「社会人と学生の違い」について面接で聞かれました…!
頻出の質問で企業側にも聞く意図があるから、しっかりポイントをおさえておこう。
「社会人と学生の違いは、何だと思いますか?」という質問は、しばしば面接で聞かれます。
何となく違いを分かった気になっているかもしれませんが、聞かれるととっさに明確な回答をパッと出すのは難しいですよね。
どうしてそんな質問をするのかと思うでしょうし、雑談の流れで聞かれただけと感じるかもしれません。
しかし、この質問には面接官の明確な意図があります。それを理解すると、違いを漠然と答えるのではなく、説得力のある返しや言い方ができるようになるのです。
本記事では、社会人と学生は具体的に何がどう違うのか、面接官がこの質問をする目的は何かを解説すると共に、答え方のコツと回答例についてお伝えします。
しっかりと読んで、「社会人と学生の違いは、何だと思いますか?」へのそなえを完璧にしてください!
社会人と学生の違い6選
まずは、社会人と学生の違いをご紹介します!
社会人と学生の違いは、以下の6つです。
聞くからには、そこに意図があります。それを理解すれば、面接官がこの質問で何を判断したいのか、あなたはどうすれば評価されるのかが分かりますよね。これから解説する内容を押さえた上で対策をしてみましょう。
①立場〜お金を払うか貰うか〜
学生は、学ぶのに学費を払っていました。社会人は、お金を貰いながら学ぶ立場になります。
とはいえ社会人ともなると、受け身でいてはなかなか学べません。学生時代のように先生がいつもいてくれるわけではないため、学生時代以上に、自ら考え、学びにいく姿勢が必須です。
また、お金を払っている立場であればサボっても問題ありませんでしたが、お金を貰う立場になったらそれは許されません。
割り振られた仕事に対して、責任を全うすることが求められるよ。
②評価基準〜定期テストか実績か~
学生時代の評価基準は、生活態度などもありますが、主に定期テストでした。社会人は、仕事の実績で決まります。
定期テストのほとんどは、決まった回答のある問題です。しっかり勉強をすれば対策ができました。社会人は実績が全てといっていいでしょう。営業であれば売り上げ、事務ならこなした業務量やその正確さなどで評価されます。
頑張るのは当然であり、結果まで出して初めて評価されるのが社会人ですね。
③責任感〜背負う範囲が自分だけか会社ごとか〜
責任感の違いも大きいですね。学生時代は失敗しても、多くの場合は自分の問題でしかありませんでした。多少大きな問題だったとしても、親が出れば済む程度だったはずです。
しかし社会人になり、仕事で失敗してしまった場合は、自分の問題だけでなく会社の問題となります。また、問題の大きさによっては謝罪するだけでは済まされません。損害賠償沙汰にでもなれば、会社に大きな損失を与えるだけでなく、会社のイメージダウンになってしまう可能性もあるのです。
責任を背負う範囲が自分だけでなく会社にまで広がり、またその重さが学生時代とは比べ物にならないくらい大きくなるのが社会人なんだ。
④人間関係〜同世代中心か幅広いか〜
学生時代は基本的に同世代との付き合いが中心ですが、社会人になると一気に人間関係の年齢層が幅広くなります。
それに伴い、目上の上司に丁寧な言葉遣いをしたり、年下の部下に頼りがいのある背中を見せたりと、相手の年齢に合ったコミュニケーションを取らなくてはいけません。
話しやすい同世代とだけ集まっていれば良かった学生時代とは打って変わり、社会人になると様々な年代の人たちとやり取りする必要があります。親子以上に年の離れたやりづらい相手とであっても、円滑に仕事を進めなくてはいけないのです。
社会人になると、学生時代よりも幅広い世代との、大人の付き合いが必要になりますね。
⑤時間の使い方〜自由が多めか少ないか〜
社会人になって最も感じるのは、自由度の違いではないでしょうか。
学生時代も終日授業があったりはすると思いますが、社会人になってからの拘束時間の長さは比になりません。起きているほとんどの時間を仕事に捧げるはめになります。睡眠時間も削られてしまうかもしれませんね。
1日の中で自分のためだけに使える時間がかなり限られるようになり、工夫して時間をやりくりしないと趣味の時間は確保できなくなります。計画していたのに急な仕事でダメになる日もあるでしょう。
