押し付けられた書類の山、高圧的なメモ書きなどです。

メールでセクハラをされた場合は、印刷もしくは写真・画像をキャプチャーして証拠として残します。

セクハラ被害を記録したノートを作っておく

セクハラ被害にあった詳細を、できるだけ詳しく記録したノートを作りましょう。これは、セクハラ被害にあったあなたの発言内容に信頼性を与えるために必要な情報となります。

日時、どのようなセクハラ被害にあったのか、そのときあなたはどのような気持ちになったのか、どう思ったのかをはっきりと記録しましょう。

セクハラ被害のせいで病院に通っている場合は、通院記録も残す

もしあなたがセクハラが原因で心療内科や精神科を受診しているなら、通院記録や診断書、お薬手帳も残しておきます。

これらの証拠を残したうえで、会社の責任者(上層部・人事部)にセクハラを受けていることを訴えましょう。

セクハラ体質の企業は、そう簡単には変わってくれないかもしれません。ですが、会社の責任者である上層部や人事部に駆け込むことで、何かしら動いてくれる可能性があります。

なお、証拠として残した記録は、原物を使うのではなく、コピーを使ってください。事前に複製を作っておくのです。

セクハラ被害が世に知れ渡ったら会社の信頼や評判が落ちるため、会社はセクハラをもみ消そうとするかもしれません。

会社の対応が甘く改善されない場合には、会社の管轄となる都道府県労働局の総合労働相談センターに相談に行きましょう。

男女雇用機会均等法で「都道府県労働局長は、指針に照らし必要があれば職場におけるセクハラに関し、事業主に対して、報告を求め、またはアドバイス、指導もしくは勧告をすることができる」となっていますので、相当な解決力になるはずです。

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転職活動を始める

セクハラが原因で会社に行きたくない方は、今すぐに転職活動を始めましょう。今の状況を我慢していても改善されることはないので、セクハラのない会社に転職するのがおすすめです。

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退職交渉の成功率は100%なので、確実に会社を辞めたい方におすすめです。

また、あなたが会社に連絡する必要はなく、退職届の提出や貸与品の返却も郵送で行なえます。

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セクハラをされて会社に行きたくないと感じながら我慢するのは危険

セクハラをされて会社に行きたくないと感じながら我慢するのが危険な理由を解説します。

自分自身を守るためにセクハラを我慢せず、何かしらの対策をとりましょう。

エスカレートする可能性がある

セクハラを我慢していると相手が調子に乗り、エスカレートする可能性があるため注意が必要です。

基本的に、セクハラの加害者は自分の言動がセクハラであると自覚していません。被害者が拒否したり、会社から警告したりされなければ、その行為はエスカレートするでしょう。

最初は言葉のみのセクハラでも、身体への接触行為につながる危険性があります。

セクハラがエスカレートすると、さらに働きにくい職場になってしまうため我慢すべきではありません。

うつ病などの精神的な病気にかかる可能性がある

長期間にわたってセクハラ被害を受け続けると、うつ病や適応障害などの精神的な病気にかかる可能性があります。病気の症状によっては、休職せざるを得ない場合もあるでしょう。

特にうつ病は寛解までに時間がかかる病気と言われています。病気の症状が仕事に影響してしまえば、思い描いたキャリアを実現できなくなるかもしれません。

セクハラによるストレスで精神的な病気にかかってしまう前に、働く環境を変えることが大切です。

トラウマになり働くのが難しくなる可能性がある

セクハラが横行する職場で働き続けたことが原因で、トラウマになり働くのが難しくなる可能性があるため注意してください。

セクハラは不快な気持ちになるだけでなく、精神的に大きなダメージを負ってしまいます。気づかないうちにトラウマになり、会社に行けなくなるかもしれません。

トラウマになってしまった場合は、職場を変えても「またセクハラを受けるのでは?」と働くこと自体に恐怖を感じてしまうでしょう。

セクハラはどの会社でも起こりうる危険な問題

職場におけるセクシャルハラスメント(セクハラ)は、会社ならどこでも起こりうる危険性をはらんだ日常的な問題です。

セクハラに苦しむ女性は非常に多く、問題に対処しないまま放っておくと、最悪の場合、うつ病や適応障害統合失調症になってしまうこともあり得ます。

古い体質の企業や、体育会系の会社ではセクハラが日常的に行われているところもあります。さらに、そのようなセクハラに対して特に罰則も課せられていないのが現状です。

男女雇用機会均等法においては、セクハラは以下のように定義されています。

セクハラの定義
  • 職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること(対価型セクシュアルハラスメント)
  • 性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること(環境型セクシュアルハラスメント)
セクハラ

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出典:厚生労働省HPより

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セクハラがなくならないのは何故?

