退職前にやることは「退職前にやることリストを紹介|必要な手続きなどをわかりやすく解説」を参考にしてください。
「退職したらやることが知りたい、保険や税金関係はどうしたらいいんだろう?」
勇気を出して行動した後は、少しホッとしてゆっくり過ごしたくなる人も多いと思います。
ですが、会社を退職した後はやらなければいけないことがあるんです。
会社員だった状態から無職になると、保険や税金に関する手続きが必要になります。
退職してから転職活動を行い、次の会社が決まるまで日が空く場合は特に注意してください。
ということで本記事では、退職した後にやることを詳しくご紹介していきます。
忘れがちなポイントも「行動リスト」としてまとめていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
・退職したらやることは、『失業保険の手続き』、『健康保険や年金保険の切り替え』、『会社にある私物の引き取り』。
・また、退職した後は健康保険や税金に関する手続きは基本的にすべて自己管理になるので注意。
・退職を言い出せない、すぐに辞めたい場合、最近では当たり前になってきた『退職代行』がおすすめ!
退職したらやること!仕事辞めたらすること3つのポイントとは?
各種保険の手続きや、会社で最後にやるべき処理などを詳しくお話ししていきます。
結論から言うと、退職した後にやることは以下。
- 失業保険の手続き
- 健康保険や年金保険の切り替え
- 会社にある私物の引き取り
どれも次の会社にスムーズに転職するためには大切なことばかりです。
という事で1つずつ詳しくみていきましょう!
やること1:失業保険の手続き
会社を退職した後にやることは、失業保険の手続きです。
失業保険とは、雇用保険のある会社で勤めていた人が失業状態になった時に受け取ることができる保険になります。
簡単にいうと、失業することで手当(お金)を受け取ることができるんです。
ただし退職した理由によっては、必要になる通算の雇用保険の加入条件が異なり、また受け取れる失業保険の受給期間なども変わります。
ちなみに一般的な自己都合による退職の場合は、離職の日以前2年間で「雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上必要」です。
わかりやすく言えば、雇用保険のある会社で1年務めていた事実が必要であるということ。
自分が失業保険を受け取る条件を満たしているかは、ハローワークなどに行けばすぐに確認ができます。
また失業保険を受け取るための手続きも同時に行うことができるので、会社を退職した後はその確認と手続きに行くことが大切です。
なお失業保険を受け取るためには、最初に失業保険の説明会などに参加する必要があります。
この説明会に参加するには、退職後に会社からもらえる「離職票」やマイナンバーカードなどが必要です。
なお離職票は退職後に会社から自宅に郵送になるか、会社の総務などに直接受け取りに行くことになります。
手元に届くのはおよそ10日~2週間ほどかかりますが、もし届かない場合は会社に確認してみてください。
基本的に失業保険は、働きたくても働けない人の生活を保障するための手当てという位置付けの給付金になります。
当然ですが、一生涯もらえるわけではありません。
手続きをする際には、自分が受け取れる失業保険の金額と受け取れる日数をしっかり確認し、それまでに次の仕事を決めるのが理想的ですね。
やること2:健康保険や年金保険の切り替え
会社を退職すると健康保険や年金保険の切り替えが必要になります。
まず健康保険に関してですが、会社員の場合は会社が管理している「社会保険」の健康保険に加入しています。
これは従業員のためのものであり、会社を退職する際には変更手続きが必要です。
社会保険を変更するには主に3つのケースがあります。
- 今まで加入していた会社の健康保険を任意継続する(退職した会社で手続き)
- 市区町村が管理している国民健康保険に加入する(市区町村の健康保険課で手続き)
- 家族の被扶養者になってその健康保険に加入する(ケースにより異なる)
いずれも継続または加入にはそれぞれ条件があるので、保険を管理している窓口へ問い合わせと所定の手続きが必要となります。
次に年金保険ですが、日本ではすべての国民がいずれかの年金に加入する義務があります。
こちらも退職に合わせて変更の手続きが必要です。
国民年金の種類は3種類あります。
- 第1号国民年金(無職、学生、自営業、フリーランスなど)
- 第2号国民年金(厚生年金に加入している会社員、公務員など)
- 第3号国民年金(第2号国民年金加入者の配偶者で20~60歳未満の人)
会社員で厚生年金に加入していた人は、自動的に第2号国民年金に加入していましたが、退職したことで第1号または第3号への変更手続きが必要となります。
また年金の変更手続きは会社を退職後14日以内に、市区町村の窓口で年金手帳や離職証を持参して行います。
退職後の所得の低下で保険料の支払いが困難な場合は免除制度などもありますので、詳しくは年金窓口で問い合わせてみてください。
やること3:会社にある私物の引き取り
さらに忘れてはいけない大事なことがもう1つあります。
それは会社にある私物の引き取りです。
基本的には荷物はあらかじめ少しずつ整理して持ち帰り、退職日にはロッカーもデスク周辺も綺麗にした状態で退職するのがベスト。
もしも間に合わなかった時は、退職後なるべく早く取りに行くようにしましょう。
また退職日以降は立場的には社員ではなくなるので、電話などで私物を取りに行っても良いか確認してからにするといいです。
何度も取りに行くことがないように、隅々まで確認しておくことが大切ですよ。
退職したらやること!税金に関する3つの注意点とは?