学生時代と違って、やりたいことは計画的に行わなければやりきれないよ。タイムマネジメントを上手に行うのがコツだ。
⑥主体性〜受け身でも許されるかNGか〜
学生時代は、宿題を出されたからやる、テストに向けて勉強するなどしていれば良く、受け身な姿勢でも成果が出せる環境でした。あるいは成果が出せていなくても、さほど問題ではなかったかもしれませんね。
しかし社会人になると、自ら考えて進んで行動する主体性が求められます。仕事も勉強と同じで教えてもらわなければ分かりませんが、かといって先輩たちは手取り足取り教えてくれるわけではありません。
何が分かっていないかを把握し、それを適切な先輩に聞きに行くアクションを自分から起こさないと、どんどん置いて行かれてしまいます。
また、言われた仕事をただやるだけでは不十分です。相手の求める以上の内容を返さなければ、評価は上がっていきません。依頼してくれた人の要求から外れずに、どのように期待を超えられるかを考える必要があります。
「指示待ち人間はいらない」とはよく言われますが、受け身な態度でいてはそのように判断されてしまいますね。主体性を発揮するのは、社会人の必須能力といえそうです。
社会人と学生の違いを面接で聞かれる目的
ここまで社会人と学生の違いを6つご紹介しました。では、なぜ面接では質問をされるのでしょうか?
聞かれる以上、面接官はそこから何かを読み取りたいと思っているはずです。
はたしてそれは何なのかを以下で解説します。
社会人としての意識を持っているか測りたい
1つめは、社会人としての意識を持っているか測りたいからです。社会人と学生の違いをきちんと理解できていないと、社会人の常識がないとみなされます。
就活をしている間はまだ学生なので、入社後にスイッチすれば大丈夫と思うかもしれませんが、そうではありません。面接では一緒に働ける相手かを見られています。
この段階から意識的に社会人らしい振る舞いをしていないと、入社以降も学生気分が抜けないのではないかと判断され、落とされる結果になりかねません。
せっかく社会人と触れ合う機会も多い就活期間だし、良いお手本も見付かるだろう。
今のうちから、社会人の一員である気持ちを持ちながら活動しよう。
仕事に対する価値観を知りたい
仕事に対する価値観を知りたいからというのも理由のひとつです。それぞれが思い描く社会人像は違うため、仕事に対する価値観を聞くことでそれぞれが思い描く社会人像を判断できます。
学生の仕事は勉強とよく言われますが、社会人になれば文字通りに仕事をします。仕事について、ただ給与を得るのみに時間を切り売りしていると思うのか、仕事を通して入社先の企業の役に立とうとする意識があるのかでは、仕事に取り組む姿勢は全く変わりますよね。
社会人と学生の違いを聞くことで、その学生の仕事に対してのスタンスが見えるのですね。
社会人になる気構えがあるか見たい
社会人=優れているとは必ずしも言えませんが、学生がそのまま社会人になったら、何かと至らない部分があるのは否めません。
社会人と学生の違いは、学生が社会人になるうえで足りない部分とも言えます。つまり、社会人になるにあたって埋めていかなければならない差です。社会に出る前に学生が身に付けなければならない素養とも言えるでしょう。
それが何なのかを分かっていなければ、埋めるための努力もできません。
この質問をすることで、面接官は学生がどれだけその差を自覚しているか、改善する心構えがあるかを見ているんだ。
社会人と学生の違いへの答え方のコツ
ここからは、社会人と学生の違いを聞かれたときの答え方のコツをお伝えします。
答える内容もさることながら、好印象を与えるには答え方も大事になってきますので、しっかりチェックしてください。
要点を真っ先に話す
まずは、要点を真っ先に話すことです。文章構成のもっとも基礎となるPREP法でも、要点となる結論は最初に伝える決まりになっています。
要点を最初に話すと、何を伝えようとしているかが相手に分かってもらいやすくなります。
社会人になっても必須のスキルだから、今のうちに身に付けておこう。
何がどう違うのかを具体的に述べる
何がどう違うのかを具体的に述べるのも大切です。境界をあいまいなまま話すと、この学生はしっかりと違いを理解できていないと捉えられてしまいます。