セクハラは、被害者に心理的ストレスを与えるだけでなく、女性の尊厳まで奪う卑劣な行為です。

しかし、男性のなかには悪意なくセクハラを繰り返してくる人がいます。女性を軽視している男性は、自分の言動をそもそもセクハラだと思っていない可能性があるのです。

このようなセクハラを日常的に受け続けると、業務に集中することが難しくなるだけでなく、過度のストレスで苦しめられることになります。

セクハラ加害者が上司であるなど、権力や地位をもった人物の場合は、被害を会社に訴えても取り合ってもらえないケースもあります。

うつ病になる前にセクハラから逃げてください

セクハラは、我慢し続ければどんどんその行為がエスカレートしていきます。あなたは、「自分さえ我慢し続ければ大丈夫…」と思っているかもしれませんが、その考えは危険です。

ある調査によると、セクハラの被害にあった女性のうち約1割がうつ病などの精神的な病になってしまうというデータがあります。

それは、セクハラを我慢し続けて膨大なストレスを溜め続けてしまった結果に他なりません。あなたも、我慢し続ければいずれうつ病になってしまう可能性があります。

そうなる前に、転職してセクハラから逃げるべきなのです。うつ病になってしまったら、治るまで何年もかかります。病気が治るまで、家で引きこもり働くことはできません。家族にも迷惑をかけることになります。

あなたの生活は、セクハラによって破壊されてしまうのです。セクハラを我慢しないでください。あなた自身のことをまず第一に考えてください。

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セクハラが原因の退職理由はどう話せばいいの?

転職の面接で前職の退職理由を聞かれることが多いはずです。セクハラが原因で退職した場合、どのように話すのが良いのでしょうか?

セクハラにあったと正直に話して、嘘をつかずに転職活動を行いたいと思うのは当然のことですが、面接の場という限られた時間のなかで、あなたの受けたセクハラの状況を理解してもらうことは難しいものです。

また、あなたも具体的なセクハラの内容について詳細に話すのは抵抗があるでしょうし、採用担当者も困惑してしまうだけでしょう。ですから、セクハラで退職したというのは話さないのが賢明です。

前職で辞めた理由を聞かれた場合は、キャリアアップのためといった無難な答えで乗り切るのがコツです。

転職するなら転職エージェントを活用しよう

転職すると決めたら、また同じようなセクハラがある会社は絶対に避けなければいけません。しかし、どの企業が悪質な会社なのかは素人にはなかなか見分けがつかないでしょう。

そこで、おすすめの方法が、転職エージェントを利用するという方法です。

転職エージェントを介せば離職率やストレス率の高い会社、問題のある会社を避けることができます。そのような会社を個人で見つけるのはとても困難です。

転職エージェントは企業の内部事情に詳しく、また求人を出している企業の審査を行って企業の雰囲気、残業時間、離職率などの細かいデータをすべて把握しています。

「セクハラで悩んでいました…」と相談すれば、セクハラの心配がない企業や、女性が多く安心して働ける企業を紹介してくれるでしょう。

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編集者1

杉田 陸 - キャリアクラス編集部

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新卒で福岡県のメーカー企業に入社し、営業とSNSマーケティングを経験。1年半後、本当にやりたいことを見つめ直し、未経験でWebマーケティング業界への転職を決意。2021年8月にウェブココル株式会社へ入社する。自身の第二新卒で転職を成功させた体験をもとに記事コンテンツの作成する。一般社団法人プロティアン・キャリア協会が行う『プロティアン・キャリア検定資格』に合格(合格証明)。
※プロティアンキャリア検定は、自身・他者のキャリア開発に活かせる、変化する新時代のための認定資格

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編集者2
千田 究太郎 - キャリアクラス編集部

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新卒でマーケティング支援会社に入社。その後、Web広告を扱う企業を中心に二度転職を経験したのち、ウェブココル株式会社に入社。自身の転職成功経験を踏まえて、主に第二新卒〜若手の転職情報に精通。最新の転職情報をお届けします。

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大島 大地 - ウェブココル株式会社取締役

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新卒で東証プライム上場メーカーへ入社。その後上場企業傘下のWebメディア企業へ転職し、ウェブココル株式会社の取締役へ就任。採用の全責任者として、年間100名近くの採用選考を実施し、社員0名→25名へグロース。自社において幅広いなリクルーティングサービスを利用し、多くのサービスに精通。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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執筆者情報

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