会社を退職した後は税金に関する手続きも必要です。
税金に関する手続きとは、主に確定申告や住民税の手続きですが、以下のポイントに注意してください。
- 確定申告をする
- 退職金も所得の対象となる
- 住民税の手続きを行う
こちらもそれぞれ詳しく確認していきましょう!
注意点1:確定申告をする
退職する時は通常、退職金が支払われますが、勤続年数によってはとても大きな金額になります。
退職金に関しては、前の勤務先で「退職所得に関する受給の申告書」の手続きをすれば、源泉徴収で処理されるので確定申告は必要ありません。
この手続きをしていない場合のみ、自分で確定申告をする必要があります。
また年度内に再就職をした場合は、前の会社で発行される源泉徴収票を提出して、新しい会社で年末調整を受けることになります。
年度内で再就職をしない場合は、源泉徴収票を持って自分で確定申告を行うことになります。
1年間以内に働いていない月があればおそらく前年度よりも収入は下がっている場合が多いです。
なので確定申告をすると、納め過ぎている税金の還付を受けられる可能性があります。
また医療費控除が適用される人やマイフォームの購入、自宅のリフォームなどをした人も税金の還付が受けられるケースがあるので確定申告は必須です。
自分がどのケースに該当するのか、しっかり情報を整理して確認しておくことが大切です。
注意点2:退職金も所得の対象となる
退職金に関しては所得の扱いになりますが、通常の所得とは別で考える源泉分離課税で計算されます。
基本的に退職金とは、その会社で長く働いた労働者に対しての報酬となるので、税負担が軽くなるようになっているんです。
前項でもお話ししましたが、退職金は前の職場で所定の用紙を出して手続きをすれば、自分で手続きすることはありません。
ただし医療費控除や寄付金控除、マイホームに関する控除などを受ける場合は確定申告が必要になります。
少し手間はかかりますが控除してもらえるもの、還付を受けられるものはしっかり手続きして恩恵を受けるようにしましょう。
注意点3:住民税の手続きを行う
さらにこれまでは給与から天引きされていた住民税も、退職後は自分で手続きしなくてはいけません。
また住民税は前年度の所得をもとにして計算しますので、退職して収入が減ったのに金額が高いと驚く人もいます。
しっかり準備しておくことが大切ですね。
通常、今年度の住民税は翌年度の6月から翌々年の5月まで分けて支払っていきます。
天引きの場合はあまり意識することはありませんが、会社員が毎月給与から支払っている住民税は1年前の収入に対する税金になるんです。
そして会社を1~5月末までに退職した場合は、5月末までの住民税を最後の給与または退職金から一括天引きされる仕組みになっています。
6月~12月末までに退職した場合は、市町村から直接自宅に納付書が送付されてきますので、そちらで支払います。
希望に応じて一括で支払うことも可能です。
もしも会社を退職してすぐに次の会社に転職が決まっている場合は、次の会社でそのまま継続して特別徴収できます。
ただし、その場合は前の会社と次の会社で事務の連携をしてもらわなくてはいけません。
とはいえ、なかなか辞めた会社の事務にお願いするのは気を遣いますよね。
もしお願いするのが難しい場合は、自分で直接支払う形をとった上で、新しい会社の特別徴収に切り替えると良いでしょう。
退職後の手続きでQ&A!よくある質問に回答
続いては退職後の手続きでよくある質問について3つピックアップしてみました。
退職後に気になるお金の疑問をしっかり解決していきましょう!