特徴などの明確な違いを提示すると、きちんと理解している、独自の考えができるとアピールできると共に、どう捉えているかが伝わりやすくなります。
なぜそう思うのかを明確にする
違いを説明する時には、なぜそう思うのかを明確にしましょう。それがないと、思い付きで答えたと思われてしまいます。また、説得力も皆無です。
なぜそう思うのかを考えると話がまとまって答えやすくなるので、あなた自身のためにもなります。「なぜ」を突き詰めていく行為は具体的な分析になり、それを繰り返していくと本質に迫れるからです。
身近な例を挙げて説明します。「私は飲み会が好き」と思った時に、なぜ好きなのかを考えてみましょう。
私は飲み会が好き
→お酒を飲むのが楽しい
→酔うとみんなが普段はしないような話をしてくれる
→それによって友達の知らない一面を知れる
→相手を深く理解できる
→親しみを持てて嬉しい
この掘り下げにより、友達の考えを深く知って親しくなりたいという期待感が、飲み会をしたい気持ちの原動力だと分かります。
「社会人と学生の違いはこれだ」と思った回答に対しても分析し、なぜそう思うのかを明確にして話せるようにします。
違いを仕事にどう反映させるかも添える
違いを説明したら、仕事にどう反映させるかも最後に添えましょう。
違いが分かるのは大前提ですが、その上で、自分はどのように仕事と向き合うかも伝える必要があります。いくら違いを知っていても、やらなければ意味がありません。
仕事の話を絡めると、社会人になったらそれにふさわしい態度でやっていく覚悟や心意気が伝わります。
面接官に、「今から入社後のことをきちんと考えていて、この学生は会社の発展に貢献してくれそうだ」という印象を与えられるよ。
【例文】社会人と学生の違いを面接で聞かれたときの回答例
最後に、社会人と学生の違いを面接で聞かれたときの回答例をいくつかご紹介します。これをベースに、自分なりの回答方法を考えてみてください。
責任をメインにする場合
社会人と学生の違いは、責任の範囲だと思います。
学生時代は、学校をサボったり、テストの点数が悪かったりしても、自分が困るだけでした。
しかし社会人になると、全てに対して責任が生じます。給与を貰っている以上はサボるなどもちろん許されず、成績が悪かったら会社に貢献できないので意味がありません。
また、学校の宿題を忘れても怒られて終わりでしたが、仕事でのミスは怒られるだけでは済みません。
たとえば発注を忘れていて納期が間に合わないとなったら、お客さんを困らせてしまい、製造会社にも迷惑をかけてしまうでしょう。その結果、自分の成績が下がるだけでなく、会社の信頼の失墜につながります。
このように、社会人になるとひとつの行動が影響を及ぼす範囲が広くなるので、これが社会人と学生の違いと考えます。私が社会人になったら、それを意識しながら責任感を持って仕事にあたる所存です。
立場の違いをメインにする場合
社会人と学生の違いは、立場の違いだと思います。
学生の頃は、お金を支払って学校に通っていました。こちらが支払う立場なので、面倒だと思えばサボってしまったり、苦手な教科は単位を落としてしまったりもしました。
社会人になると、そんなことは絶対にできません。支払う立場から貰う立場になると、相応の対価を提供する義務が発生するためです。
社会人になったら、相応の対価だけでなく、それ以上に高い価値を提供できる仕事をしていきたいです。それが自分の評価のみならず、企業のイメージアップにもつながると思います。そのために、誰からも必要とされる、高い価値を生み出せる社会人になる所存です。
まとめ
なぜ「社会人と学生の違いは、何だと思いますか?」という質問をされるのか、それによって何を知りたいと思われているのかがお分かりいただけたと思います。違いがある事実だけでなく、その違いをどう認識しているかが大切なのです。
それと共に、この問いは簡単そうで意外と難しいため、事前に準備をしておかなければならないと感じたのではないでしょうか。
最終的には、仕事に意欲的に取り組んで会社に貢献できるとアピールにつなげるのが重要です。自分の価値観をベースに、前向きな回答にまとめましょう。
一人で考えるのに詰まってしまったら、就活エージェントに頼ってみてはいかがでしょうか?きっと答えづらい質問の回答を見付けるヒントがもらえますよ!