質問1:失業手当で支給される金額は?
退職後の手続きで一番気になるのは、やっぱりお金の話ですよね。
雇用保険に入っていた人は失業保険を受け取ることができますが、金額はいくらもらえるのかと言う質問が多いです。
失業保険で受け取れる金額はみんな一律で同じではありません。
働いていた時の賃金によって異なります。
また失業保険の基本手当の日額については次の計算式で求めることが可能です。
基本手当日額 = 賃金日額(退職前6カ月の賃金合計÷180) × 給付率(50~80%)
上記の「給付率」は年齢や働いていた時の日額賃金により変わります。
また受け取れる期間も自己都合退職や会社都合退職などにより変わるため注意が必要です。
実際に受け取れる正確な失業保険の合計金額については、1人1人のケースに当てはめて計算しなければいけません。
失業保険は次の仕事が決まるまでの大切な生活費になりますので、ぜひハローワークに問い合わせてしっかり計算してもらってください。
質問2:国民年金の切り替え期限を過ぎてしまったら?
退職後は厚生年金から国民年金への切り替えをしなくてはいけません。
年金の変更手続きは会社を退職後14日以内に市区町村の窓口で行うという期限があります。
退職後に何かと忙しくてこの切り替え時期を過ぎてしまった場合でも、保険料の納付期限日から2年以内であれば後から納付することが可能です。
うっかり忘れていた場合でも、定期的に年金事務所からハガキなどで未納状況の案内が届きますのでそちらを確認すれば大丈夫でしょう。
もしも未納の状態で放置しておくと、将来的に受け取れる年金の金額が変わってしまうこともあります。
気付いた時点できちんと支払うようにしましょう。
質問3:健康保険への切り替えはどの制度を利用するべき?
先ほどもご紹介しましたが、会社を退職すると健康保険は、次の3パターンから選んで変更することになります。
- 今まで加入していた会社の健康保険を任意継続する
- 市区町村が管理している国民健康保険に加入
- 家族の被扶養者になってその健康保険に加入
このうちどの健康保険に加入するか悩む人も多いですよね。
もし扶養してもらえる状況なら転職が決まるまでは家族の被扶養者になって健康保険に加入するのが一番お得です。
しかし実は①の任意継続と②の国民健康保険に加入するケースは、扶養家族がいるかどうか、年収金額、自身の年齢によってどちらが得か変わってきます。
①独身の場合
- 年収が約500万円以下なら国民健康保険の方が安い
- 年収が約500万円以上なら任意継続の方が安い
➁扶養家族が1人の場合
- 39歳以下で年収が約430万円以上なら任意継続の方が安い
- 40歳以上で年収が約410万円以上なら任意継続の方が安い
③扶養家族が2人以上の場合
- 任意継続の方が安い
このように任意継続と国民健康保険はそれぞれケースによってどちらがお得か変わってきます。
任意継続を利用する場合は退職前に会社で手続きが必要になりますので、そこで詳しく試算してもらうのもおすすめですよ。まとめ
会社を退職した後にやることは以下でした。
- 失業保険の手続き
- 健康保険や年金保険の切り替え
- 会社にある私物の引き取り
どれも次の会社にスムーズに転職するためには大切なことばかりです。
退職した後は健康保険や税金に関する手続きは基本的にすべて自己管理となります。
これまで会社にすべてやってもらっていた手続きなので、不慣れなことばかりで大変に感じるかもしれません。
しかし健康保険も年金も住民税もすべて生活する上で大切なお金の手続きです。
忘れないようにしっかりメモなどを取りながら、1つずつ確実に処理していきましょう!